- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622075769
作品紹介・あらすじ
日本の戦後デザインは時代とどう向きあい、何を達成してきたのだろうか。敗戦後、進駐軍用住宅と備品の製作で学んだアメリカンライフ。大量消費・画一化の産業社会に抵抗した60年代。日常の風景をつくろうとした70年代。モノよりイメージを売ったバブル期の企業戦略。デジタル隆盛下のコミュニケーションをかたちにするデザイン-。時代の「いま」をつくるべく闘った、多くのデザイナーたちがいた。彼らの仕事には日本の伝統的美意識や、風土が育んだ身体・空間感覚が受け継がれ、いまや転換期にある世界のデザインに大きな示唆を与えようとしている。インテリア・デザインの第一人者が、グラフィック・ファッション・プロダクト・インテリアなど諸領域にわたるデザインの歩みをえがく。戦後史から未来へと、「人間の幸福と日常」のためのデザインを求めて、大きな視野を開く書。
感想・レビュー・書評
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戦後日本デザイン史
(和書)2014年03月12日 22:30
内田 繁 みすず書房 2011年8月26日
レトリック 追従 弁論術 = 暴力 プロパガンダ
抑圧(否定)されたものが強迫的に高次元に回復する = 何が抑圧(否定)されるのか、社会主義だ = 自然状態と哲学
コムデギャルソンの川久保玲が I must be a rebellious person. と言っていたのを読んだことがある。これは社会主義的な言葉である。あるアナーキストが良いバッグを造ることは尊敬するが金持ちのために造っていることは軽蔑すると言っている。川久保玲は金持ちのために服を造っているのではないかを僕は訝しんでいたけれどもこれはオートクチュールに対するプレタポルテの対抗運動だという見方がわかりやすかった。だからrebelliousだといえるのだろう。僕にとってはプレタポルテも金持ちの服に感じるけれど民衆の服とも言えるのかもしれない。
日本という枠の中に限定したデザイン史なのでこういった書き方になるのかもしれない。世界デザイン史のいい本があれば読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学のレポート用に読み始めたけれど、日本のデザインの流れがとてもわかり易くて引き込まれた。
デザインを学んでいない人が読んでも十分面白い内容だと思う。 -
「デザインとは古きをいまに再生し、未知をかたちで示す仕事である。」戦後、日本のデザインはどう変化してきたのか?未来のデザインとはどうあるべきなのか?本書は戦後のデザイン史の成果物のうち後世のために重要だと思うものをとりあげること、できるだけ多くのジャンルをまたいで時代ごとに横のつながりが見えるような構成にすること、著者の生の声を踏まえることの3点を重視した、大きな視野を開く一冊となっている。
(情報工学科 B4) -
資料ID:21104500
請求記号: -
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http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784622075769 -
敗戦後、GHQの指令によって作られた「デペント・ハウス」から語り始められる日本のデザインの大河についての通史です。その流域はグラフィック、ファッション、インテリア、広告などの支流を合わせ飲んで進んでいきます。デザインという川が政治、経済、文化などの時代と社会に影響を受けて、その形を変えてきたことが一望できます。ただ、それが受け身の結果ではなく、デザイナーという個人の切実な闘いに起因することも強く感じます。それは、本書が今でも実践の場に立つ日本を代表するインテリア・デザイナーによるものだからでしょう。何回か繰り返される「西洋において美は哲学の一部だが、日本においては美そのものが哲学である。」というイタリアの建築家、アンドレア・ブランジの言葉が、これからの日本のデザインにつての著者の想いを象徴するように感じました。著者の存在を知ったのは80年代のカフェバー・ブームの頃でしたが、「オシャレ」「カッコイイ」空間の中に、茶室に通じる「わび」が潜んでいたように思われます。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。
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