全体主義の起原 1――反ユダヤ主義 【新版】

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622086253

作品紹介・あらすじ

〈反ユダヤ主義(たんなるユダヤ人憎悪ではなく)、帝国主義(たんなる征服ではなく)、全体主義(たんなる独裁ではなく)が――次から次へと、より残酷なかたちで――示したのは、人間の尊厳が、新しい政治原理、新しい地上の法においてのみ見出されうる新しい保証を必要とするということである。その有効性は今度こそは人類全体を包括する一方で、その力は厳密に限定され、新しく定義された領域的なものに根をおろし、それによって制御されなければならない〉

20世紀の中心に生じた「伝統の崩壊」、すなわち強制収容所・絶滅収容所という「地獄」という現実の出来事を、どうすれば理解することができるのか。厖大な文献を読み込み、じっくり考え、理解しようとする営為から、本書は生まれた。
国家や法という伝統、さらには人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた20世紀の記念碑的大著の新版を、最新の研究成果を反映し、より正確かつ読みやすくして、ここにおくる。
〈理解とは、現実に予断をくだすことなく注意深く向き合い、それに負けないことなのだ〉

感想・レビュー・書評

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  • 大学の講義で紹介され100分de名著を観て気になった本
    途中まで読んで挫折した本
    5年経ったから今なら読めるかな...

  • はじめに読んだ第三巻に比べると具体的な歴史の記述が多いので苦労した。第三巻で書かれていたユダヤ人が秘密結社なんかと結びつけられていたという話はそのときはまじでそんなことあるのかと思ったけど、さまざまの迫害を乗り越えて最終的には社会から孤立して国家のもとで生き延びようとしたその歴史を知ると、ひとびとの感情として確かにそういうことはあり得たのだなと感じる。ドイツでは労働者の間にマルクス主義が行き渡っていたから、社会階級の側ではなく国家の側に属するユダヤ人への敵対心が当初生まれづらかったというところが、ささやかな記述だけれど面白かった。

  • ヨーロッパにおけるユダヤ人の位置づけ。人種というのはどういうことなのか、興味があり読んでみた。なかなか、スッとは入って来ず咀嚼するのに時間はかかるが、読みごたえがある。人間の行動は、生物学と絡めてみると、人間は動物の一種と考えると理解できるのかもしれない。

  • うん、ぜんぜんわからん!笑笑

  • 2018年12月15日に紹介されました!

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著者プロフィール

1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュースクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される。著書に『アウグスティヌスの愛の概念』(1929、みすず書房2002)『全体主義の起原』全3巻(1951、みすず書房1972、1974、2017)『人間の条件』(1958、筑摩書房1994、ドイツ語版『活動的生』1960、みすず書房2015)『エルサレムのアイヒマン』(1963、みすず書房1969、2017)『革命について』(1963、筑摩書房1995、ドイツ語版『革命論』1965、みすず書房2022)など。

「2022年 『革命論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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