定本 日本の秘境 (ヤマケイ文庫)

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 119
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635047661

作品紹介・あらすじ

雑誌『旅』の編集者として、日本各地の山・谷・湯・岬・海・湖などを丹念に歩いた著者による紀行文集の傑作で、往時、「秘境ブーム」を巻き起こした。紀行文の名手が紡ぎだす文章は、ときに鋭く、ときにやさしい。高度経済成長の陰で失われていった日本の風景を描写した、昭和三十年代の旅の記録として貴重である。

感想・レビュー・書評

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  • 本屋さんの特設コーナーに平積みになっていました。こういう知らない本に出合えるから本屋めぐりはやめられません。

    岩手の山奥の湯治場を出張の宿にして読んだら、雰囲気満点!旅に出たくなりました。

    戦後10年を経過し、ようやく行くことができるようになった場所があったりという歴史のスナップショットという意味で興味深いことはもちろんですが、社会地理学を学んだ著者らしい視点で人の生活と環境との係わりの物語が切り出されていて、写真だけでもわからず文章だけでも足りない部分が立体的に描かれていて驚きます。
    また、視点の軸があるため批評がある点も特色があります。

    若い時代の著者のまじめな口調も、最近は触れることの少なくなってきてしまった懐かしさすら覚える感触です。

    おいしいものを食べてWEBにUPしたりするだけでなく、こういう深い切り取り方をしたら旅もさらに印象深いものになるだろうなと思います。
    それが、1950年~60年代にかけてのこの旅行記を今読む価値なのではないでしょうか。

    いや~旅に出たい!

  • 2/9購入

  • 古本市で、昭和36年、東京創元社発行の再版本を購入。
    山、海、湯、岬、湖の章になってて、読みながら、どこがターゲットなのか想像しやすい。

    紀行文。その土地の人々の営みと『秘境』の絡み合い。やはり、地の人々の息づく空気感が愛おしい。ただ1人で誰にも会わず、人との関係を育まずに行く秘境は面白みが軽減する。
    『秘境』とは身近にあったのに何故か行かなかったところでもあるんだ。

    同じルートで行くのは難しいだろうけれど、この地へ行きたくなった。そして、そこで私は何を思うだろうか。

  • 著者が昭和30年代に旅した紀行文。
    地図や地名だけを見ると、現代ではすっかり観光地化され、大勢の観光客が訪れているイメージだが、ググってみると、平成も終わろうかという現代でも『秘境』性を失っていない場所もあることに驚く。自分で行ってみようとは思わないが、あの時代の世相と、変わるものと変わらないものを幻視させる紀行文だった。
    それにしても登山や山歩きが好きな人のバイタリティは凄いものがある。行き先を見ると、とてもじゃないが公共交通機関で向かおうなんて思わない場所ばかりだ……離島はしょうがないとしても、自分なら間違いなく車ベタ付けという選択肢しか無いわw

  • 岡田喜秋氏の書いた本を少しでも読みたくて借りた。
    今度時間が有れば読みたいと思う。

  • 今の日本に秘境はあるのか?と思いながら読了。

  • 2016.10―読了
    終戦から十年、昭和30年から35年にかけて、
    雑誌「旅」の編集者であった著者自身が、
    自ら選りすぐりの、日本各地の秘境を廻った紀行文だけに、興味深く読ませる。

  • 昭和30年代、日本各地を旅した記録の本。とても旅に出たくなる。
    現代ほど交通網も整備されておらず、ましてや飛行機・新幹線などいう時代ではない。何日もかけて、あるいは一日にたった一本のバスを乗り継いで、誰も訪れない場所に行った話ばかり(現代では簡単に行けてしまうところが大半だが)。
    岬というのが軍事上大きな意味を持っており、戦時中は立ち入り禁止だったというのが、なかなか興味深かった。
    また、山関連の話はなかなか読み応えがある。

  • 昭和30年前後、日本に残っている秘境を旅する本。

  • 2014/12/27購入
    2015/1/11読了

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著者プロフィール

1926年、東京生まれ。『旅』編集長を経て紀行文作家に。著書に、『秘話ある山河』『日本の秘境』『山村を歩く』『旅情百景』『山の奥岬の果て』『旅する愉しみ』(第24回交通図書賞)

「2014年 『旅に生きて八十八年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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