ウルトラライトハイキング

著者 :
  • 山と渓谷社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635150248

感想・レビュー・書評

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  • 「自然とつながる」という考え方をベースとした、ベースウェイト10ポンド以下でのハイキングを「ウルトラライトハイキング」と呼ぶ。日本では2000年頃から紹介され始めたそうだが、自分自身はこの本で初めて知った。
    本格的なハイキングは決して生半可なものではなく、アメリカでは数千キロメートルの行程を何ヵ月もかけて縦走する。スケールが違う!しかし、日本でも数百キロメートルの縦走レースがあるくらいだからスゴい。
    そんなハードなハイキングをするつもりは毛頭ないのだけれど、やむを得ないビバークを考えたら、この本に書かれている知識は参考になる。特にレインウエアについてはまだ持っていないということもあるので、早めに入手しないと、という意識付けにもなった。
    また個人的には、休憩時にコーヒーを楽しみたいという強い願望がある。ただし、湯沸かしって重くなるんじゃ…と思っていたので、最低限の湯沸かしの紹介が印象に残った。
    当然のことだけれど、読了後山に行きたくなる一冊。

  • ウルトラライトハイクの入門書…参考になる。

  • 面白い!カブスカウトからボーイスカウトまでを経験して来たが、最新のハイキングの概念はここまで来たのかと衝撃を受けた。重いザックに重い登山靴を履いてひいひい山を登るのではなく、荷物を最低限とし靴はランニングシューズのように軽いトレイルランシューズを履いてサクサクと登る。荷物が軽いと景色も楽しめる。
    近年のトレイルラン人気からウルトラライトハイキングに人が流れれば山はもっと賑わう。じじばばと変人だけの為の山はもったいない。若者よ、山はキツくない、インスタ映えだってある、山に登ろう!

  • ライトハイキングとは、装備が軽量化されたハイキングですが、それを極限まで絞り込んだ形がウルトラライトという考え方で、現在世界中の多くのハイカーがウルトラライトを目指しているということです。

    長距離を歩くには、身につけるものと泊まる装備と食料が主を考えなければなりませんが、これらはつまり衣食住であり、衣食住をライトにするという考え方は、いわゆるミニマリストという生活スタイルにもつながるのだと感じました。
    より快適な生活を求めれば、多くのものを抱えなければなりませんが、ウルトラライトやミニマリストは切り捨てられる余地を考えるのだと思います。

    それは、衣とは、食とは、住とは、という既成の概念にとらわれず、代用できるものを探したり、なくても良い機能を探すことなのだと思いました。

    過剰に溢れるものや多くの機能を備えたもの、一部のことしかできないものなどを見直していくことが、これからのボクらのライフスタイルなのだと感じました。

  • ULH の入門書として最小限の重要なことが完結にまとめられている。フィロソフィーを崩さず、最後までHowに拘っているのが小気味良い。いわゆるバックパックとの違いを理解できた。
    商品宣伝色は一切なし、ULHのゴールがどんなリスクマネジメントを必要としているのかが明快だ。3版まで来ているのもうなづける。宣伝色を消すために具体的なギア紹介が省かれているがそんなグッズが必要で情報源はどこにあるかは簡単でよいから記述して欲しかった。勿論シリーズでギア編はあるのですがウルトラライトパックということで

  • 三鷹のハイカーズデポは、行きつけのカフェの隣。ここでファイントラックのツェルトも手に入れた。そのオーナーが書いた本。ウルトラライトハイクのバイブル。このところ、そのスタイルもどきで山に入るので重い荷物は持てない。
    確かに荷が軽いと様々な行動範囲が広がる。
    そして、ロジティクスやタクティクスを考えるのも楽しい。
    さあ、今年はこれで南アルプスを縦走しよう。

  • 星四つ

  • やってみたい

  • ウルトラライトをやる予定はないけれど、この本を読んで部分的に取り入れるのは良いことだと感じた。
    また、ウルトラライトの目指す処が「ローインパクト」である点などは、非常に共感できた。

    実際にウルトラライトをやるとなると金銭的な問題がでてくる。
    あんなに高価な道具は、そう易々とは買えない。
    自分のやりたいことは、ウルトラライトとトレランの中間辺りの「スピードハイク」などだと思った。

  • ウルトラライトハイキングは自然へのインパクトの軽減と分散という哲学
    何を持って行かないか

    エマおばあちゃんの装備 スニーカ、簡易クッカー、シャワーカーテン(テントとして)、肩掛け袋(バックパックとして)、レインケープ(雨具とグラウンドシートとして)、軍用毛布(寝袋)、安全ピンと針と糸

