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- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623063598
作品紹介・あらすじ
私たちは身のまわりの「社会」を感性を通じて味わうことがある。「社会」はときに味わい深い人びとの関係性の場であり、意図せずに現われる美的状況でもある。本書は、「社会」を自分自身の眼で見、耳で聴き、五感や直観を通して「感じとる」ことのできる場としてとらえ、「社会美学(social aesthetics)」という新たな学問テーマを立ち上げる試みである。
感想・レビュー・書評
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人間の関係性のもつ独特のあじわいを、美学的な方法にもとづいて考察することをもくろむ「社会美学」という立場から書かれた論文を収録しています。
本書で用いられている「社会美学」ということばは、近代日本のアナキストである石川三四郎によって提唱されたものです。本書は石川の議論についてもある程度立ち入って考察をおこなっていますが、石川の提出した議論にのっとるのではなく、社会学者のジンメルや現象学者のシュミッツ、さらに日本の哲学者である九鬼周造らの議論も参照しながら、著者たちによる独自の社会美学を構想しています。
人間の関係性を美学的観点から考察するという本書のもくろみそのものはたいへん興味深いと感じましたが、その具体的な展開が十分に示されているわけではなく、掛け声にとどまっているような印象を受けました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013/10/4読了。
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