ドキュメント 単独行遭難 (ドキュメント遭難シリーズ)

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 162
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635140195

作品紹介・あらすじ

重傷を負い、あるいは道を失って山中にただひとりあまりに重い"自由の代償"死亡率2倍の単独行遭難の実態。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の取材力に感服させられた。
    遭難に遭われて取材を引き受けて下さった方も色々葛藤があったのだろうと思うが、取材を引き受けて下さったおかげで内容の濃いものになっている。ありがたい。

    本書は、単独行での遭難事例を道迷い、怪我、熱中症、下山遅れによるもの、等 7件紹介している。
    著者が同じ場所に行き取材していることと、遭難被害に遭われた方の声が載っていることで、よりリアリティが増している。
    特に、遭難に合った時の心情が本人の言葉で書かれているのは、読んでいるだけでドキドキするほど怖かった。

    どうすれば良かったかの考察もあり、登山をする人にはぜひ読んで欲しい本。

    秩父・両神山で二週間後に発見された男性の話、北アルプス・徳本峠のセルフレスキューの冷静沈着さ、加越山地・白山でのコースタイムの勘違いからの熱中症の話、尾瀬ヶ原での下山遅れによる遭難の女性の話が印象深かった。
    尾瀬ヶ原の女性の単独行についての考えは、自分も共感することが多かった。

    自分も、大した山にはまだ登らないものの単独行での登山が好きなので、登山届や、登山途中での地図の確認、道に迷った可能性があれば自分を過信せず引き返す、等できることから徹底したい。

  • 滑落での怪我の描写でひぃーっとなった
    2週間も怪我して、食べずに遭難
    よく生きていたなぁ
    道に迷ったり、滑落した後の行動や考え方が、皆
    しっかりしている
    こんな風に準備していても、遭難する可能性がある
    気を引き締めよう
    単独行が魅力的でやめられないのは、同意です
    登山届は絶対に出そうと思いました
    誰にも発見されないのは怖いです

  • リアル。咄嗟の判断が運命を分ける。
    私の鈍い日常でも、そういったことが少しずつ私の運命を動かしているのだろう。

  • 一人ひとりのケース別に遭難体験が描かれている。
    山を舐めてはいけないと強く再認識させられる。
    不謹慎だが、文章が上手いので迫真のエンターテイメントとしても読める。

    140329_追記
    1週間前位に読了。
    面白かったけど、地名は読み方がわからないし、地図の読み方少し解説して、なおかつ出てくる地名とリンクしてくれたら、なお良かった。

  • シリーズものを続けて読んでいるので、どうしても感想が似てきてしまうが、こちらも最後まで楽しく読んだ。日常で体験することのない、生への執着を感じられるドキュメントだからこそ、惹かれるのかもしれない。ちなみに登山は一度もしたことはない。

  • 自分と比べれば遥かに立派な装備と計画で準備されていたのに突然に壮絶な死の淵を彷徨うこととなり、そこから強靭な生命力で生還する様が迫真的に描写されている。
    無計画な自分が今ここに命脈を保っていられるのは単なる偶然の幸運なのだと戒められる。

  • それはそれで、その人の単独行のスタイルなのだから、とやかく言うべきことではない。

  • 気象遭難、滑落遭難を読み、こちらも読むことに。
    今回は単独行なので、遭難の原因は色々あり、また一人で対処しないといけないし、どうなるんだろうと読み進めた。
    二週間近く遭難していた話は読み応えがあった。

  • 山を知らないわたしだが、あたかも自分が体験しているかのように一気に一晩で読めた。ヤマケイ文庫で加藤文太郎の『単独行』を読んでいたのでソロ登山の遭難について興味があった。

  • 読物として一定以上の面白さはあるが、やはり著者の「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか?」と比べると内容が浅くて物足りない。

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著者プロフィール

1961年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている。おもな著書に『ドキュメント 生還』『ドキュメント 道迷い遭難』『野外毒本』『人を襲うクマ』(以上、山と溪谷社)、『山の遭難――あなたの山登りは大丈夫か』(平凡社新書)、『山はおそろしい――必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『山のリスクとどう向き合うか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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