日韓歴史認識問題とは何か (叢書・知を究める)

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著者 : 木村幹
  • ミネルヴァ書房 (2014年10月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623071753

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日韓歴史認識問題とは何か (叢書・知を究める)の感想・レビュー・書評

  • ヘビーそうな内容に尻込みして積読していたが、先日の日韓両政府の動きで慌てて読みだすと、意外にすらすら読める文章の巧みさと真摯な学究姿勢にあっという間に読み終えてしまった。
    ◯◯のせいでこうなった、という単純な犯人は存在しない。

  • 【目次】
    はじめに [i-v]


    序 章 歴史認識問題をめぐる不思議な状況 001

    第1章 歴史認識問題を考えるための理論的枠組み 015
     1 歴史認識問題の歴史的展開とその原因 
     2 価値基準としての歴史認識 
     3 「歴史」と「歴史認識」 

    第2章 歴史認識問題の三要因 041
     1 世代交代 
     2 国際関係の変化 
     3 経済政策と冷戦の終焉 

    第3章 日韓歴史教科書問題 075
     1 歴史教科書問題の起源 
     2 中韓両国の反応 
     3 日韓両国政治の流動化の中で 

    第4章 転換期としての80年代 103
     1 終焉へ向かう冷戦 
     2 日韓関係の変化 
     3 『新編日本史』 
     4 エリート政治の終焉 

    第5章 従軍慰安婦問題 137
     1 55年体制末期の日本政治 
     2 第一次加藤談話 
     3 宮沢訪韓 
     4 「誠意なき謝罪」という言説 
     5 日本政府の対応 
     6 第二次加藤談話 
     7 河野談話 
     8 村山談話からアジア女性基金へ 

    第6章 「失われた20年」の中の歴史認識問題 209
     1 変化する日本社会 
     2 ナショナル・ポピュリズムの時代 
     3 ポスト・ポピュリズム時代の歴史認識問題 
     4 悪化する日韓関係 

    終章 日韓歴史認識問題をどうするか 245

    参考文献 [253-260]
    むすびにかえて(二〇一四年九月七日 秋夕休暇で閑散とした高麗大学の宿舎にて 木村幹) [261-266]
    日韓歴史認識問題関係年表 [267-272]
    人名・事項索引 [1-6]

  • 極めて冷静かつ客観的な筆致で日韓歴史認識問題拡大の経緯がまとめられている。

    相手国の状況に対する深い理解に基づかず、思い込み、信条、善意から起こした行動が、意図と全く逆の結果を生んでしまったというのは、今後に向けての大きな教訓とすべきだろう。

    本書の構成上、打開策についても簡単に触れられているが、事ここに至ってはなるようにしかならないというのが本当のところではないか。

  • 日韓歴史認識問題で取り上げられる「過去」の事実がどうだったのかを解明するのではなく、日韓歴史認識問題自体が「現在」に至るまでになぜこじれてしまったのかを解明している。
    日韓歴史認識問題が、「過去」に関する問題である以上に、「現在」の問題であるということがよく理解できた。
    韓国における日本の重要性の低下等の日韓歴史認識問題の背景は、不可逆的なものであると思われ、日韓歴史認識問題の完全解決はおそらく当分難しいと感じる。今後の日韓関係においては、日韓歴史認識問題の存在を前提にしつつ、これ以上こじらせないように互いに配慮し合うとともに、本書で指摘されるように、(日本が韓国との良好な関係を維持しようとするのなら、)日本は韓国に対して日本自身の重要性をアピールしていくことが必要なのだと思う。

  • いやもう論文の教科書って感じ。ほんと論理的で理知的。
    日韓双方の主張や立場がかなり整理されていて、「歴史問題」が何であったかが良く理解できる。

    ただまあ、じゃあどう解決すればいいか、となるとわからんってのが正直なところだよね。本書もその部分はトーンダウンしちゃってる感じ。とかく国際政治は難しい。

  • 日韓歴史認識問題について、その流れを概観する。歴史認識問題は、過去の事実に目が行きがちだが、実際はその過去の事実を見る現在の問題であるとしているのが、筆者のスタンス。この点は、本書を通じて、支持できると思った。

    しかし、そうだとしても、歴史認識問題を乗り越えるのは難しいと思う。なぜなら本書でも述べられている通り、歴史認識は、各国それぞれあるからだ。そんなもんだ、と考えるしかないのだろうか?

