- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622077046
感想・レビュー・書評
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文章がしつこく前置きが長い傾向にある。形容詞の無駄遣いも多い。
それでも面白く読めた。臨床精神分析学者による、専門性を生かした意欲作。
落語ファン必読。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「大きな事を言うようですが、春風亭柳昇と言えば今や我が国では・・・・私一人で御座います」という懐かしい挨拶もあったが、実は東西併せると数百人も居るので決して希少種職業とは言い難い。
其れに比べ本書の著者によれば「精神分析家」は日本に僅か30名程度しか存在しないというのだから、まさに本当の「希少種」と言える。本書はその希少種である精神分析家を本業とする著者が、落語に魅せられた揚句、落語の根多と登場人物について病理分析という一見ミスマッチな組合せである。
が、その分析に先立ち、著者の精神分析家としての日常と治療行為の一端が紹介されているのだが、なかなか興味深いものがある。落語家の日常、生態(?)についてはかなりあちこちで書かれているしテレビでも紹介されたりしているが、精神分析家の生態を知る機会はなかなか無いであろう。
粗忽者、与太郎、若旦那、居残り佐平次達の言動・行動も著者にかかればみんな立派に精神を病んでいる「病人」と分析するのだが、この分析癖こそが著者の職業病と言えるのだろうという気もする。そういえば北海道を代表する名番組「水曜どうでしょう」の面白さを無謀にも分析しようとした著書「結局、どうして面白いのか」も京都の臨床心理学の先生だったからな。
一方では談志の落語が一番好きだと言い、やや追っかけ気味な個人的嗜好が随所に出てくるのを読むと、登場人物の造形を理屈で語るところは談志落語の影響かとも想像できる。こう考えると精神分析家と談志ファンの組み合わせは落語の分析においては最強かもしれない。 -
ところどころ 面白し
こんな風に 落語をとらえる人が
いるのだなぁ
という思いの方がつよい
そして やはり立川談志さんなんだなぁ
とも思う
これを志ん朝さんのものなら
どうなるのだろう とも思った