21世紀の資本

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制作 : 山形浩生  守岡桜  森本正史 
  • みすず書房 (2014年12月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (728ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078760

21世紀の資本の感想・レビュー・書評

  • 20170519読了!r>g.資本収益率が成長率を上回る時、資本主義は格差を生み出す。この命題を証明するための長い物語。

  • 足掛け2年、正味2ヶ月もかかってしまった。データを用いた歴史的な経済格差の動学は、目の先のレベルを超えてしまうが、実感として納得できるものだと、思いました。

  • 世界的なベストセラーで分厚く読むのに苦労した。1~7章は経済学のおさらいと統計の結果を示し、8~12章でそれを分析し、13~16章で政策提言を行っている。内容はフランスの風俗や歴史や文学を引合いにだし十分な背景を示しながら進める、という構成になっている。特に多く引用されているのがバルザックの「ゴリオ爺さん」で、フランスの貴族社会も垣間見ることができるし経済政策が文学を作っているということも意外な発見だった。
    所得には労働所得(給与などと)資本所得(株の配当、不動産収入など)に分かれ、それぞれに格差が生じる。百分位上位10%、中位40%、下位50%に分けて各国の時系列的な変化を追う。そして格差についての分析と考察を行い、政治提言を行っていく。
    r (資本収益率)> g(成長率)の不等式が強調されている。しかし資本主義の定義が「投下資本の自己増殖運動」なのだからr>gは必然であり、資本主義である限り格差は拡大する。1900年以降格差が少なかった時代は1914~1945年の2度の世界大戦により資本が破壊されたことによるもので、現在は1945年からの回復期に過ぎず、このままいったら格差は無限に拡大する、という指摘に納得する。
    「格差は公正かつ有益でなければならない」と格差そのものを否定しているわけではない。だが行き過ぎた格差には警鐘を鳴らしている。全世界での格差は、この本が出されたあとに起きたシャルリー・エブド紙事件やパリの同時多発テロなどの出来事と、それに関係する英国のEU離脱、トランプ大統領などにつながっていると思う。また、タックスヘイブン(スイスやケイマン諸島)の国が納税回避の金持ちの情報を開示しないで、自分たちの利益を得ることを窃盗であると言い切っているが、これもパナマ文 書から明らかにされた各資本家たちの税金隠しの現状などから著者の主張の正しさがわかる。
    何度も立ち止まってじっくりと考え、それは自分の周りで起きていることだったり他の知識との照合だったり、時間が掛かる上に理解に苦しんだが、知性の細胞域が広がったような気がする。読んでよかったと思う。

  • 12.10.2016 読了
    r(資本収益率)>g(経済成長率)なのだから格差はなくならないよ。トップ1%の資本シェアはだいたい国民総所得の15〜25%あるんだよ。だから格差は広がる一方だよ。累進(資本)課税していこうよ。ねぇ。
    って感じ。読むのに2ヶ月かかった。

  • 飛ばし読みで70%を読んだ感じ。ただ頑張って読んだにも関わらず内容を理解できたのは半分もないのかな?とにかくタックスヘイブンが著しい昨今の世界情勢の中、格差社会を解決するためには年次累進税の導入が有効だということがわかった。

  • 正直途中の数値を羅列してあるような部分は速読に頼ったところもある。
    予めトマ・ピケティ解説本を数冊読んでいたので理解に役だったが、本書を最初に読んでいたら途中で飽きて飛ばしまくったろうと思う。
    要点は解説本がまとめてくれていることとほとんど同じだったが、具体的な事象については興味深いものも多々あった。
    ただ要点についてはやはり解説本を読んだほうがよくまとめられていていいと思う。
    より深い内容が学びたければ本書の数値を活用し、そして著者がいうように内容が議論の的となるように自分なりに調べていけばいい。
    ピケティの要点が知りたかったのであれば解説本を、資本主義について掘り下げたいのであれば本書を読んで色々なデータを参考にご自身の主張をされてみるのがいいと思います。
    このような学術書にもなりそうな良書を一般人が評価するのが非常に憚られるくらいの力作なのですが、経済の素人の読みやすさという意味では正直量の問題もあり星3が妥当かなと思います。
    格差の問題を世界中に広めたという意味では星なんかでは評価しきれない位の評価を得るべきでしょう。とある学者は経済学賞を受賞スべきという人もいます。

  • この本で述べられている内容自体は、経済学の専門的な教育を受けていなくても理解できるはずだ。(中学レベルの知識は難しいであろうが、高校レベルあれば十分)そして、筆者の主張を裏打ちするように、数式・データが提示される。この数式とデータの科学的側面の理解には、やや専門的な教育が必要かもしれない。

