サルは大西洋を渡った

  • みすず書房
3.82
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本棚登録 : 100
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622086499

作品紹介・あらすじ

「ありそうもない、不可思議な、奇跡的な」仮説の数々こそが真実だった。植物、カエルやサルなど、“海越えができない”はずの生きものたちが大海原を渡って分布を広げた歴史が明らかになりつつある。大陸の分断が生物の分布を決めたとする「分断分布」説が長らく“定説”とされていたが、分子時計を用いる新たな研究法の発展にともない、そのパラダイムに変革が起き始めている。多彩な動植物が奇跡の航海を遂げた歴史は、躍動感とサプライズに満ちている。新しい自然史の発見。

感想・レビュー・書評

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  • 読む前は「おサルの大冒険」的な、イースター島まで海を渡った移民を再現したハイエルダールのコンチキ号漂流記のような内容を期待していた。残念ながら「おサルの大冒険」の記述は後半に少しだけしか無い。
    序盤から長々とプレート・テクトニクスの説明があり、おサルまだかおサルまだかというおサル渇望状態に陥る。ただ読み進めていくうちに内容に引き込まれおサルはどうでもよくなってくる。
    DNAを検証したところ生物の分布がプレート・テクトニクスやヒトによる移動では説明がつかず、昆虫、両生類、哺乳類などの生物が
    数百キロ、時には数千キロも海を渡っていたのではないかという考察。

    ◯面白かったところ
    サナダムシの起源論争→ブタ無罪、真犯人はヒト

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB24866135

  • タイトルの印象とは少し異なるが、ダーヴィンから、一部その前からの分断分布説と海上分散説との学説のせめぎあいについて追うことを通した、歴史生物地理学の書。歴史が偶然から作られること、科学も感情や惰性に左右されることなどについて考えさせられる。トーマス・クーンのパラダイムシフトの一例としても捉えられる興味深い内容。訳もとても良い。

  • 生物の分布は大陸移動に伴う分断分布説が有名だが、長距離海上分散説でないと説明できない事象もある。

  • The一般向け学術書みたいな軽いノリの語り. 大陸移動説以後のあれやこれやはよく知らなかったが、まぁそういうことも当然あるだろうな、くらいの感想.

  • 奇跡的な航海が生んだ進化史
    THE MONKEY’S VOYAGE:
    How Improbable Journeys Shaped the History of Life
    https://www.msz.co.jp/book/detail/08649.html

  • 読了。サルはアフリカと南米の両方にいるが、それはなぜかという話。なんとなくプレートテクトニクスによる大陸分断でわかれてしまったのかと思っていたが、分断は億年単位の話で、南米のサルがアフリカのそれから分岐した時期と全然合わない。であれば、どうにかしてサルも太平洋を渡ったはずだが…という話。植物や昆虫なら流木に乗ってということもあり得るだろうが、サルは無理だよな…と思ってしまうが、遺伝子を調べると事実としてはそうなっている。ちょっと考えるとあり得ないと思えることだが、世界中で起こった蛇や両生類などの長距離分散の事例の事細かな説明を読んでいると、最後のほうでサルが大西洋を渡った可能性について、まったく疑問を持たなくなるから面白い。各章に筆者や過去の研究者のエピソードが豊富にあるおかげで物語を読んでいるようにすいすいと読めてしまうが、やや話が冗長になってしまうのはいたしかたないか。

  • 請求記号 462/D 62

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著者プロフィール

ネヴァダ大学生物学部門非常勤研究員。専門は進化生物学。サイエンス・ライターとしてもThe Scientist,The Huffington Post,The Wall Street Journalなどに活躍の場を広げている。初の単著であるThe Monkey’s Voyage(Basic Books 〔『サルは大西洋を渡った』柴田・林訳、みすず書房〕)は、Library JournalとBooklistで2014年のベストブックに選出された。

「2017年 『サルは大西洋を渡った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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