スピヴァク、日本で語る

  • みすず書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622074472

作品紹介・あらすじ

アクティヴィズムとしての人文学、比較文学の倫理的衝動、「複数のアジア」への想像力-。困難な時代の只中で考え抜かれた構想とは。熱気溢れる講演の対話的記録。

感想・レビュー・書評

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  • 言っていることはおそらくおかしいことを言っている印象はない。わかる範囲では、意味のあることを言っていると思う。少し残念なのは、もう少し実際の話しを聴きたかったかもしれない。応答が専門家だったので、あまりアカデミックな用語の飛び交う専門的な応答だったと思う。とはいえ、その観点や、感じに関しては学ぶべき所が多いと思った。

  • いやー、すごい!圧倒された。

    昔のやたら難しいスピヴァクのテクストから考えると、相当に読みやすい。といっても、分かりやすいわけではないが、とにかくさまざまな問題と真摯に格闘する姿がストレートに伝わってくる。

    特に、講演後の質疑応答のなかで、日本人の研究者などから出される質問(問題意識を共有できる良い質問が多い)に対する応答がすごい。問題をはぐらかしたり、一般化したり、自分の知っている事に強引に話題をもっていくことなく、ちゃんとかみ合った答え、しかもとてもスリリングな答えが戻ってくるところが素晴らしい。

    前書きとあとがきで、スピヴァクの日本ツアー(!)に同行した訳者のただならぬ熱気が伝わってくるが、本を読んでも、そのintensive というか、denseな体験が伝わってくる。

  • 面白いけど難解。いずれまた読んでもいいかも。

  • 取り置き先:稲城市立中央図書館

    来日したスピヴァクの講演集である。だが、それ以上でもそれ以下でもないことが結果としてわだかまりのように残っている。
    というのも、訳者たちの自己満足で終わってしまっている翻訳に加え、会場内の―それも無自覚に自分たちが切り捨ててきたはずの人々の表象をまとわざるを得ないスピヴァクに向かって―安直なタームの物言いがあることを自己批判しなくてはいけないのにそれができていないことがその理由だろうか。

    スピヴァク自身は「自分はバラモンの家庭という暴力性と向き合わなくてはいけないのではないか」という悶えのなかで文を執筆しているが、それが訳者たちにもあるのだろうか?もしあるとすれば、ここまで気安く書けたわけが無いだろうに。

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