エベレスト・ママさん: 山登り半生記 (yama-kei classics)
- 山と溪谷社 (2000年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635047050
作品紹介・あらすじ
1975年5月16日午後12時30分。田部井淳子は世界最高峰に女性として初めての足跡を記した。「白い山」にあこがれて山岳会の扉をたたき、憑かれたように山行を重ねた青春時代。そして結婚し、母となってからも夢を追い続け、8848メートルの頂を極めるまでの半生を綴った最初の著作。
感想・レビュー・書評
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女性登山家「田部井淳子」がエベレストの頂上を極めるまでの半生を綴った最初の著作『エベレストママさん ―山登り半生記』を読みました。
嫁さんが夢中になって読んでいたので、私も読んでみました。
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女性で初のエベレスト登頂を果たした「田部井淳子」氏が、その半生を振り返りながら、世界最高峰の頂に至るまでの過程をレポート。
家族の理解と協力のもと、ひとりの主婦がエベレストをめざす姿が克明に描かれ、女性パーティによる当時の登攀事情や登山隊の苦労話など、興味深いテーマが素直な文章で描かれている。
1975年5月16日午後12時30分。
「田部井淳子」は世界最高峰に女性として初めての足跡を記した。
「白い山」にあこがれて山岳会の扉をたたき、憑かれたように山行を重ねた青春時代。
そして結婚し、母となってからも夢を追い続け、8848メートルの頂を極めるまでの半生を綴った最初の著作。
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「田部井淳子」のことは女性登山家として以前から知っていましたが、著書を読むのは初めて… 自分の考えや思いを素直に綴っている感じがして、とても好感の持てる作品でした。
小学生の頃の山との出会いから、若い頃の山行生活、、、
そして結婚と女性パートナーの死、
アンナプルナⅢ峰登頂、
エベレスト登頂までの半生を記録した作品で、とても興味深く読めました。
印象に残り、共感した一節、、、
「ただひたすら、一歩一歩登るという行為、何のためなどという理屈もなにもなく、ただ体を使う動作の中に自分の確かな存在を意識することができた。
そして頂に立つというひとつの区切りある山登りが、私に確かな満足感を与えた。
山をとりまく自然の広がり、空気、らゆるものが体中の臓器にしみわたる。
ここにいる自分が本当の自分なんだ。
一歩一歩汗して歩いてきたからこそ今ここにいるんだという自己存在を、私は山登りにより存分に味わうことができた。
自分の意思で行動したという自由さを感じることができた。」
そうなんですよねぇ… 理屈じゃなく、ただ一歩一歩、頂を目指して登ること、そして頂上で感じる達成感、それが山登りの楽しみでもあり、醍醐味だと思います。
そして、目標に向かって突き進む強い意志、、、
「行きたい!!という気があるなら、どうしてそう出来るよう持っていく努力をしないのか。
あれもダメだ、これもないと、自分で行かれない条件を作っている。
結局は本当に行こうという意思がないのだ。
私はアンナプルナ以来、ヒマラヤ登山は技術とか体力も必要だが、特に必要なのは本当にやるんだ!!行くんだ!!という意思だと思うようになっていた。」
これは何事にも通ずることだと思うんですよねぇ。
夢は叶えるものですからね… 本当にやるんだ!という強い意志がなければ、実現できないと思います。
とても共感できました。
それにしても、、、
アンナプルナⅢ峰のときも、エベレストのときも、メンバーや選定やアタック隊の人選等で、随分、内輪揉めがあったようですね。
女性特有なモノか、男性の登山隊でも同じことなのかは、経験のない私にはわかりませんが、参加した一人ひとりがプライドを持っており、背負うモノがあると、なかなか納得できない部分があるんでしょうねぇ。
ここまで書いて大丈夫なのかなぁ… と心配するくらい、赤裸々に当時の状況が綴ってあったので、緊迫感を感じながら読むことができました。
次も、続けて「田部井淳子」作品を読もうと思います。 -
田部井さんのエベレスト登頂までの苦難の道のりがよくわかる本。「本当にやるんだ!!行くんだ!!という意志」これこそが、田部井さんが成功した秘訣だと思う。自分自身によく聞かせてやりたい。意志を保つというのは、本当に大変。田部井さんが成功した後にメンバーが紛糾したのがよくわからなかったが、人の妬みというものだということを人に教えてもらった。
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唯川恵の小説「淳子のてっぺん」とほぼ同じ。でも、おもしろかった。
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かなり前から何度も読んだ本ですが、自分自身も母になった今読むと、改めて「エベレストママさん」登山家田部井さんのすごさが分かります。
とにかく彼女の一番の特徴はその「意志」。やりたいことがあったらやればいい。
自分に条件をつくらないこと。まず自分がやりたいと思うこと。「でも」は言わない。本当にやりたいならできるはず。