歴史から今を知る―大学生のための世界史講義

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制作 : 上杉 忍  山根 徹也 
  • 山川出版社 (2010年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634640528

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歴史から今を知る―大学生のための世界史講義の感想・レビュー・書評

  • 「ここ500年の「近代」世界の歴史を、資本主義的世界体制の成立と、国民国家形成の視点から読み解き、「歴史のなかの今」を考える一書。キータームとして「グローバリゼーション」が挙がっているが、アブー=ルゴドの「13世紀世界システム」が挙がっている以外は、オーソドックスな世界史の概説書、という印象。グローバリゼーションについての知見も、さほど目新しさがないようにも思えるが…。

    ただ、「13世紀世界システム」がどのようなものか僕は不勉強で知らないので、本を読みたいなとは思った。ただ、本書が意図するように13世紀の共存システムから直接学びとれることが、資本主義社会を経た現在のどれほどあるのかは、慎重に見極めないといけない。共存のシステムは13世紀という時代だからこそ、実現したはずなのだから。

  • 本書は横浜市立大学の先生方が共同で展開されてある全学共通科目「歴史から今を知る」を読み物としてまとめられたものです。内容のテーマは「グローバリゼーション」、まず序章でグローバリゼーションを5段階に分け、そしてそれぞれに2,3章をあてています。「グローバリゼーションの5段階」とは、最初に前段階としての「グローバリゼーション以前(~16世紀)」、そして第1段階「資本主義的世界体制の形成の時代(1492~1770)」、第2段階「パクス・ブリタニカの時代(1770~1873)」、第3段階「帝国主義の時代(1873~1945)」、第4段階「冷戦の時代(1945~1989)」、第5段階「現在のグローバリゼーション」とされています。内容について個々の章の説明は控えさせてもらいますが、「グローバリゼーション」つまり“世界はつながっている”というのはもはや自明のことですが、ではどうつながっているのかについては、まるで蜘蛛の巣のようにさまざまな観点から歴史を見ることができます。この本を読ませていただき、(自分の勉強不足ももちろんありますが)今まで未知の視点から近現代史を見ることができました。以下私が新たに気づかせていただいた視点です。

    24頁
    「(『ヨーロッパ覇権以前』を書いた)アブー=ルゴドによれば、この「13世紀世界システム」の個々の参加者たちは、そこから自らの利益を引き出し、なおかつ他者に損害を与えることはなかった。またいかなる勢力もこの「世界」において覇権を握ることはなかった。結果的にそこには、共存共栄型の平和的な「世界」が成立していた、という。」
    ※もちろんこの論をそのまま無批判に(ましてや実際にルゴドの本を読まないで)受け入れることはできませんし、著者もパクス=モンゴリカと言われる13世紀世界についても触れています。

    28頁
    「(「13世紀世界システム」を結んでいた商品は)総じて高価な奢侈品であり、一部の富裕層・特権層のみが購買しうるものであった。・・・つまり13世紀に「世界」を現出した経済的ネットワークとは、あくまでも一部の人びとが享受しうる商品の流通網であり、身分や世襲職業などの社会的不平等を前提として成り立ったものである。この点を看過すべきではない。」

    72頁
    「(日米修好通商条約における)領事裁判制度は異文化間の接触にともなう摩擦を回避する機能もあったし、また当初は日本人の海外渡航は想定されていなかった。協定関税もこの条約では必ずしも低い税率ではなく、のちの改税約書で大幅に引き下げられることになった。むしろ、のちに海外渡航や通商政策が現実になっていくなかで、不平等な内容が問題化していったともいえる。」
    ※領事裁判制度が必ずしもマイナスな面だけではなかった、という話は最近よく聞きますね。

    77頁
    「(1871年の日清修好条規について)領事裁判権と協定関税をお互いに認めあう双務的な平等条約であったこの条約は、日中両国にとってはじめての平等な近代的条約であり、しかも近隣諸国としては中国とはじめて対等な関係を結ぶことになるという画期的なものでもあった。この条約の締結は、日本が中国との国交を結ぶにあたり、従来型の冊封体制のなかにではなく、欧米諸国との関係と同じ枠組みのなかに入ることを意味していたのである。」
    ※前半部分は授業で必ず説明する内容ですが、後半部分は恥ずかしながら私にはない視点でした。

    106頁
    「(フランスのブルム人民戦線内閣の成立の背景について)フランスでは(世界)恐慌による不満が蓄積するなか、(19)33年末から34年にかけて疑獄事件(スタヴィスキ事件)が発覚し、アクション・フランセーズやクロワ・ド・フなどの反議会主義右翼の政府攻撃が激化した。34年2月、暴動事件が発生し、内閣総辞職となった... 続きを読む

  • 高校の世界史の近代史のような内容だが、とても役立つ。こういう基礎的な知識が国際政治、経済に役立つ。
    グローバリゼーションには5つの段階がある。
    1.資本主義的世界体制の形成の時代
    2.パクス・ブリタニカの時代
    3.帝国主義の時代
    4.冷戦の時代
    5.現在のグローバリゼーション

    16世紀以降における日本は異国のヨーロッパと出会うことにより、今まで想像の域を出なかった世界の範囲がしだいに現実的なものとなった時期。
    1910年ごろ、東南アジアでは、タイを除くほぼすべての地域がイギリス、フランス、オランダ、アメリカの間で分割された。
    スターリンは戦後、粛清として1000万人の人を虐殺した。

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歴史から今を知る―大学生のための世界史講義の作品紹介

今、人類が直面するグローバリゼーションと呼ばれる現象は、どのようにして進行したのか。おもに、ここ500年の「近代」世界の歴史を、資本主義的世界体制の成立と、国民国家形成の視点から読み解き、「歴史のなかの今」を考える。

歴史から今を知る―大学生のための世界史講義はこんな本です

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