    筆者は、社会科学者としての立場を強調する。数式に固執せず、データより現実を認識し、未来志向の意見・方策の提示がなされている。そのためには、社会科学者の間の協力が必要と考えているようである。

    述べられている内容に目新しいものはない。巷で聞いたことがあるような内容ばかりだ。しかし本書では、これらはデータという客観的な指標とともに提示される。そのため、内容が事実として頭に刻み込まれる。そして、筆者の主張に沿うように事実が組み立てられおり、その思考回路が本書のエッセンスであろう。この思考回路が自然と吸収されるということが、本書が「教養本」と言える所以である。繰り返すが述べられる個々の内容自体は、それほど価値があるとは思えない。流れを掴み思考回路を吸収するためには、通読することが必要である。

    個人的には、こういった著書で社会に訴えるという方法で、ノーベル賞を獲得できるのかに興味がある。

    以下に、引用を掲載しました。
    http://matome.naver.jp/odai/2142000296905353901

  • 難しい…たぶん3〜4回読まなきゃ理解できないんだろうなぁ(´-ω-`)
    お仕事の糧にと手を出してみたけれど…
    目標は、年内完読だぁ!!!

  • 統計的に分析することで見えてくるものが確実にあって、経済学的に見て、自分の職業領域を分析することはできないか考えている

  • 一年くらいかけて読み終えました。(苦笑)
    そこまて興味のないヨーロッパ各国の状況とデータの多さに何度もツンドクになりかけましたが、時々読み直してみると面白い。基本は、
    r>g 民間資本収益率(r)が所得と産出の成長率(g)を長期的に見れば上回る。すなわち富の格差は広がっていく。
    →解決には累進資本税が効果的ではないかというベース。
    そこまでに、アメリカのスーパーエリートの貰ってる高額の給与には各国比較で効果はでていないとか。戦争によって格差は一時的に縮まって勘違いしているとか。長年の莫大なデータから俯瞰的に述べてるのは興味深かった。経済学知らない人間的には様々勉強なりました。 でも長すぎてお勧めは出来ません。(苦笑)

  • とにかく分厚い。膨大なデータが載ってあり良かったけれども、データだけ見てあとは流し読み。なのであまり頭に入っていないが、格差の原因と調整についてが主題。
    格差の調整に戦争・移民などがある。

  • 格差の原因と解消に向けて記載している。
    経済成長率、人口増加率は2000年単位で見ると0.1%以下。
    世の中の富の多くは資本所得。
    世代間闘争よりも階級闘争が格差の中心。
    上位10%が富の9割を占めると革命が起こるのでは。格差は革命につながる。
    戦争は格差是正の機会となりうる。そうすると、災害も同じかもしれないと思った。
    資本税を導入すべきと説いている。

  • 2016年4月28日読了。ブームとなったピケティ本。事前に「よく分かる『21世紀の資本』」的な本を数冊読んでいたので理解できたが、内容は欧州の税収などの推移や歴史の話などがほとんどで、それはそれで面白いが「膨大なデータをインプットして『r>g』の法則を導き出した」ことが最初に頭に入っていないと読んでもなかなかピンと来ないのでは・・・?という気もする。分析して「だから格差はなくならないのだ」と言いっ放すのではなく、後半で累進資本税という提案を詳細に述べているのは著者の誠実さでもあるだろうが、それこそ世界大戦でも起こらないと世界が大きく変化することはないのだろうか・・・。

  • 人口と資本だけ徹底的に分析しただけ、とも癒ル

  • 読みごたえがある。体調を崩していたのもあるけど、読むのに1ヶ月くらいかかりました。
    まず何より、この本を多くの人が読んだらしいということに驚きますね。それくらい時間と知識が必要になります。要点はともかく計算方法などはよく理解できないところもありました。

  • 本屋さんに行くと今でも何冊もの解説本が置かれているのが目につきますが、とうとう原作(翻訳本ですが)を読みました。その本の名前は、ピケティが書いた「21世紀の資本です。

    今まで何冊かの解説本を読んできたお蔭もあり、何を言いたい本なのかが分かっていたため、最後まで読み通すことができましたが、特に図表の少なくなる、第三部以降は読んでいて挫けそうになりました、解説本を書いた方々の努力に頭が下がりました。

    前半部分では、膨大なデータを処理してやっと完成した興味ある図表が出てきます。1700年以降の合計300年間以上のデータをグラフ化したものには中々出会うことができません。とても貴重な経験をすることができました。

