60年代のリアル

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著者 : 佐藤信
  • ミネルヴァ書房 (2011年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623062065

60年代のリアルの感想・レビュー・書評

  • 60年代、特に学生運動に参加していた若者たちの思考を、若者の目線で論じる。

    明確な殺意や攻撃の意思を持った赤軍派と、他社とのつながりを根源にもつ暴力を行使した全共闘との比較は面白かった。
    明確なプランやゴール、思想ありきではなく、1つの連帯感のために行動を起こし、その根底には「皮膚を通しての他社との接触によるつながりの自覚」を求めていた、という論議もなるほどと思った。
    ただ、そういったつながりや自我の表現や在り方の説明に、ジャズやアニメを絡めていくのは少し強引に感じた。

    私や個を確たるものとするために公というものがあり、そのために場やざわめきが作られ、それらは日々変質していく、というのも、SNSやブログに代表されるインターネット空間が大きなポジションを占めてる現代をうまく説明しているように感じた。
    こうした社会科学の分野で、自分と同年代の目線で、取っ付き易い文体で、かつ理性的な議論が進められているのは初めて読んだ。

  • 988年生まれの著者が大学4年生の時に、1960年代の日本について書いた著作。年配の人には懐かしい歴史の出来事だが、若い著者が資料を手掛かりに1960年代に肉薄する。

    The author born in 1988 researched about Japan in the 60's with his fresh eyes.

  • 2013年の読者スタート

  • 学生運動:手触り感のある、肉体感のあるそうした暴力のみを「正しい」ものだと考えたんじゃないか。
    社会的身体:生物としての身体ではなく、社会的に構築された、個人に体するイメージのこと
    精神によって肉体を乗り越えることがエヴァのテーマの一つ
    ATフィールド:精神的な境界
    攻殻機動隊:擬体化、電脳化
    ガンダム:操縦

  • まだ学生の時に書いたというのがすごい。60年代の切り口を肉体感覚、皮膚感覚に持ってきたのが面白い。

  • まず、この語り口、なんか懐かしいな、と感じました。思い出したのが本書でも触れられている作家、庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」の一人称。なんか、今の若者が60年代の話法を借りて、若者性を獲得しているような印象でした。あの時代に対する純粋なシンパシーの強さが、現在という視点を希薄にしているのかな…もちろん、テーマは「リアルな肉体感覚」というインターネット時代の今ならではのものなのですが。もしかしたら、薫くん的自意識を封印してクールに分析された方が鮮やかだったかも。いや、もう一回グルッと回って論旨より、現代の23歳が60年代の若者のキャラにチェックインしているのが本書の魅力なのかも。最後の文献紹介の饒舌は心地よかったです。

  •  私は60年代の若者の自由なイメージにとても興味があります。
     私たち21世紀の若者にとって、60年代の若者のイメージはつかみきれないほど大きなものだったと思います。
     そんな希望と夢とがつまったその時代をリアルに追求した本です。
    (外国語学部/匿名希望) 

  • 60年、そして60年代末の学生運動をしていた若者を、今の若者に(今の若者である著者が)置き換えて論じた評論。私に一番刺さったのは内容よりも著者が1988年生まれの現在M1であるということ。端的に言えば物凄く刺激になる。
    同年代(や年下)が第一線で活躍し始める様子が可視化された(あるいはその様子にアクセスしやすくなった)現代では、彼らをメディアの向こう側の人と見るのではなく、同一平面上で確かに存在する個人として捉えられる気がして、それが跳ね返り焦燥感/競争意識を生む。私もプレイヤーで頑張らねばと。
    本そのものの感想と言うよりはメタ感想になってしまったが。本については、巻末の饒舌な文献紹介が有用で面白かった。平易な文章の時のほうがノッている気がするので、著者のエッセイ集やブログを読みたいと思った。

