メソポタミアの王・神・世界観: シュメール人の王権観

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  • 山川出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784634649002

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  •  アルキメデス周辺の数学について勉強していたが、ちょっと寄り道してメソポタミアに行こうと図書館で借りた。
     シュメールが都市国家から領域国家、そして統一国家にはてんする様子が著されている。
     この時代の「神」といっても神話世界の存在で、まだ宗教が確立されていない。事物への畏れが神格化されていて大変興味深い。
     著者によれば、シュメール人とアッカド人は、シュメール語とアッカド語と言葉こそ違え(それぞれ影響し合っていた言語)、どちらもエンリル神を中心とした神々を敬っており、民族対立的に捉えるのは誤りであるとのこと。

    以下、シュメールの7神他についての覚書き。
    アン 男:アンは「天」の意味、天神
    エンリル 男:「風の王」の意味、人間世界の主人
     都市・神殿名:ニップル・山の家
    エンキ 男:「地の主」の意味、地下にあった深淵(アブズ)の神
     都市・神殿名:エリドゥ・深淵の家
    ナンナ 男:不詳、月の神
     都市・神殿名:ウル・光の家
    ウトゥ 男:「日」「太陽」を意味する
     都市・神殿名:ラルサ、シッパル・輝く家
    イナンナ 女:「天の女王」の意、金星
     都市・神殿名:ウルク・天にある家
    ニンフルサグ 女:「山の女王」の意、大地の母なる神
     都市・神殿名:アダブ・大いなる家
    エレシュキガル 女:「冥界の女王」の意
     都市・神殿名:クタ・大いなる町(=冥界)の家

著者プロフィール

前田 徹(まえだ とおる)……1972年東京都生まれ 大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学 現在、兵庫県立歴史博物館学芸員

「2021年 『中世後期播磨の国人と赤松氏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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