- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784627664715
作品紹介・あらすじ
たとえば、旅客機「コンコルド」の墜落と、歩いている人が空き缶やバナナの皮ですべってころぶことは、同じ原因の失敗です。これらが同じであることを納得していただくために、まず、すべての失敗が41の原因から起こることを示します。このたったの41の項目を頭にきちんと入れれば、過去の失敗をくりかえさずにすむのです。そして、ケーススタディとして、どこかで聞いたことのある有名な失敗(タイタニック号の沈没、歌舞伎町雑居ビル火災、ニューヨーク世界貿易センタービル崩壊、チェルノブイリ原発の爆発、信楽高原鉄道の正面衝突、地下鉄サリン事件、など全178事例)をとりあげ、その失敗のシナリオをきちんとあかします。
感想・レビュー・書評
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『感想』
〇エンジニアをメインターゲットとした本ではある。技術的な要因が失敗に結びついている部分はとばし、組織的な要因が強い失敗事例を中心に読んだ。
〇失敗を起こすのは、人なんだと考えさせられた。他で起きた失敗を他人事として片づけず、自分の経験にしていくことが大切で、これは読書のよい効用。
〇「思いを言葉に、言葉を形に」という順番は、設計だけでなくすべてに通じること。言葉を知ること、これも読書で得る力。
『フレーズ』
・本来の設計は「思いを言葉に、言葉を形に」という順番でモノができる。(p.xii)
・過去の失敗を活かすには、「人間は必ず失敗する動物で、しかも同じような失敗をくり返すため、失敗事例はたがいに類似になる」ということを銘記すべきである。(p.20)
・人間は自分の状況下で問題意識が生まれないと、それを防止しようという意欲も生じない。(p.55)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時々読み返そう
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ミニコメント
失敗を知り、失敗から学ぼう!
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/429114 -
失敗の事例集。事あるごとに思い出したい。
・機械の失敗の3兄弟は、疲労、腐食、摩耗
・人の入れ替えで知識が途切れる
・本来の設計は「思いを言葉に、言葉を形に」という順番でモノができる。
・製造、検査の失敗と比べると、企画・開発の失敗は、長期・組織的・遅効・少数という特性を持つ。
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エンジニアの人にはとても勉強になるであろう本
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色んな事例が図を交えながら科学的に説明されていて興味深い。
少しマニアックでボリュームが多かったので、途中読むのをやめてしまったが、後半盛り返して何とかどくりょう -
山口周の読書を仕事につなげる技術で紹介。江戸川中央図書館で借りて少し目を通して返した。
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一読はしておくべき参考書である。
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工学者の視点で、あらゆる「失敗」を41の上位概念に集約。根性論を超えた科学的アプローチを図ったもの。
某社で事故の多発を受けて、社員教育をやりなおす、みたいな話がありましたが、そんな根性論よりもより有効性の高いアプローチとはこういうものであるように思います。
○筆者は失敗学の伝道師としても多くの講演をした。そこでは、お決まりの「安全意識高揚週間」「ヒューマンエラー撲滅運動」のようなスローガンを後押しすることを頼まれた。でも本当に"精神の叩き直し"で失敗は減るのだろうか(筆者が思うに、減るはずがない)
○コンコルドの墜落と廊下での転倒は、事象的には似ても似つかない事例どうしであるが、「落下物」という上位概念でみると、"似た者同士"になる。滑走路や廊下の上にモノを落とすと、移動物は止まれずにつまづいてしまう。