    以下は気になったポイントです。

    ・資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出し、それが民主主義社会の基礎となる能力主義的な価値観を大幅に衰退させることになる(p2、29)

    ・第一の結論:1910-50年にかけて殆どの先進国で生じた格差の低減は、何よりも戦争の結果であり、戦争のショックに対応するため政府が採用した結果である、課税と金融に関する部分が大きい(p23)

    ・第二の結論:富の分配の力学を見ると、収斂と拡大を交互に進めるような強力なメカニズムがわかる(p23)

    ・根本的な不等式(r>g、r;資本平均年間収益率で、利潤・配当・利子・賃料などの資本からの収入を資本総価値で割ったもの、g:経済成長率、所得・産出の年間増加率)(p28)

    ・富裕国で資本の重要性が高まったのは、人口増加と生産性成長がどちらも減速したせいが大きい。この変化を理解するには、資本と労働の分配率だけでなく、資本/所得比率(資本の総ストックと年間の所得フロー比率)の変化も分析することである(p45)

    ・国民所得を計算するには、GDPからその生産を可能にした資本の減価償却分を差し引く必要あり、これが「国内純生産」となる、GDPの9割程度(p46)

    ・国民所得=国内算出+外国からの純収入=資本所得+
    労働所得、資本から人的資本を除外するのは、人的資本は他人が所有したり市場取引できないものだから(p49)

    ・所得はフロー、ある期間(通常1年)の間に生産され分配された財の量、資本はストック、ある時点で所有されている富の総額(総資産)、資本はおおむね、住宅資本と企業・政府が使う物的資本に分かれる(p54)

    ・上場企業の株式市場における総市場価値は、通常はその企業の年間利潤12-15年分、つまり年間投資収益率:6-8%(税弾き前)である。500万ユーロの資本を使い、年間100万ユーロの財を生産、60万を労働者賃金、利潤を40万とする。この会社の資本/所得比率β=5(資本が産出5年分)、資本所得のシェア:αは40%、資本収益率r=8%となる、α=r×β(p59)

    ・欧米は産業革命で実現したリードにより、世界に占める人口比率の2-3倍の世界算出シェアを実現できた。これは一人当たりの算出が世界平均より2-3倍高かったからで、こんな時代は終わりつつある(p64)

    ・資本減価償却を1割として考えると、世界では1人当たり平均月額所得@2012は760ユーロとなる、日本は2250ユーロ、EUは2040、米国は3050、中国は520である。(p66)

    ・為替レートでなく購買力平価を使うのは、各国の市民は通常は所得を外国ではなく自国で使うから(p69)

    ・外国からの純所得は日本とドイツでGDPの2-3%であるが、数十年に渡り蓄積してきたので、それに対する今日の収益は大きい(p73)

    ・貧困国が富裕国に追いつくのは、同水準の技術ノウハウや技能・教育を実現... 続きを読む

  • なるほど!わたしもどぅーにかして投資する側になればいいんだね!
    格差を声高に訴える本ではない。素直に事実を読めばよい。

  • 経済学の中で、一番理解しやすい本であるだけでなく、今の日本の経済政策がいかにおかしいかを実感させてくれる。インフレで国の債務を帳消しにする意図が見え見えだし、累進課税や相続税を上げないで、資本を遺伝させる気満々である。また、経済発展の夢ばかりみて掛け声ばかりである。

  • 長かった、、山形浩生ブログ+社会学の本としておもろかった。

  • 資本とは企業や政府機関が使う、各種の不動産や、金融資産、専門資産〈工場、インフラ〉

    途中リタイア。
    辞書みたいな経済学の本。

  • 「はじめに」の時点で寝オチ。著者が読者と情報を共有できるよう、正確に定義だとか方向性とか語ってるのは伝わるんだけど、とにかく文章が長くて長くて、1文読んでは「で、すまん今何の話してたっけ?」って主語を探しに戻るはめになる。もうちょっと頑張るつもりだけど、よだれを垂らして討死にしそうな気がしてならない。

  • 実証的分析は、説得性があり、解決策も理論的には正しいと思われる。実現性には疑問符を付けざるを得ない。

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21世紀の資本の作品紹介

「21世紀の資本」はトマス・ピケティが執筆した経済書。
経済書としては異例の売り上げを記録したとしてテレビや雑誌などでも大々的に取り上げられています。日本経済の先行きやアベノミクスの今後と予言する書物として、サラリーマンや主婦、学生などにも広く読まれています。世の先行きへの不安を反映しての人気ということができます。

21世紀の資本のKindle版

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