マティスとルオー 友情の手紙

  • 30人登録
  • 4.20評価
    • (2)
    • (2)
    • (1)
    • (0)
    • (0)
  • 5レビュー
制作 : ジャクリーヌ・マンク  後藤新治ほか 
  • みすず書房 (2017年1月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622085645

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リチャード・マグ...
山下 澄人
森 絵都
ヴィクトール・E...
タナハシ・コーツ
三浦 しをん
西 加奈子
恩田 陸
宮下 奈都
有効な右矢印 無効な右矢印

マティスとルオー 友情の手紙の感想・レビュー・書評

  •  数多くの世渡り上手の体制順応主義者たちが私利私欲に駆られ大衆受けはよいがその場限りの秩序をとめどなく垂れ流すに違いない。僕の突拍子もない行動など一部の文筆家たちの一騎打ちに比べれば無邪気なものだ。たとえ対極にあっても感性と知性の豊かな人たちから下される賦活のための鐙の一撃ならあえて甘受しよう。健康状態はどうだい。友情をこめて握手を。

    『僕(ジョルジュルオーさん──引用者)の着想がどうやって生まれるのかを、(以上傍線が引かれ、メカニスム、とルビがふってある──引用者)まったく無邪気に尋ねてくる人々に対し、僕が今までそうしてきたように人間として誠実に答えるのなら、可能な限り着想が機械的(メカニシアン、とルビがふってある──引用者)にならないよう努めてきたとしか言いようがない。』94頁

  • 個人的にもこれまで全く別々の文脈でしか鑑賞してこなかったマティスとルオー。主に戦中の混乱と、各々が抱える健康面・制作環境面の困難を互いに気遣い励まし合う二人の往復書簡の存在にまず驚く。彼らを結び合わせた偉大な師、ギュスターヴ・モローの影響を生涯携えながらそれぞれに画業を極めた二人の幸福な友情と、彼らをとりまく家族ぐるみの親密なつながりに心温まる。

  • 個人情報に関わる箇所もあって全文公開ではないとのことだが,それでも二人の想いや親密さ,周囲を取り巻く様子などがとてもよくわかる.そして二人を結ぶ核となったモローの素晴らしさが垣間見えてとても良かった.絵や手紙などの資料もたくさん掲載されていて,それも丁寧な仕事をされたと感心した.

  • パナソニックミュージアムで開催中のマティスとルオー展で、図録小冊子とセット購入。
    両者が画家として最も精力的に活動していた時期がすっぽり抜け落ちて、若いころと晩年に差し掛かるころの部分のやり取りが中心になりますが、それでも、ギュスターヴ・モロー教室での両者の関わり、画商ヴォラールとルオーの確執、ボノム作品の「贋作」騒動、と小説の種になりそうなエピソードがちらほら。
    マティスに対しては、「君のおかげで油彩はシンプルになっていくだろう!」、ルオーには「君は厳粛で簡素、そして本質的に宗教的な芸術が好きで、君のすること全てにその刻印が押されるだろう」というモローの「予言」なんて、小説のセリフに出てきたら、「出来過ぎ」と思ってしまうくらい、適格で、ドラマチック。

全5件中 1 - 5件を表示

マティスとルオー 友情の手紙の作品紹介

「君がそれをやるべきだよ!」――マティス。
「もっといい絵を描きたい」――ルオー。
気質も画風も好対照。それゆえに惹かれ合い、ライバルとして高め合ってきたマティスとルオー。ふたりはパリ国立美術学校のギュスターヴ・モロー教室で出会って以来、マティスの死の直前まで50年にわたり手紙を交わし、家族ぐるみの交流をつづけた。恩師との思い出、フォーヴィスムの誕生、画商への愛憎、贋作騒動、「聖なる芸術」への熱情――ふたりの巨匠の創作の舞台裏。

2006年、かつてのルオーのアトリエで、マティスからルオー宛の手紙が発見された。以来、編者マンクをはじめ関係者による解読が進められる。真の教育者モロー、当代随一の画商ヴォラール、稀代の出版人テリアード、ヨーロッパ美術の渡し守りP・マティス……フランス絵画界の陰の立役者たちの人間ドラマが展開する、美術史の第一級史料。
図版75点、詳細年譜、関連地図を収録。

マティスとルオー 友情の手紙はこんな本です

ツイートする