家畜 (lettres)

  • 11人登録
  • 3.83評価
    • (2)
    • (1)
    • (3)
    • (0)
    • (0)
  • 1レビュー
制作 : Francis King  横島 昇 
  • みすず書房 (2006年4月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622072126

家畜 (lettres)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 三島由紀夫の親友だったというフランシス・キングは、1923年スイス生まれ。幼年時代をインドで過ごし、オックスフォード在学中に文壇デビュー。
    1959年から63年まで日本に滞在。

    フランシス・キングの代表作の本作は、自らの同性愛の体験をベースに描かれているが、
    脇役として登場する人物のモデルの元国会議員の強い出版差し止めの要求に、出版社は発刊を断念し、刊行予定日の十日前に本書はすべての書店から回収される。
    大幅改訂後出版されるが、構造上の致命的な欠陥を孕んだものだったという。

    時を経て、元国会議員が死去し、オリジナル版が刊行された。

    本書は出版差し止めになった当時の底本を翻訳したものであり、訳者の横島さんはキングから預かったテキストを訳しつつ、破綻部分に関してキングと話し合いをしながらすすめていったようである。

    内容は、殆ど事実に即しているように感じる。
    作家の主人公が、妻子のあるイタリア人の男性に恋をし、その恋焦がれる気持ちを赤裸々に綴っている。
    イタリア人の方は、ゲイの傾向はまったくないが、作家に愛されていた方がさまざまな面で得をするというようなこともあり、作家のそばにいる。

    主人公の心の情念は、プルーストのそれとよく似ており、粘着性の暗さを持ち、一方通行をどうにかしたいともがいているようである。

    彼を思う気持ちは続いており、文字にすれば心が浄化されると期待したとキングは書いているが、悪霊に憑りつかれたまま、その呪詛を背負いつづけているという。

全1件中 1 - 1件を表示

フランシス・キングの作品

家畜 (lettres)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

家畜 (lettres)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

家畜 (lettres)を本棚に「積読」で登録しているひと

家畜 (lettres)の作品紹介

英国の作家でゲイのトムソンはイタリア人哲学者アントニオに一目惚れし、彼を自宅に下宿させる。しかし、この美男で妻子もちの元プロサッカー選手は女好きで、若いパムを恋人にする。かくして、この三人をめぐる絶望と苦いユーモアに満ちた恋愛劇が幕を開ける。自らの情念に忠実なトムソンと一見自由奔放なアントニオ、また遅疑逡巡するパム-緻密に構成されたドラマは最後のどんでん返しでクライマックスを迎える。ここに至って、この小説は単なるゲイの悲恋を超えた、優れた芸術家小説となって立ち現われる。現代英文学を代表する長老作家の傑作。

家畜 (lettres)はこんな本です

ツイートする