気候変動を理学する―― 古気候学が変える地球環境観

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著者 : 多田隆治
制作 : 日立環境財団(協力) 
  • みすず書房 (2013年4月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622077497

気候変動を理学する―― 古気候学が変える地球環境観の感想・レビュー・書評

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  • 「環境サイエンスカフェ」での5回の講義内容をまとめたもので、テーマは気候変動。地球環境問題は誰にとっても重要で、それがゆえに最近ではとても身近な話題のひとつだろう。それどころか身近すぎるとさえ言えるかも知れないくらい多くの情報や言説に囲まれている。しかし、そういった言説の真偽を判断するための基礎的な概念を一般の人が持っているかというと、少し疑わしいかも知れない。「情報のとらえ方について、古気候学者の立場から伝えるべきこと」(270ページ)を伝えようというのが講義のきっかけだ。

    本書では気候変動がなぜ起きるのかを軸として、5つのテーマが扱われている。内容は必ずしも易しくないものの、気候変動の原理の本質がとても分かりやすく説明されていてとても勉強になる。現代の必須リテラシーを養う上で読んでおくべき本の一冊。

  • この本は、地球温暖化に関する諸説の真偽を素人でもジャッジできるようにしてくれた物差しです。

    内容は、古気候学者が素人向けに気候のメカニズムを解説したサイエンスカフェをまとめたものです。

    地球の気候の構成要素を大づかみに捉えてから、それぞれの構成要素がどのように影響しているかを理解できるように書かれています。

    そこから紐解かれる気候ジャンプ(ある気候モードから別の気候モードに不可逆的にシフトすること)の解説が秀逸で、「地球温暖化=地球の気温が段々上がっていくイメージ」という我々素人の勘違いをわかりやすく覆してくれます。

    個人的に印象的だったのは、過去のCO2濃度の急増は6000年で100ppmのペースであったということ。

    このサイエンスカフェは2007年のものですが、人類史上初の400ppmに達した2015年時点では、300ppmだった1955年から60年で100ppmも増加していることを、我々は知っています。

    つまり、地球温暖化を信じていようがいまいが、地球史上類を見ない異常のハイペースのCO2濃度急増である事実は、受け入れざるをえません。

    最後に、地球温暖化懐疑論者が反論に使う「太陽活動の影響」についても冷静な知見を与えてくれます。

    この本のよいところは、地球の気候メカニズムに関する最新の知見を解説するもので、地球温暖化懐疑論者への反論ではなく、素人にフェアな物差しを提供してくれる点にあります。

  • 日立環境財団の助成によるサイエンス・カフェで多田先生が講演された内容を記録した一冊。

  • 帯の通り「古気候学は面白い」。現在の地球は氷河期!地球にはいくつかの安定な気候モードがある。近年の急激なCO2増加は、モードの変化、つまり大きな気候変化をもたらす可能性がある。

  • 和図書 451.8/Ta16
    資料ID 2013200009

  • 2階書架 : 451.8/TAD : 3420709475

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気候変動を理学する―― 古気候学が変える地球環境観の作品紹介

古気候学者と市民のコラボで生まれたサイエンスカフェの名講義を書籍化。古気候学とは、堆積物や氷床などに残る痕跡を手がかりに、太古の昔から現代までの気候変動史を復元し、地球環境を造形している壮大なメカニズムを明らかにする学問だ。その成果は地球の未来像を確実に再構築しつつある。第一線で活躍する研究者が100%本格派の科学をもとに、市民の素朴な疑問を丁寧に拾いつつ、気候変動の本質を説き明かす。本文2色刷り、図版98点(カラー図版7点)

気候変動を理学する―― 古気候学が変える地球環境観はこんな本です

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