- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622077527
作品紹介・あらすじ
経済・文化・環境を結びなおし、経済一辺倒の現代社会に「人のなりわい」をとり戻せるか。危機にある漁業を再生し、日本の自然・集落・協同・食文化を守るための、被災地に立つ漁業経済学。
感想・レビュー・書評
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東日本大震災
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☆専門家による現状レポート
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岩手・宮城・福島の漁業、漁協のこと、水産業にまつわる水産復興政策のこと、宮城県の水産特区のこと…大いに学ばせていただきました。少し固い本ですが良書です。
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東日本大震災を漁業の視点から見る。
震災の漁業被害、震災以前からの漁業の様子や改善の様子、今後の課題など。。。
震災以前から東北の漁業の改革は当然あった。震災以後、企業の参入など乱暴な改革論も流れたが、必要な非営利活動もきっちり行う漁協を軸とした日本の漁業に合った改革が必要であると筆者は訴える。 -
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本書を読みながら、自然の恵みを人間の暮らしの豊かさにつなげていく「第一次産業」を構築することの難しさを感じた。
特に、生産資源の管理や加工・流通の各プロセスにおいて、自然を相手とする不確実性を担保し、長期的に持続性のある漁獲を維持するためのこれまでの仕組みが、漁業を取り巻く環境変化によって揺れ動いている。
震災による漁業(漁労だけでなく、加工や流通なども含む)の影響を、様々なスケールの漁港都市や漁村で丹念に探りながらも、基本的には漁業を取り巻く環境変化への対応は、震災の前からも変わらず問われてきたものだということが、本書の一つのメッセージではないかと思う。
特に、これからの生産・流通の現場をどうやって守っていくのか、漁業協同組合対民間資本といった単純な観点ではなく、それらの特徴や役割を上手に組み合わせながらこれからの漁業を作っていかなければならないということを感じた。