北極圏1万2000キロ (ヤマケイ文庫)

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 161
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635047692

作品紹介・あらすじ

極北の村シオラパルクでの極地生活と犬ゾリのトレーニングを終え、植村直己が次に向かったのは、グリーンランドのヤコブスハウンからアラスカのコツビューまで1万2000キロにおよぶ途方もない犬ゾリ行だった。ブリザードに行く手を阻まれ、ソリを海中に落とし、白熊の恐怖におびえ、食糧不足と重労働でハスキー犬たちを次々に失ってしまう。それでも1年半をかけて完全走破した、植村直己の不滅の記録である。

感想・レビュー・書評

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  • 「北極圏1万2000キロ」植村直己(著)

    1979年7月 文春文庫 刊行

    2014 2/5 初版第一刷発行 (株)山と渓谷社
    2019 4/25 第ニ刷発行

    2020 8/11 読了(再読)

    ずーっと氷と寒さと犬と食料で苦労し続ける植村直己の日記。

    ひとりで犬橇を使ってグリーンランドからアラスカまで2シーズンかけて1万2000キロを走るって…^^;

    何度も何度も命の危険に晒されるんだけど
    無事な事は決定しているんで
    こっちは安心して読めます。

    この冒険に出発した1974年は公子さんと結婚した年でもあるのにもかかわらず
    本書中に2度ほどしか書かれていない始末^^;

    しかしながら
    リーダー犬のアンナが出産し
    後半の旅に連れて行った子犬「コンノット」を我が子のように可愛いがったり

    極地に住むエスキモーを敬愛する植村の姿を
    愛さずにはいられません。

    この後さらに
    犬橇で北極点到達。
    グリーンランド縦断。

    その後ついに南極大陸に挑戦!

    …まあ結末は皆さんご存知の通りです。

    久しぶりに植村直己冒険記を4冊ほど読みましたが
    輝きに満ち満ちた青春記でした。

  • スケールが本当にすごい。犬がすぐ死ぬのとものをすぐ失くすのが特に凄いと思った。興奮して植村直己冒険館に行ってしまった。

  • 凄いというか素晴らしい。
    植村直己さんの作品はどれも素敵で、後世に残すべき偉業がこうして文章として読めることに感心します。

    山を噛っている人間からすると植村直己さんの作品を読む度に時代に嫉妬する。
    ただそれは楽しそうに満足そうに冒険している様子から、自分もこの時代なら出来るんじゃないかと錯覚してしまうだけであって植村さんでしか成し遂げれないことだと思います。
    そう錯覚させてくれる文章も移入しやすく、本当に凄い人なんだといつも感じます。
    こんなことが出来たら幸せなんだろうなと思う反面、何を犠牲にすれば成り立つのかと深く考える自分がいました。

  • 1974年から一年半かけて、探検家の植村直己さんがグリーンランドからアラスカまでの12,000kmを犬ぞりで走破した探検記。

    エベレスト登山であれば、その大変さを山形蔵王スキー場の頂上で吹雪かれた時よりも大変だということが想像できるけど、北極圏を犬ぞりで走破するという大変さは、うちの犬の散歩ごときでは想像が難しい。

    どうやら冒険のためには、10頭前後のエスキモー犬の食料確保のためにアザラシやカリブーを仕留められなければ、生きるために犬たちを共食いさせなければならないという極限の世界。うちの犬が散歩の途中で雑草を食べることを「サラダバー」と呼んでるのとわけが違う。

  • グリーンランドの南西部ヤコブスハウンからカナダを経由し、アラスカ州最西部のコツェビューまでの12000kmを犬橇で単独走破した記録。google mapで調べてみると改めてその凄さが分かります。

    もはや紀行文という枠に収まるものではなく、冒険譚といってもよいくらい読み応えがありました。

    道中何十頭もの犬との出会いと別れが繰り返され、旅の過酷さゆえに歩けなくなった犬を見捨てながらも橇を進める場面には都度心が痛くなりました。

    旅の前半では容赦なく犬に鞭を振るう場面も見受けられましたが、特別に情を注いでいた仔犬コンノットを亡くしてからは明らかに犬たちに対する意識が変わっており、これまで旅を共にしてきた犬たちへの感謝と懺悔を述べる記述が増えていたのが印象的でした。

  • 図書館

  • 南極単独横断のための準備としてグリーンランドでエスキモーと暮らした日々の記録。まねのできない行動力と不屈の精神で難関を超えていくが、自慢することなく飄々とし書いていることがまたすごい。本当に芯の強い人なんだと感じる。誰と接しても見下したりすることなく仲良くなっていく姿は偉大な冒険家というよりも偉大な人徳者の生きざまのよう。文章なのに生き生きと植村直己やエスキモーの暮らしが浮かんできてどんな映像よりも臨場感がある。

  • 植村直己さんの1年半におよぶ壮大な犬ゾリ旅の記録です。
    想像すらできないマイナス30℃を超す寒さとの戦い、食糧不足、大切な犬たちの逃亡そして別れ、防寒具や装備の紛失等々、次々と起こる困難に立ち向かう姿に引き込まれました。
    そして拠点ごとに出会うエスキモーの人たちから犬ゾリ旅や狩猟技術を習得させてもらうこと、何より数多くの出会いに助けられることは、次々訪れる困難とは相反するできごとでとてもあたたかい気持ちになりました。
    この壮絶な冒険記録から、勇気、忍耐、決してあきらめない心、乗り越える力...様々なことを学ばせていただきました。

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