公共政策学とは何か (BASIC公共政策学 1)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
3.67
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本棚登録 : 50
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623054404

作品紹介・あらすじ

公共政策学の社会的使命を考察。政策アクターの政策的思考を向上させ、より適切な公共政策が政府政策として採用されるよう、政策過程を改善する方途を探求する。

感想・レビュー・書評

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    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/244739

  • タイトル通り「公共政策学」という学問自体の概説を試みた本。「公共政策に関わっていれば全て公共政策学なのか?」という疑問認識があったので、かなりの斜め読みでも得るものはあった。
    「政策分野ごとの」「縦串の」公共政策学を重視する一方で、「全分野に共通する政策知を扱う」「横串の」公共政策学については知見を持った人が少ない、という指摘には首肯。この本は後者にかなりの重点を置いている。

  • ミネルヴァ書房の「BASIC公共政策学」シリーズの1冊目で、シリーズ全体の道案内、イントロダクションとしての役割を果たしており、公共政策学の良き概説書にもなっている。ただ、著者自身も指定しているが、やや抽象的な議論が多い印象も持った。
    内容のなかでは、公共問題の悪構造性の指摘や、公共政策デザインに対する制約条件(政治的制約、価値観の相克、不確実性の存在)の重要性の指摘などが興味深かった。著者は、市民や政策担当者に公共精神を育成することの重要性も強調していたが、それについては、少し懐疑的な感想を持った。

  • 本シリーズの導入に過ぎないという留保をつけたとしても不十分な感は否めない。それに無駄な修辞が多く、筆者の浅い?教養を見せつけているようにしか思えない。

  • 公共政策学のテキストとして購入しました。結果有効に活用できたとは思えませんが、自分が何を学んでいてどのように社会に還元できるのかを学ぶには最適の書であったように思います。

    本書はタイトルにもなっている「公共政策学とは何か」という問題に対して、2章・3章・4章では政策デザインの限界や制約条件を示す形でその全体像を浮き彫りにし、終章では各政策分野に妥当する政策デザインの具体的指針を示す形でその核心に迫っています。

    最終的に著者は、具体的方策の構想・選択に際しての実践的基準を、①合法性・合憲性、②有効性、③推論ルールとしての費用対効果基準、④控えめな予測に基づくべき等の不確実性への配慮、⑤公共心の育成・強化の5つに整理しています。

    中でも④は、著者が「およそ考えられ得る最も不平等な関係」の1つとして挙げた将来世代との不平等を考慮する意味でも重要です。この論点は、費用便益手法の割引率設定によって生じる不平等、旅行費用法やヘドニック法等の選好主義的なインパクトの把握によって生じる不平等など文中でも各所で触れられており、本書の独自性を強めている論点であるように思います。

    また、政策知識人には目的-手段志向的な政策的思考とともに、妥協・調整志向的な政治的思考と包摂志向的な法的思考が必要であるといった箇所も面白く読ませていただきました。ここで挙げられた田中成明『法的思考とはどのようなものか』も最近読んだのでいずれレビューを書きたいと思います。

    抽象的な内容で少し読みづらいですが、労して読むに値する一書です。政策実務と理論の架橋に関心のある方におすすめです。

    「政策決定者には、『不可知論の贅沢も、懐疑主義の無頓着も許されない』」(191P)

  • 早稲田公共経営

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2021年 『公共政策のためのモデリングとシミュレーションの基礎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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