天文方と陰陽道 (日本史リブレット)

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著者 : 林淳
  • 山川出版社 (2006年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634544604

天文方と陰陽道 (日本史リブレット)の感想・レビュー・書評

  •  江戸時代の改暦に陰陽道がどう関わってきたのか、なぜ改暦が必要だったのか、その狙いがざっくりとまとめられている。統一国家としての権威や暦を作ることのできる先進性を示すために改暦をしたという解説がなされている。当然そういった面もあるだろうが、むしろ江戸幕府に なって全国が統一された結果、各藩のバラバラな暦では不都合が生じてきたから共通の暦が必要になった、という単純な理由だったかもしれない。
     さて、暦づくり行う天文方が世襲となったことで暦の精度が落ちたという指摘は傾聴に値する。体制の世襲は全く問題がないわけではないが長い目で見れば安定に寄与する面もあり一概に否定はできない。しかし暦づくりという技術職を世襲にしてしまったがためにその能力の無い者を任命せざるを得ず、能力主義で技術の継承をしていた仙台藩の人材によりかろうじて天文方、ひいては暦づくりを継続することはできてはいたが、精度の悪化、果ては技術の喪失を招くという結果を招いてしまっている。これは現代でも起こりうる課題である。立ち上げメンバーの知識技能をどうやって継承させるか、そして後任を誰にするか、非常に難しい問題である。

  • 武勇の戦国から、文化、儀礼……そして正確さの江戸時代。暦の改定に秘められた幕府・天文方、各藩、朝廷との水面下での駆け引き……そして暦を巡る近世の世界情勢。『天地明察』から明治のグレゴリオ暦採用までに、いったい何があったのか……一見穏やかで壮絶な暦の歴史。

    なりきり仲間の土御門久脩さま @tsuchi_h に教わった一冊だ。

  • 暦を定めることの意味を教えてくれた。また、科学政策は難しいものだということも。為政者がある程度の理解がないと不可能。
    陰陽道の話はちょっとしか触れられてはいない。タイトルは適切ではないな。

  • 渋川春海が主人公の小説が話題になった時についでに買ったのですが、この本を読むだけだと、そんなにドラマチックな人生にも思えません。息子が早死にして云々のところかな?
    改暦の必要性について、200年に2日のずれならどうでもよいという政治家が出てくるあたりは、2位じゃ駄目なんですか? と科学やスポーツ予算を削減しまくる鉄面皮を思い出して、今に引き戻される気分でした。
    はやぶさは7年で戻ってきたわけですが、長年かけないと実現不可能なプロジェクトが、政治家の気まぐれとかで打ち切りにならずに平和にいくつも並列して続いていく世界が来ればよいのに。

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天文方と陰陽道 (日本史リブレット)を本棚に「積読」で登録しているひと

天文方と陰陽道 (日本史リブレット)の作品紹介

九世紀なかばに導入された宣明暦は、八二三年の長い期間にわたって用いられてきました。それを終らせたのは、幕府の碁打ちであった渋川春海と、公家で陰陽頭の土御門泰福によって行われた貞享改暦でした。その功により渋川は、幕府の天文方となり、同じころに土御門は、陰陽師支配の権限を掌握しました。これまであまり知られていなかった天文方と陰陽道について、あらたな事実を掘りおこしながら、綱吉や吉宗が、改暦を命じたことの意味を考えてみたいと思います。

天文方と陰陽道 (日本史リブレット)はこんな本です

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