- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635047463
感想・レビュー・書評
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登山の経験のある方々にも関わらず命を落としてしまう。予想できない自然の変化や自身の知識不足。小さな島に暮らす私の夢は一度は富士山を見たい!又は登山したい!というものです。TVでよく沢山の方々が登山している様子をみて経験のない私でもツアーに参加して行けると軽い気持ちで考えていました。経験や知識の重要性を知る事ができたと思う。
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この事案がニュースになった事は少し覚えているけれどもっとツアーや登山客を責めているような報道だったと記憶している。事前の準備と低体温症の知識などをしっかり持って登山する必要性を改めて感じた。
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「批判は悪だ」とか「誰が悪い」だとか感情論や犯人探しが目的ではない。
2009年7月、北海道大雪山系トムラウシ山で実際に起きた、ツアー登山者18人中引率ガイドを含む8人が死亡するという山岳遭難事故。
夏山でも気象条件次第で発症する低体温症の事実を検証する事によって、今後同様な事故を未然に防ぐリスクマネジメントのために。
実体験だけでなく、本を読むことで自身の経験値を上げることもできるはず。
事故やトラブルの検証は、今後の安全の為に必要なことだと思います。
自分自身の身を守り、事故や怪我を防ぐ為に。登山を楽しむ全ての人の安全の為に。 -
山は怖い。
巨大な自然の力を前に人間の小ささを感じる。
ツアー登山の是非について。
登山ブームを迎えた日本にあって当然なサービスだろうと思う。
計画を立ててくれて経験者と一緒に山を登れる、それだけでも料金を払って参加する価値があるだろう。
責任を誰が負うかということは、商売をする方にとって確かに重要なことだろう。
けれど、自分の命を守るということに関して、
他の誰かが責任をとる、ということがそもそも可能なのだろうか。
ツアー登山に参加する、病院で医療行為をしてもらう、海を泳ぐ、車に乗る、様々な場面に命の危険があるけれど、その全てにおいて決断して臨むのは自分ではないのか。
この遭難事故の場合、確かにガイドのアドバイスがもう少しあったら、ガイドが出発すると判断を誤らなかったら、防げたことはたくさんあるだろうけれど、費用や今回の登頂、その他の何かをフイにすることと生きて帰ることを天秤にかけた時に、諦めようと声をあげるということ含め、個人個人も判断を誤っているとしか思えない。
初心者のうちにこの本を読めて良かった。
大事なことがたくさん書いてあるので、細かくは後ほど追記。 -
遭難した方のブログを読み、山での遭難についてもう少し読みたかったので評価が良かったこちらを。
登山経験全くありませんが、山の良さを知る前に行かない!と決意。
自然相手に稚拙なリスクマネジメントのツアー登山、自立しない登山者では何が起きてもおかしくない。
冒頭の登山開始から遭難に至るまでの経緯が恐ろしい。
本当にゆっくり、確実に行動不能に陥っていく感じ。
気が付いたら手遅れ。
夏山で低体温症が何故起きたのか、どのように進行したのかが詳しく、読みやすく書かれていて、全編に渡ってすらすら読めた。
登山、達成感と景観のよさが良いんだろうなぁ、ちょっと興味あるなぁと思っていたけど、もう絶対山行かない… -
最近山登り含むハイキングを始めた。
ウェアや基本的な道具はそろえた。地図の見方や山登りの作法は実地でいくらでも学べる。
しかし、山での事故は誰も好き好んで学びたいとは思わない。そんな目にあいたくない、あるいは自分は大丈夫と思っているから。
この事故はほんの数年前に起きた。他人事ではなくなった。
参加者はツアー登山だから大丈夫と思っている。ガイドは完璧だと思っている。
でも実態は違う。まずガイドにも「大丈夫」という過信があった。そして参加者たちにも無責任があった。
山に登る以上は誰よりもまず自分で自分の面倒くらいは見ないといけない。そして一山ごとに何らかの知識と経験を得なければならない。
修学旅行じゃないんだから、誰か頼みはやめよう。
この本を読んで登山のレベルがアップしたらトムラウシ山に行きたいと思った。 -
先月奈良で寒くて寒くて歯の根が合わないくらいガタガタ震えてたあれは、低体温症の初期症状だったということが分かりました。
北海道トムラウシ山での低体温症による大量遭難を、生存者のインタビューや医学的な見地などいろいろな角度から検証していて、興味深い。山、恐い…。 -
件の遭難事故について当事者の証言、診断時の身体的所見や気象データなどを各分野の専門家が分析したもの。
痛ましい事故であるが、何故そうなったか、そしてどうやって自分の身を守るのか。学ぶことは多いと思う。
最終的に自分の身を守るのは自分、それは間違いないことなのだから。 -
配架中、山に興味はないし事故のことも知らなかったのになぜか気になってたまらなくなってしまい、そのまま借りて読んだ。
夏の日本百名山で起きた遭難事故を、生存者の証言と様々な観点からのデータで解析している。究極状態に置かれた生存者の証言は食い違う所もあるが、修正することなくそれをそのまま使っている。それが切迫した遭難事故の様子をよく伝えている。事故レポートやガイドの証言は読みやすく、データによる解説もけっこうわかりやすかった。
日本人のツアーというものにおける見方が、この事故でははっきり裏目に出てしまっている。登山ツアーにしても旅行ツアーにしても、全て他人任せにするのではなく、非常時にも自分で対応出来る心構えと準備が必要だと痛感した。 -
事故の客観的なレポート、主要人物へのインタビュー、識者からの解説から構成されている。ちょっとした推理小説より謎とサスペンスがあり、読み始めると止められない。
事故というのは準備の不足と甘い状況判断から起きるものだが、それはたいてい回りに気を使ってちょっと自分が無理をすればいいかというような、いわば善意から来るものでもある。多少気まずくても、波風を立てても大惨事を起こすよりはマシなのだと、きちんと判断できる勇気を持たなければならないのだろう。