- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634491977
作品紹介・あらすじ
革命の理念により移民や外国人に寛容であったとされるフランス。外国人労働者の増加が予想される日本で、移民先進国のフランスから学ぶことも多いだろう。国民と外国人の法制度的な誕生、両者の対立抗争や連帯行動、政府の移民政策をたどり、国民と外国人の関係を考える。
感想・レビュー・書評
-
ふむ
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
fra フランス
-
フランスへ移民としてやってきた外国人がどのような歴史をたどってきたか、おもに16世紀以降から述べられている。非常に簡潔な文章で、指摘も鋭い。部分的にではあるが、その時代の文化作品が引き合いに出され、当時の移民がどのような立場にあったのか、多角的な分析がなされている。
興味深かったのは、旅券が革命政府の事実上の移民排斥のために生みだされたということ。 -
国民を定義付ける事と外国人を識別することは表裏一体であり、フランスでの試行錯誤の様子が描かれている。
フランスの移民は周辺国→+アフリカ→+アジアであり、経済悪化に伴う排斥と労働不足を補う寛容とを繰返した。
日本はフランスでいえば19世紀のような状態であろう。
200年後の日本はどのような姿をしているのだろうか、興味深い。
現在のパスポートに繋がる原型の話も理解しやすい。
1791年6月28日、ルイ16世がパリから召使いの身分を偽称して逃亡を企てた事を受けて。旅券は個人の移動を許可するための通行証であったが、個人を同定し国民である事を証明する身分証に変わった。 -
フランスでの移民、外国人のの歴史の大半はユダヤ人問題。最近ではもっぱらアフリカ系のようだが。
フランスのユダヤ人は返送した外国人だと考えられていたい。
ユダヤ人はキリスト教社会においてよそ者であっただけでなく、カフカが「城」で描いたように、不必要な、どこへ行っても邪魔になる人、たえず迷惑の種になる人だった。
フランスも第二次大戦後までは、反ユダヤ主義は根強かった。