  • 歴史認識をめぐる対立が日韓の間で激化しています。ここまで拗れたのはなぜなのか。本書はこの疑問に答えようとする試みです。両国間における歴史認識問題の経緯を跡付け、歴史認識問題の歴史的背景を浮き彫りにしています。言ってみれば、論争の対象である〝過去〟を検討した本ではありません。むしろ、過去に対する意味付けが耳目を集める〝現代〟の状況に分析の焦点は当てられています。〝病気〟の治療には〝原因〟の把握が必要なように、この対立について思案するにも原因の把握が不可欠です。筆者はそのように喩えています。新聞記事におけるキーワードの使用数に加え、貿易量や出入国者数などの数値も集計されており、取り巻く環境の変容が図式的に示されています。両国内における政治状況にも目配りされています。歴史認識問題の構図を鳥瞰的に捉えた一冊です。近年の日韓関係に関心を持つ方におすすめの一冊になります。
    (ラーニング・アドバイザー/国際 OYAMA)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1630518

  • この手の本はたいていどちらかに偏りがちだけど、この本はかなり公平だと思います

  • 2014.11朝日新聞にて。日本側からの誠実な応答のひとつと高橋源一郎。

  •  歴史認識問題は「過去」の問題である以上にその時点ごとの「現在」の問題である、筆者はこの点を強調し、両国の政治過程を丹念に整理している。
     80年代以降なぜ教科書問題や慰安婦問題が激化したか。筆者は、日本統治期には少年期でしかなかった「新しい知日派」の登場や、冷戦終結による「反共自由主義」韓国の位置付けの変化も挙げつつ、最大の要因としては、従来は両国の統治エリート間で処理していた問題が「大衆化」(筆者はそういう言葉は使っていないが)したことだと見ているようである。90年代前半~半ばの日本政治が不安定であったことや、2000年代の同時期の小泉総理・盧武鉉大統領が共にポピュリスト的手法で支持を得たことは、韓国専門家ではなくとも容易に想起できる。
     そして筆者は結論として、この問題への対処(「解決」ではない)は、相手国に自らの重要性を粘り強く伝えることだとしている。楽観的にはなれないが、少なくとも「強制連行はあったか」「どちらの歴史認識が正しいか」、はたまた「人的・文化的交流により相互理解が深まれば自然と改善する」といったありがちな主張よりはずっと説得力があると感じられる。

  • ともに民主主義国であり、経済的結びつきも強い日韓両国は、なぜ歴史認識問題で対立し続けているのか。80年代以降の歴史教科書問題、そして90年代以降の「従軍慰安婦」問題などが起こり続ける背景には何があるのか。本書では、日韓両国の政治過程を丹念に辿り、両国のナショナリズムが高まる中で両国のエリート統治が機能不全に陥り、「期待」と「失望」を繰り返してしまう構造を解明する。
    [ここがポイント]
    ◎ 日韓両国は、歴史教科書問題、「従軍慰安婦」問題など、なぜ歴史認識で対立し続けるのか、その背景を解明する。
    ◎ 両国のエリート統治不全、そしてナショナリズムの高まりを描く。

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日韓歴史認識問題とは何か (叢書・知を究める)の作品紹介

ともに民主主義国であり、経済的結びつきも強い日韓両国は、なぜ歴史認識問題で対立し続けているのか。1980年代以降の歴史教科書問題、そして1990年代以降の「従軍慰安婦」問題などが起こり続ける背景には何があるか。本書では、日韓両国の政治過程を丹念に辿ることから、両国のナショナリズムが高まる中で両国のエリート統治が機能不全に陥り、「期待」と「失望」を繰り返してしまう構造を解明する。
[ここがポイント]
◎ 日韓両国は、歴史教科書問題、「従軍慰安婦」問題など、なぜ歴史認識で対立し続けるのか、その背景を解明する。
◎ 両国のエリート統治不全、そしてナショナリズムの高まりを描く。

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