ピアノ・ノート

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制作 : 朝倉和子 
  • みすず書房 (2009年9月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622074892

ピアノ・ノートの感想・レビュー・書評

  • 日本では知られていないチャールズ・ローゼンが演奏家と聴き手のために書いた本、クラシックは聞かないのでこの本の作曲家や演奏家はわからない、完全なジャケ買いと言うか題名買い。ちょうど直後に西新宿の白龍館でピアノとサックスのライブを聴くので酒と音楽と本とでちょうど良いなあと即買い。

    ローゼンは自分は伝統的な解釈を好むと言いながら、必ずしも作曲家が意図した(と思われる)演奏法や解釈にこだわらない融通無碍な人で、それでいながら論理的にピアノを語る。それでもこれはダメだと言うものはやはり有るらしい。「アマチュア、プロフェッショナルを問わず、あらゆるピアニストに関係のある演奏という経験について語りたい。なかでもわたしの最大の関心事は、演奏という身体的行為と、音楽のなかでも一般にそれより知的、精神的、感情的とされるものとの関係、いわば身体と精神がどう作用しあうかということだ。」「しかし、この本はピアニストだけでなく、聴き手にも向けられている。むろんピアニストに演奏法を伝授するつもりはない。わたしの偏見が入り込むのはいたしかたないとしても、そういうものはなるべく抑えるように努めた。」「なによりこだわったのは、さまざまな演奏体験、そしてその苦しみと歓びを伝えることだ。」

    ほとんどのプロのピアニストは四、五歳からピアノを始めている。楽しみのために始めるのなら遅すぎることはないが、だがプロのピアニストになるということは綱渡りと同じで、ピアノを習い始めるのが遅ければ綱から落ちる。ローゼンの教育システムに対する一時的知識は限られている。ジュリアードを11歳でやめて個人レッスンでべんきょうしたからだ。音楽学校の利点はライバルと出会い、室内楽をたくさん演奏できることで、不利な点は自分のペースで練習できないことと、教授陣と音楽院が強いるスタイルにせいやくされることだ。ローゼンが言うにはピアノの演奏技術をテストする方法は年に一度のリサイタルで、ただ欠点も有る。誰もがプロのソリストにはなれない。楽しみで弾く人も含めてレパートリーが多い程むくわれる。画一的な教育は効率的かもしれないが誰にでもあっているわけではないからだろう。

    最良の教授方は学生と一緒に練習すること、見本を見せあとは見守る。解釈は教え込まず生徒がどのように弾きたいかを引き出してやるのが良い教師だ。それは教師に忍耐を強要する。自分の好みや身につけた解釈を放棄することに他ならないからだ。とは言え学校の性質上奇抜な個性よりも機会的な学習を重んじる。ローゼンは誰かのモノマネの様な演奏は学校の試験では合格点をつけても、プロの演奏家としては評価しない。何度も同じ考え方が出てくるが好き嫌いが分かれる演奏を尊重しているからだ。

    18世紀後半、ピアノが発明されてから50年ほどたったころ、ピアノ演奏は今よりもっとシンプルだった。公共的な場所でコンサートが開かれるようになるのはずいぶん後のことで、当初は室内楽、私的なサロンやハウスムジークだったことからすると(ベートーヴェンの生前、その32曲のソナタのうち、彼が二十歳以降暮らしたウイーンで公共に演奏されたのはわずか二曲だけだった。だから、当時の室内楽の音響を前提とした作曲家の演奏指示をコンサートホールで同じ様に演奏するのは作曲家の意図した演奏を再現することにはならない。

    譜面も多数あり、演奏家や聴き手にとってはそうそうと言う部分が有るんでしょうね、残念ながら全くわかりませんが。でも専門家の教育については同意できる。「この先、ピアノの新しい使用法が生まれるのかどうか、わたしにはわからない。ピアノ・リサイタルというあり方が永続するかどうかもわからない。一般の人々がレコードでピアノを聴き続けるのか、現代の集合住宅にはかさばりすぎる家具となったグランドピアノを買い続ける家庭が有るのかもw... 続きを読む

