- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784625684180
感想・レビュー・書評
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著者は京都のタウン情報誌の編集者。
普通のガイドブックとは違う裏話を、トリビア的に紹介してくれています。
花火の屋号、「玉屋」「鍵屋」は、お稲荷さんと関係があると知って驚きました。
両者、全く縁がなさそうですが、狐がくわえているのが、玉と鍵、ほかに巻物、稲穂の4種類なんだそうです。
その稲荷信仰からきた名前だのこと。
ちなみに玉屋は失火のため、廃業してしまいましたが、鍵屋は現在も営業中だそうです。
また、「どら焼き」のことを関西では「三笠」と呼ぶと知りました。
文明堂に、三笠山という名前のどら焼きがありますが、あの名前も何か関係しているのでしょうか?
京都のどら焼きは、そもそも東寺そばの和菓子屋が、僧侶の副食となる菓子を依頼されて作ったものだそうです。
銅鑼の形をしているからではなく、銅鑼で焼いたからどら焼きなんだそうな。
オリジナルのものは、ロール巻なんだそうです。
醍醐の花見をするにあたり、秀吉は家康を下見には連れて行っておきながら、実際には招待しなかったとのこと。
代わりに前田利家夫妻が招かれたそうですが、秀吉のそういった心ない一面は、間違い無く彼の遺族や忠臣に降りかかっていったことでしょう。
雑学が多くてためになります。
ただ、おもしろおかしい文章のようでありながら、そうではありません。
書き方によっては、いくらでも面白いものになるところを、真面目な語り口で、無難に収めているので、なんとなく魅力が乏しい文章に思えました。
取り上げた寺社への配慮かもしれませんが、せっかくタウン誌の柔軟な編集力を持っている人なのに、そこを生かさず専門家風の淡々とした書き方になっているようで、もったいない気がしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示