はい。赤ちゃん相談室、田尻です。:こうのとりのゆりかご・24時間SOS赤ちゃん電話相談室の現場 (シリーズ・福祉と医療の現場から)
- ミネルヴァ書房 (2016年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623078127
感想・レビュー・書評
-
こうのとりのゆりかごで引き取られた子供は、慈恵病院が育てていると思っていたので、実際の流れを知り驚いた。
日本は子供に厳しいと思う。有川浩さんの明日の子供たちでも、テーマにもなっていたと思うが施設の子は大学からいきなり自分で生活費や学費を捻出するって、親がいても大変なことがあるのに国などが支援してないのが辛い。
留学生ばかりではなく、国内の学生にも金銭的な支援が必要と思う。
周産期の身体的変化だけではなく、取り巻く環境の変化はだれか相談に乗ってくれる方が必要だと思うので、慈恵病院の取り組みは続いて欲しいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆりかごの活動は凄いと思うけれども、障害児を受け入れられないお母さんに対して著者が当時「人として倫理的にどうなの」と言った場面は正直読んでて辛かった。
-
こうのとりのゆりかごが発足された当時は
大変話題になりましたが
今若い人はこの存在を知らない人も多いのかも・・・
日本の初の試みでその成果もちゃんと出ているのに
後続の運動があまり活発になっていないことを
知って 大変残念に思いました -
本書は「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)設立の立役者の一人である、当時看護部長の著者が「生命を繋ぐ」ことについて語った本である。
一章は著者の生い立ち。
二章では「こうのとりのゆりかご」の誕生について。
三章ではそれの仕組み。
四章では妊娠、出産、育児に対するSOSについて。
五章では子供達への支援。
六章では総括として「命のバトン」を繋ぐこととは何かを語っている。
妊娠、出産、そして育児は思いがけないことの連続だ。
辛い事も悲しい事も、迷う事も苛立つ事も。
本当はそれがどれだけ奇跡なのか、その素晴らしさに心を打たれ、幸せを感じるもののはずなのに、多くの場合、母親一人に負担がかかることによって、それらは「辛いもの」へと変貌してしまうのだ。
「こうのとりのゆりかご」に対する批判について、まっとうな理由であればその意見も正しいと言える。
しかし、生みの親が育ててあげるのが一番だ、という言葉や「母性」神話、障害児、若年妊娠など、母親を追い詰めるものは決して少なくない。
そしてどれも切実なのに、その不安に答えてくれる場所や人は決して十分とは言えない現状がある。
著者はそんな親に対して親身に答えたい、と語っているが、いったいどれだけの人がそんな人や場所に行きつけるだろうか?
やっとの思いで、電話をかけても、「混み合っております」「時間外です」というデジタル音声の冷たいアナウンス.....
これによって絶望的になってしまう親の気持ちを反対する人々はどう受け止めるのか。
子供は皆愛されて育てられなければならない。
しかし、そうではない場合、どれだけ私たちは社会でそんな子供達を助けられるのか。
かわいそうだ、その言葉だけではない手助けを、子供も、そして親も心から望んでいる。