  • ピアノと言う楽器とピアニストの関係。なぜ一流のピアニストは自分のピアノを運ぼうとするのか?考えれてみれば当然のことですね。自分のパートナーを変えたくない!我が家にもピアノがありこれは奏き易いと言われて嬉しかったことがありました。またプロのピアニストが20歳までに一度はピアノのレパートリーを演奏し、頭に叩き込んでおくべきこと! これも20歳を超えてから初見で弾くようでは、解釈に限界があるのだろうと思います。楽譜が出てくる、少し難解な本ですが、ピアニストが書いた本だけにピアニストの微妙な心理を裏側からるだけに、楽譜は飛ばしても楽しく読みました。ピアニストで、非常に高い知性を備えた人物の文章は香りがあります。

  • 世界的なピアニストが、ピアノという楽器と演奏という行為について自論を語っています。ピアノを弾くとはどういうことなのか。ピアニストはあまりに弾かれすぎた定番のレパートリーにどう向かい合うのか。歴史的な「正しさ」についてどのように考えるべきなのか。音楽教育やコンクールといった権威にも踏み込む姿勢はひたすら音楽に対する誠実さを感じさせ、まったく気取りのない文体は、クラシック音楽になじみのない人にこそおすすめしたくなる面白さがあります。ピアニストの奥義を垣間見ることのできるエッセイです。

    ぼく自身、クラシック音楽に対するお堅いイメージが一気に変わった本です。

  • 図書館で借りたいと思いながらも未読の本です。

  • 「ピアノノート」 http://tinyurl.com/3sl9npq 読んだ。こんなにピアノが弾きたくなるピアノ本は初めてだ。作曲家/楽曲解釈ではないのがよかった。作曲家やピアニストごとの演奏スタイルや、ペダリング、ピッチと響き、強弱指定とか、とにかく音を出したくなる(つづく

    「ドビュッシーの語りかけるような静かで親密な響きは大きな劇場も小部屋のようにしてしまい、反対にラヴェルの音楽は常に遠くから聴こえてくる」なんて、ほーんとそのとおりだわー。レコーディングのきりはりや音響技師のエピソードも楽しい。コンクール審査と、演奏崩壊するプロの話が考えさせられる

  • 『ピアノ・ノート』完読。。。ぃぃやったぁぁぁ!!(*ノωノ)
    もう本当大変だった! コレ掴み悪いよっ。
    抽象的で概念的な説明を延々されて、こちらはどうしたら。。。数学とか物理の世界でした。
    今まで音楽の本は随分読みあさってきたけど、コレは1番難しい。
    それまでは作曲家の逸話とか楽器の歴史とか、手を引いて分かりやすく解説してくれたのばかりだったけど、ピアノ・ノートは違う。
    専門用語の洪水な上、楽譜自体を分解してるから、聴く専門の自分には太刀打ちできない。
    数少ない知識をフル活用して、自分なりにかみ砕くのが大変でした。
    多少でも作曲家等かじっていて助かった。。。まだまだと痛感したけど;;
    ◆かなり高度で専門的だったけど、その分為になる事も多かったです。
    リスト直伝の練習法、落書きするのはつまらない証拠、「魔王」のオクターブは危険などなど。
    作曲家によって演奏法ががらりと変わるのも興味深かった。聴衆が思うよりずっと、演奏家の方って楽譜の印象に影響を受けるんですね〜〜。
    あ、でも、1番の収穫はドイツ音名を覚えた事です。
    音感が良いからすぐ覚えたv
    そして後書きで著者の略歴を知ったのですが、まさか御年70才だとはっ!! 全くぼけてない;;
    しかも、数々の才能に開いた口が塞がらない。
    音楽だけでなく、絵画・彫刻・文学・写真と幅広く引用される知識、その上何故かフランス文学の博士号まで取ってらっしゃると聞いてもう。。。
    それで脈絡なく、ああ、もっと何でも吸収しないとなと実感しました。そうだ。投網のごとく、もっと勉強しよう。
    曖昧な第1章で真剣に投げかけたけど、意地で読み切れた。こんなに苦労したのは泉鏡花以来。
    でも、乗り越えたおかげで、私・強くなった気がします。
    さぁ、次は何を読もうかな。

