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- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784624610364
作品紹介・あらすじ
「アウシュヴィッツ」という歴史の災厄をくぐり抜け、1970年にセーヌ川で自死した、戦後最大のドイツ語ユダヤ詩人、パウル・ツェラーン。その難解な詩作品には、死者からの呼びかけとともに、植物、とりわけ花の名称が頻出する。ベンヤミンの寓意的読解(アレゴレーゼ)に依拠しつつ、植物分類学とも言うべき狂気に満ちたツェラーンの詩学を、独自の自然誌の試みとして読み解く。当代随一の詩の読み手による、類を見ない画期的な論考。
感想・レビュー・書評
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ツェラーンの詩には植物の名前が頻出し、ツェラーン自身、植物分類学の専門的知識を持っていたという。本書は、ツェラーンの植物分類学に対するアンビバレントな欲求――植物への耽溺と分類への偏執――を冒頭に仮設し、この抒情詩の解釈に植物分類学的思考を導入することで、ツェラーンの詩に「歴史が自然を侵犯する」ことにより刻みつける「鋸歯状の分劃線」(ベンヤミン)を浮かび上がらせるこころみ。
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