- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784627667716
作品紹介・あらすじ
増え続ける製品事故とリコール問題-それは、複雑化する要求機能が生み出した"現代病"である。家電製品やソフトウェアなど、対象分野をさらに拡大。新たに集録した全191事例を徹底分析し、その原因と対策を探る。
感想・レビュー・書評
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事例の羅列が面白い。ビジネス上の失敗と東大学生の失敗事例が良いアクセント。
二つの要求に一つの機能で応えようとすると、例えばボルトなら締め方の角度などが性能を満たすためにはシビアな条件で使う必要が出たり、一つの要求が変化してそれに対応しようとした時にもう一つの要求の事を忘れたり、両方の要求に対応する事が難しくなったりする。それを干渉設計と呼び、経年後に事故を引き起こす大きな要因の一つとなっている。
・国民のリスクとは何であろうか。現代の日本では起きそうもない戦争や飢饉、天災、伝染病などを除くと、次の七つに分類できると筆者は考える。不慮の事故死は年間4万人だが、これがリスク全体のパイと考えよう。まず、
(1)交通事故
(2)家庭内の事故
(3)ハイリターンの事故
が各々一万人ずつ亡くなるほど大きい。
(2)は階段から転落、風呂場で転倒、餅で窒息、が三大事故シナリオである。(3)は登山、水泳、スキーなどのスポーツ事故や、海外旅行、エステ、ギャンブル、宴会のときの事故などである。その次のリスクは被害者が少なくなって、
(4)労働災害
(5)サービスの不具合(とくに医療)
(6)インフラの事故
(7)民生品の事故
と続き、合わせて1万人である。本書は、実はこの残りの弱小4つのリスクに注目した本に過ぎない。年間に死亡する人は110万人いるからその1%に注目したわけである。自殺3万人と事故4万人を除くと、今や100万人近くは天命と言えそうな病死で亡くなっている。そう考えると日本は結構、人災の少ない安全な国であると言えよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2019.7.10メルカリ売却
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★5
Library -
拾い読み。空母の作業ミスとか高信頼性組織の研究を思い出す。失敗から学ぶことは重要である。
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設計の仕事をするなら読んでおくべき。ここに書かれている失敗を繰り返すのは、無知、能力不足と言われても仕方がない。例えば、干渉設計の悪について繰り返し書かれているが、最近も干渉設計しようとしている人を見かけた。
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請求記号: 504||N
資料ID: 11102265
配架場所: 工大選書フェア -
続とあるとおり、失敗集の第2弾。お金にならないところをどれくらいできるかが課題であろう。
「法律は安全に優先する」状況のままだと、何度でも失敗してこの本の第3弾が出るだけだが。