  • 一昨年みすずから出て、ちょっと話題だった本。著者はピアニスト。
    ピアノをめぐる読み物として、楽しく読んだ。自分が作曲する上で何か参考になったかというと、それはないと思う。
    この人、かなりエリオット・カーターが贔屓みたいだ。

  • 購入は昨年の秋か冬。少し読みかけたが放置していた。
    ピアノと一緒のアンサンブルで演奏する際に感じていた疑問のいくつかに対する答えが見つかりそうな気がする。じっくり読んでいきたい。
    …そもそも、半年以上“積読”状態だったのだし(笑)。慌てずに。

  • アメリカのピアニスト,チャールズ•ローゼンによる「ピアノ演奏という経験についての本」.副題に「演奏家と聴き手のために」とある.私はもちろん聴き手の立場から読んだ.最初の三章はピアニストとピアノについてである.かなり分析的にピアニストの体のことから,楽曲,ピアノの構造などを扱っている.こうかくと堅苦しい本に思われるかもしれないが,その中には著者自身や往年の名ピアニストたちの信じられないようなエピソードがたくさんちりばめられていて(引用参照),退屈しないし説得力もある.その後の三つの章はピアノ音楽をとりまく社会の話.音楽学校,コンクール,コンサート,レコーディングが取り上げられる.これは私のような聴き手よりも演奏家のための章であろう.私自身はゆっくり読もうという気にならなかった.最後の章は「演奏スタイルと音楽様式」.私には専門的すぎて,書いてある言葉を実感としてとらえることができなかった.というわけで,私はたぶんこの本のよい読み手ではない.

  • ちょっと難しかったので飛ばし読みですが、ピアノや作曲家、演奏などなどについてのうんちくがたっぷり楽しめました。自分がピアノを習っていたり、クラシック音楽にもっと詳しかったりしたら、もっともっと楽しめるのではないかと...。

  • おもしろい!
    「ピアニストも素人も楽しめる一冊」というコピーは納得。
    音楽を言葉で紹介していく、その整理された内容はまるで池上彰を彷彿とさせる。

  • ピアニストでもあり、大学教授でもあるチャールズ・ローゼンによる著書。現代のピアノ演奏についてや、音楽学校の教育についてかなり手厳しい意見を述べているが、どれもある意味的を得た意見。非常に難しく読みづらいところもあるが、真剣にピアノを学ぶ者は一度読んでおくといい本。

  • 読みたいというか、読まなければいけない本。

    だけど、何故か手が出せない。

    なんだろ…。

  • 偉大でありながら日本ではあまり名前を聞かないピアニスト チャールズ・ローゼン。ピアノのレベルがもう少し上がったらもう一度読んでみたい本。

  • ピアノがどうやって成長していったか、そして、作曲家が、音楽家が、特にピアニストがどうピアノと向き合ってきたのか、そんなことがとても楽しめる本です。
    本の中に出てくる曲を聴きながら読むと、なおさら素敵です。
    音楽を作り出すということは、並大抵でないのですよね♪

  • ピアノについて、自分のなかにいろいろな思い込みがあることが分かりました。書かれている内容はとっても高度で自分には理解できない部分もありますが、いろいろな発見もさせてくれました。

  • ピアノの音色はなぜ弾く人によって変わるのか、コンサート裏話、などピアノをとりまく様々な対象について語られた一冊。音楽好きにはいいかと

  • チャールズ・ローゼンのレコードが聴きたい!

  • amazonで本を探している時に、目に付く(2009/10/16)

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