『こころ』大人になれなかった先生 (理想の教室)

著者 :
  • みすず書房
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622083061

感想・レビュー・書評

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  • 最近漱石の心理描写に惹かれているので、先生、K.青年、お嬢さんの内面について、わかりやすい内容で良かった。

  • 夏目漱石の『こころ』にかくされた意味を、ミステリの謎解きのように著者が明快に解き明かしている本です。

    漱石はもう読まれていないと著者はいい、本書の冒頭にも『こころ』の本文テキストが抄録されているので、『こころ』を読んだことがない読者でもおもしろく読むことができます。

    著者自身、「全体として、僕の読解にはややトリッキーな感じを受けるかもしれません」と述べていますが、テクストに内在的な読解を通じて、先生と奥さん、そして語り手の青年の三者のあいだにあった思いもかけない関係を大胆に推測しています。

  • そんな視点もあるか…❕
    書いている『私』の状況と、お嬢さんがどこまで知っていたのか。

  • 読み直す度に、解釈が変わる名著だと改めて思った。専門家の解釈を読むのも面白い。

  • 読みたい本。

  • ●噂のトリッキー漱石読解本。
    あまりにトリッキーつかアクロバティック。
    高校でこんな読解やったら、普通の教師はマルくれないんじゃないの? それもよし。かつては一面的、強制的にひとつの解しか提示しない国語のテスト問題には納得行かなかったものですが、テキストを裏読みするなら、まずはまっとうに表読み、基本の読解ができてないと話にならないと思うようになったので。 ●それはさておき、大変面白い読解でした。
    ほっほう、そんな細部を読み込んで「先生」や「私」の外面・内面を推理するのか!とひたすら感嘆。
    ですます口調で語られる文章もたいへん丁寧で端正。美しゅうございます。 ●十五年前の自分に読ませてやりたい一冊でした。で、奥さんの名前ってほんとに「静」って言うの?(←あっ底が割れた。)

  • 大人になることは、かつては親を超えることでした。ところが、その機会を奪われたのが、
    ほかならぬ「先生」です。そこに不幸の始まりがありました。「先生」が果たせなかった
    〈父親殺し〉の問題を詳細に追究します。さらに、「先生」「K」「私」をめぐって幾重にも
    仕掛けられた、驚くべき謎を読み解きます。最新の漱石入門

  • 「三四郎」がガイド本と一緒に読むと、すらすらいけたので味を占めて・・・こころは親友を裏切ったんじゃない・・・彼は悪くないんだ

著者プロフィール

1955年生。早稲田大学教授。著書に『漱石入門』(河出文庫)、『『こころ』で読みなおす漱石文学』(朝日文庫)、『夏目漱石『こころ』をどう読むか』(責任編集、河出書房新社)など。

「2016年 『漱石における〈文学の力〉とは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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