21世紀の資本

  • みすず書房
3.92
  • (88)
  • (99)
  • (73)
  • (10)
  • (6)
本棚登録 : 3352
感想 : 171
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (728ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078760

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本の3分の1は、「21世紀の資本」という本の代名詞のようになっている r > g(資本利益は経済利益を上まわる)という式の解説である。残りの3分の2は、格差と資本集中の解消に資本に対する累進課税と、相続税への課税の有効性、政治と経済の関係についての考察である。とくに終わりにちかい50ページについては、EUの抱える問題点に言及がある。経済というと、様々な数式や、理論があるが、現実はどうだったのか。資料を集め精査し、経済理論の様々な色眼鏡を外してみると、事実が見えてきた。というかんじなのだ。いくつか、象徴的だと感じる瞬間が読んでいてある。たとえば、累進課税方式が格差をなくすための知恵の産物かと思いきや、大戦の戦費の穴埋めの目的で導入された事実などは、そう考えるとその結果は、偶然に近いものなのではないか。中間層があるのは、なにも、社会が進歩したというわけではない。放っておけば、いつかはもとの格差にもどるということなのか。考えることは、たくさんある。この本は、あまりに厚い。ここに書ききれないほどたくさん興味深いことが書かれているし、それぞれについて考えるとおもしろそうだ。私は、一回に読む量を小項目2こまでとし、一冊よみあげるまでに、ガイド本を2冊読んだ。途中で読んだ内容が、書かれている内容を読み取れているか、不安になったからだ。今、ウクライナとロシアの戦争は、経済に打撃と影響を与えているけれども、ピケテイは、どんなふうに考えるのだろう。

  • 難しかった〜

  • トマピケティの代表的な名著
    資本主義はいずれ資本の均等化、貧富の差は縮まるとするクズネッツ仮説を否定して、富めるものはより富み、貧するものは永久に貧する事を膨大なデータにより(r>g)証明せしめた、いわば現代の黙示録である。

  • 才能ある人に大きな報酬を与えて才能を開花してもらえば、社会の生産性が高まり経済が発展して、結果として最下層の人々にも恩恵がある(クズネッツ)というわけではない。80年代以降、先進国の経済成長率は低下している。賃金は経済成長率と同じくらいしか増加しない。一方、金融や不動産など、資産を投資して得られる収益率は増大している。経済成長率が、資産からの収益率よりも低ければ、収入格差は広がっていく。労働者が経済成長によって得る所得の増加幅よりも、資本家土地や株式で得る利益の方が常に大きいので、不平等が拡大した。資本の格差は相続によって固定されている。所得(フローへの課税だけでなく、資本(ストック)への課税を増やすべき。トマス・ピケティ『21世紀の資本』2013

  • 現代の教養といっても過言ではない名著だが分厚くて避けてきた本。「裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」ので、資産課税しようよというのを18世紀から現代に至る数字を用いて提案される。

    詳細は下記
    https://note.com/t06901ky/n/n9ec3ca9dbc0c

  • データを集めること。そのためにも各国各企業が透明性のあるようにすること。そして、稼いだお金でなく所有するお金に累進課税をかけるべきだということ。恐慌、大戦のショックで経済に多くの影響を与えたこと。そして持ち直ししたが、19世紀とは比べられないくらいに複雑になったこと。インフレは20世紀に発明されたものであること。数字に細かくならないこと。民主的に解決すべきであること。経済学は歴史学、政治学、人類学、文学などと共に立ち上がらなければならないこと。

    以上、頭に残っていること。

  • ようやく読み終わった。
    めっちゃおもしろかった。
    しっかり知識つく系の本はしんどいけどおもしろい。
    めっちゃおもしろかった。

  • 時系列の大量のデータを積み重ねて分析。
    「お金を大量にもつ人々は、必ず自分の利益をしっかり守ろうとする。数字との取り組みを拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことなど、まずあり得ないのだ。」

  • 「資本収益率が経済成長率を上回っている状態だと、どんどん格差が拡大していく」ということの問題点と解決方法が提示された本。
    私個人的には格差社会などの社会問題が極限の状態にまで行きついたら、暴動や反乱、カリスマ指導者によって現状が打破されるといったイメージがあるが、著者は歴史的事実と彼が考えた合理的な制度の提案で解決方法を述べている。
    自分の生活を豊かにするために資本収益に手を伸ばしてもいいが、その一方で貧しくなっていく人もいることになる現在の経済のありかたに疑問を持たなければという視点が生まれる一冊でした。

  • ・クラヴィッツの「経済成長により格差は縮小する」という予測は、米国の1910年〜1940年という短期には合致していたが、長期でみると誤っていた。
    ・長過ぎて1章で貸出期限切れ。また借りる予定

    ・9章 労働所得の格差
     長い目で見て賃金格差を減らす方法は、教育と技能への投資である。
     最低賃金の引き上げは、良い施策だが限界がある。最低賃金を上げ続けると、雇用率への悪影響がでたり、平均賃金の上昇、限界生産性の上昇と比べて著しく上げ続けるのは、好ましくない。

    きっかけ:正しいデータを元に、長期投資の価値があるか予測するため
    読了日:未定

全171件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

フランス国立社会科学高等研究院の研究所長、パリ経済学校の教授、ならびにグローバル不平等研究所の共同主宰者。とくにLe capital au XXIe siècle (2013)(山形浩生・守岡桜・森本正史訳『21世紀の資本』みすず書房、2014年)、Capital et Idéologie (2019)、Une brève histoire de l’égalité (2021)の著者として知られる。

「2023年 『差別と資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

トマ・ピケティの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×