  • 当時を雄弁に語る人、評論する人より、活動に多かれ少なかれ参加しながらの無言の人たちに想いを馳せる。

  • 著者は23歳の大学院生(!)。「リアルとは何か」をテーマに、安保闘争を繰り広げた1960年代の若者と、現代の若者の二つの視点から論考している。
    僕は若松孝二監督の映画を観て以来、なぜ当時の20代が、国会議事堂を取り囲み、安田講堂事件などを起こすくらい「アツく」なれたのか不思議でならなかった。当時、デモに参加した若者みんなが、後の連合赤軍へ繋がる新左翼的な思想を持っていたとは到底思えない。本書を読んだ上での僕なりの解釈は、若者特有の血気だったり、今で言う「ノリ」とかに加え、人と触れあい、時に殴り合い、そうして確信する「今こそ生きている=リアル」を求める若者たちの衝動を満たす舞台として、安保闘争が選ばれた面を否定出来ないと思う。
    「リアル」、それを「生きている実感」とでも読み替えて、いま過ごしている日常を振り返って見よう。今この世界は「リアル」なのか。それを考えるきっかけを示してくれる面白い本でした。あっぱれ。

  • 最近読んだ本では一番面白かった。最近の自分の最大の関心である、資本主義社会における民主主義的な合意形成プロセスと、そこへの自分自身の参与の仕方という問題を、同世代の著者が僕たちの言葉を使って、60年代との比較を通して議論した本。是非、読んでみてください。

  • 昔の若きひとたち(昔若かったひとたち、ではなく)と、今の若きひとたちに違いはあるのだろうか、と考える。

    わたしはもはや若くはなく、例えば、この本において語られている60年代に若きひとたち、であったひとたち、とは父母ほど歳は離れており、この本を語った(書いた)ひと、とは兄弟よりもも少し歳が離れている。そこでわたしはなにを読むのか。と思う。

    いくつかの矢印が頭の中に浮かぶ。わたしより先に生まれてのうのうと生きておる(決してそんなわけはないのだろうけれどあえてそう言わせてもらおう)親への思い、わたしより後に生まれたひとらが青春の蹉跌にもがき苦しむさまをせせら笑う気持ち、そんなわたしを跨ぎこしてこんな本をつくってしまった大人としての先輩と子どもとしての後輩。

    著者はそんな妬みややっかみを抱かせるために書いたわけではないのは知っている。のだけれども。

    わたしからすると不思議なボキャブラリーを駆使して書かれた文章という印象。

  • 【新刊情報】60年代のリアル 210.7/サ http://tinyurl.com/6oqymnz 安保闘争、東京オリンピック、大学紛争…。1960年代とは何だったのか? 2010年代を生きる著者が、当時の若者たちの活動を通して60年代の政治社会を考察 #安城

  • 1960年代に巻き起こった学生運動をいま同世代の著者(23歳)がなぜ一大ムーブメントにまでなったのかを他者との関係性や肌感覚、いわゆる「リアル」から読み解いている本です。
    中心人物以外目的はどうでもよかったわけで、肌感覚の生きている実感、みんなとの連帯感を得たいという思いはきっといまも昔も変わらないんだろうと。地方から都市部に出たもののそこは疎外された人と人がかかわりにくい都市空間にあった学生が運動に流れていく気持ちはわからなくもないかなと思いました。
    しかしながらどこまでも人と人とは皮膚によって分け隔てられた他人なのであって同化することはないことも事実です。運動のあとはまた孤独がやってきてどうしようもなくなる、その繰り返しなのだろうと推察します。「連帯を求めて孤立を恐れず」はこの文脈で理解できるとの指摘は思わず納得。
    また肌感覚のぶつかり合いを求めていたからこそ、拳銃や刃物ではなく、ゲバ棒だったのだと。その意味では目的に忠実だったのは過激化した連合赤軍のほうで、なぜ大多数が過激化しなかったのかは結局目的よりも肌感覚のぶつかり合いを重視したからだと指摘します。
    久しぶりにこういう本を読みましたが私の考えとも近く非常に面白かったので、星5つです。いま人との関係で悩んでいる人こそ読んでほしい、そんな一冊です。

  • 大学生の軽いノリで60年代を理解している。

    2011/12/17図書館から借用;2011/12/19から読み始め

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