- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622085300
作品紹介・あらすじ
「若い科学者たちへの本誌からのアドバイスは、ピーター・メダワーの『若き科学者へ』を読んでおけ、だ」(Nature誌、2015)。スティーブン・J・グールドが「これまでに出会ったなかで最も頭のいい人物」と評したノーベル賞生物学者メダワーによる、理系の若者への助言の書。凡百の説法本とは一線を画す切れ味の金言・叡智の宝庫として世界中で40年近く愛読されており、いまや科学者精神と研究倫理の世界標準を示すといえる名著である。
『重要な発見をしたいと思うなら、重要な問題に取り組まねばならない……「問題が興味深い」というだけでは十分でない』『ある仮説を真であると信じる気持ちの強さは、それが真であるか否かには何の関係もない』といった、一見シンプルだが値千金の助言の数々を、研究者として大洋へ漕ぎ出す前に心に留めることができるメリットは計りしれない。
テーマの選び方から成果発表のコツまで、著者のアドバイスはつねに本質に触れ、研究者として生きる人々の流儀とはどのようなものかを浮かび上がらせる。『(科学者は)真理に対しては常に特殊な無条件の絶対的な義務をもつ』と言い切るメダワーの、曇りなき言葉に耳を傾けたい。巻末に「新版への解説」(結城浩)を付録。
感想・レビュー・書評
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「若い科学者たちへの本誌からのアドバイスは、ピーター・メダワーの『若き科学者へ』を読んでおけ、だ」(Nature誌、2015)。本書を著したのは、1960年度にノーベル賞を受賞した生物学者メダワーである。タイトルは『若き研究者へ』となっているが、筆者は本書について「探索的な活動に従事するあらゆる人を相手にしたものである」と述べている。実際本文には、どの分野にも共通する助言が多く記されている。例えば、「失敗をかくそうとして煙幕をはろうとしてならない」。これは当たり前のことであるかもしれないが、本書を読んだ際に私の心に深く刺さった表現だ。
驚くべきことは、本書が40年以上も前に発表されたものであるにも関わらず、内容の多くが現代でも通用するであろうという点だ。本書を読むと、普遍的な内容は、数十年たっても古びないということに気づかされる。また、本書は数十年間研究に携わった科学者によって著された。進路に悩みや不安を抱えている時だけでなく、「科学者」がどのような生き物なのか知りたい、という単純な好奇心から読んでみるのもおすすめだ。
(ラーニング・アドバイザー/生物資源 UEHARA)
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(特集:「卒業論文・レポート対策」)
論文の書き方や発表を含め、科学者としての心構えや、姿勢について若き科学者へのメッセージが書かれています。大学生は科学者の卵です。「How to 本」ではありませんが、研究のモチベーションを高めるのに良いかもしれません。
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00537706 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:407||M
資料ID:51800508 -
古い本のはずなのに、今の時代に読んでも参考になるところが多い
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著者が言うところの「ガリレオ的実験」、すなわち仮説から演繹される反証可能な予測を検証するプロセスを科学的方法の標準としていた。ここから、セレンディピティが前もって考えていた人間が観察して起こるという帰結も導かれる。
総合的発見と分析的発見という分類が示されていたが、最近のビッグジャーナルでは、この両方が示されることがおおいのではと思った。
"「科学的方法」としばしば呼ばれるものは、強化された常識なのである" (p. 152)という言葉は科学という活動が突飛な思考プロセスではないことを強調する。
科学的メリオニズムやロイヤルソサイエティへの言及は科学に対する希望で満ちていえ、若い科学者に向けたメッセージとして適している。 -
請求記号 407/Me 14
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科学あるいは科学的なものに関係する人向けの、クラシカルで穏やかな、修養のためになるエセー。真理を追求し、世界に貢献するためには、どのようなスタンスであることが望まれているか、について、ややパターナリズム的に書かれていると思うが、本書を読むことは有益であるには違いない。