サルは大西洋を渡った

  • みすず書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622086499

感想・レビュー・書評

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  • 読む前は「おサルの大冒険」的な、イースター島まで海を渡った移民を再現したハイエルダールのコンチキ号漂流記のような内容を期待していた。残念ながら「おサルの大冒険」の記述は後半に少しだけしか無い。
    序盤から長々とプレート・テクトニクスの説明があり、おサルまだかおサルまだかというおサル渇望状態に陥る。ただ読み進めていくうちに内容に引き込まれおサルはどうでもよくなってくる。
    DNAを検証したところ生物の分布がプレート・テクトニクスやヒトによる移動では説明がつかず、昆虫、両生類、哺乳類などの生物が
    数百キロ、時には数千キロも海を渡っていたのではないかという考察。

    ◯面白かったところ
    サナダムシの起源論争→ブタ無罪、真犯人はヒト

  • タイトルの印象とは少し異なるが、ダーヴィンから、一部その前からの分断分布説と海上分散説との学説のせめぎあいについて追うことを通した、歴史生物地理学の書。歴史が偶然から作られること、科学も感情や惰性に左右されることなどについて考えさせられる。トーマス・クーンのパラダイムシフトの一例としても捉えられる興味深い内容。訳もとても良い。

著者プロフィール

ネヴァダ大学生物学部門非常勤研究員。専門は進化生物学。サイエンス・ライターとしてもThe Scientist,The Huffington Post,The Wall Street Journalなどに活躍の場を広げている。初の単著であるThe Monkey’s Voyage(Basic Books 〔『サルは大西洋を渡った』柴田・林訳、みすず書房〕)は、Library JournalとBooklistで2014年のベストブックに選出された。

「2017年 『サルは大西洋を渡った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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