- Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622072898
作品紹介・あらすじ
本を愛しなさい、と人生のある日、ことばが言った。そうすれば百年の知己になる。見知らぬ人たちとも。風を運ぶ人とも。死者たちとも。谺とも。十の肖像画。
感想・レビュー・書評
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書棚の、生涯読むと決めた本の中から。
「わが愛する本とその書き手たちの肖像画を書きたい」と、長田さんが書き上げた10編。
いずれも20世紀を生きた作家・詩人・劇作家・音楽家たちのお話だ。
多くの出典や資料を再構成し、現地まで足を運んで小伝にまとめあげている。
左が各編のタイトル。右が登場する人物。
「詩人の幼年時代」W・H・オーデン(1907~73)
「犬とリンゴと本と少年」レナード・ウルフ(1880~1969)
ヴァージニア・ウルフ(1882~1941)
「アンダスンと猫]シャーウッド・アンダスン(1876~1941)
「世界はまるい話」ガートルード・スタイン(1874~1946)
「とても風変わりな動物」コンラッド・エイキン(1889~1973)
「不思議の国のハックスリー」オルダス・ハックスリー(1894~1963)
「アメリカ三文オペラ」マーク・ブリッツスタイン(1905~64)
クルト・ヴァイル(1900~50)
「ラニアンさん」デイモン・ラニアン(1880~1946)
「ウィリアム・ルビーの幸福」ウィリアム・ルビー(不明)
「吟遊詩人よ、起て!」ブレンダン・ビーハン(1923~64)
皆さんには「ひとりも知らない」と言われるかもしれない。
それゆえに、長田さんは書いた。
あまり知られることのない人生に、あえてフォーカスした。
生い立ち、家族、ひととなり、職歴、何が好きで何が嫌いだったか。
作品が生まれる必然性を明文する。
短編映画でも観るように、目の前に広がる10人の風景。
(そうか、ヴァージニア・ウルフはそんな思いで書いていたのか)
エイキンやラニアンの言い知れぬ孤独。
彼らの眼に映っただろうものを、私も見ることになる。
無観客の舞台で、ひとりピアノを弾いて歌うブリッツスタイン。
どのひとの人生にも、戦争がどこかで影を落とす。
本を愛しなさいとは、本を通して作家さんの人生を愛し、感じなさいということか。
それとも本の向こうにある誰かを愛しなさいという意味か。
大切に読みこみなさいという声か。
長田さんはいつも、こちらの心に静かに問いかけてくる。
探してるものなら、ほら、ここにあるよって教えてくれる。
本を愛しなさい、と
人生のある日、ことばが言った。
そうすれば百年の知己になる。
見知らぬ人たちとも。
風を運ぶ人とも。
死者たちとも。
谺(こだま)とも。
「私の20世紀書店」とともに、長田さんの作品の白眉。
絶版らしいので、図書館で見かけたら手に取ってみてね。 -
2012年1月23日(月)、読了。
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一つの話が短くてしっかりしてるから寝る前に読むのにちょうどいい。
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読んだ。
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本が好きなあなたなら、きっと抱きしめたくなる一冊です。
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きれいな本みっけ。
意外なところで紹介されているものですね。読んでみたいです。
知らない作家さんが多いというのが、なんとも...
意外なところで紹介されているものですね。読んでみたいです。
知らない作家さんが多いというのが、なんとも良いでしょう?
ノーベル賞作家さんでなくても、ベストセラー作家さんでなくても、良い作品を残したひとがいっぱいいます。
でも私たちの力ではなかなか探せない。
長田さんのこういうお仕事はありがたいですよね。
キッドマンの映画は見ましたが・・・ちょっと違う感じに仕上がってました(+_+)
絶版なので、ぜひ見つけたらお読みください。
ところで5552 さん!
最近絵本を読まれているような・・ちょっと嬉しいワタクシです。
良いものに出会えたら、ぜひまた紹介してくださいませ~(*^^*)
そうなんですよ。最近図書館で絵本を毎回数冊借りてくるようにしてるんです。有名な本や評価の高い絵...
そうなんですよ。最近図書館で絵本を毎回数冊借りてくるようにしてるんです。有名な本や評価の高い絵本の所蔵率が高くて、ホクホクです。
数日前もネットで「絵本 おすすめ」と検索して、とあるパパブロガーさんの記事をみつけ、読みたいものをピックアップしました。
数年前、nejidonさんがレビューされた『エミリー』がどうしても欲しくて買ったのが大人になってからの絵本の始まりです。
絵本って数分で読めちゃいますし、逆にゆっくり読んでも良いですし、何度でも読めますし、絵だけを眺めても良いですし、音読しても楽しいですし、サラっと読むことも厶厶ッと考えながら読むこともできるので、ほんと、多彩な読み方ができるんだな、と魅力に取り付かれております。
nejidonさんは貴重な絵本案内人なので、これからも参考にさせていただきますね!
再訪してくださってありがとうございます!
絵本の読みのヴァリエーションの豊富さに気づいてもらえて、すごく嬉しいです...
再訪してくださってありがとうございます!
絵本の読みのヴァリエーションの豊富さに気づいてもらえて、すごく嬉しいです(*^^*)
そうなの、そうなの、楽しみ方はいろいろなんです。
ああ、あの「エミリー」は覚えていますよ!
あの絵はバーバラ・クーニーなので、他のクーニーの作品を読んでも楽しめると思います。すごくいっぱいありますよ!
「ルピナスさん」という大人向けの絵本も描いてます。
猫が出てくる絵本だけ読んでもいいし。
愉しみが広がりますね(^.^)/~~~