    トリプルクラウン アバラチアントレイルAT3500キロ2ヶ月と28日、コンチネンタルトレイルCDT4700キロ3ヶ月と3週間、パシフィッククレストトレイルPCT4200キロ3ヶ月と4日、レイジャーディン

    ベースウエイトは4~5キロ、自分で測ること。
    バックパック、シェルター、スリーピングバック、マットの3大アイテムで2.5から3キロ目標
    針と糸、安全ピン、ダクトテープは修理のための必需品

    ひとつの道具を多用途につかう 
    ・レインウエアとバックパックカバーとターフとグラウンドシート、
    ・タオルよりバンダナのほうが多用途でかさばらず乾きやすい
    ・インサレーションウエアは寝具として寝袋と併用する
    ・背面パッドの代わりに寝袋でパット機能を

    キャリング900g、スリーピング1600g、クッキング400g、ウエア(防寒、
    雨対策、最低限の着替え)1200g、アクセサリー(非常、救急用品など)
    合計4800g

    バックパックの重量は総重量の10~15%、ベースウエイト5キロ、水食料4キロ、合計10キロ以下、バックパックは1キロ以下容量40~50L

    シェルター、結露と付き合う、ガイライン(張り綱)ダイニーマライン2ミリ、
    テンションが重要、テンションをかければ雨水に耐える、傘と同じ

    ウルトラライトシェルター テント600g~1キロ、フロアレスシェルター300~600g、ツェルト300g台ただしテンションをかけられないので雨対策が必要、フロアレスシェルターまたはツェルトがお薦め、自然を感じる不便さも楽しみと考える

    スリーピングマバッグ&マット 1キロ以下 ダウンジャケットなどを併用する、
    フォーマットを自由な大きさにカットする、バックパックの長さに合わせてカット、長さは90~120を基本、小さいものをつぎたす、

    ローカットブーツ、防水性のないもの
    ピッチを異分間に100前後に維持して、小さな歩幅であるく

    レインギア 低温高温は3時間で生存が困難になる ゆっくり動き続けて体温を下げないこと、レインウエアに期待し過ぎない
    レインジャケットパンツの目安は各300g、森林限界以下であればポンチョやケープも。強風に弱いので稜線では注意。
    レインジャケットは持っても、パンツは持たないことも。トランスジャパンアルプスレースなど。その場合の下半身用としてレインチャップスとレインスカート。傘も有効、日傘として、料理中の風よけ

    ウインドシャツは撥水性はあっても耐水性はないので水は染み込む。しかし風よけ、温度調整、蒸れにくい、日よけになる、乾きが早い、点から山シャツの代わりに。フリースは暑いがTシャツでは寒いとき。

    インサレーションウエア 化繊綿という選択肢 雨に強い ダウンは雨には弱い 薄手のモデルなら性能差はあまりない

    一日4500~5000kcalが必要 重量は一日500~600g
    朝食100g400kcal、行動食250g1150kcal、夕食150g550kcal
    フリーズドライ食品、スープ、ナッツ類、ビーフジャーキー、

    ストーブ&クッカーは最低200mlの湯沸し
    アルコールストーブ、固形燃料ストーブは燃料の計算がしやすい
    一人分の湯沸し専用、風に弱いのでウインドスクリーンとの併用が必須
    ウルトラライトクッカー400ml程度が実用的

    ウオーターコンテナ 水は通常時2500ml、最低1200ml
    8時間歩行で2400ml、調理で1200ml、約一日あたり4L
    最低でも2Lのコンテナが必要

    ハイドレーションは、折りたたみ水筒に接続するほうが軽量
    バックパックの専用ポケットでなくて一番上でもいい、入れ替えが楽
    ウオーターコンテナは複数持つ
    山の水の浄化、バンダナで漉す、フィルター濾過、浄水機能がついた水筒、予備のウオーターコンテナの役割も果たす、浄水剤はエマージェンシー用として

    直射日光を避ける、夜はあるかない、ふたつの休憩(給水のみと大休止)
    地図と方位磁石、
    豆と靴擦れの防止 ソックスを脱いで足を冷やす、乾かす、異物は取り除く
    ゲイターの活用

    パッキングの重心に注意する 上部へ。圧縮しない、小分けにしない
    雨対策としてパックライナーとパックカバー、
    サコッシュ、ウエストポーチ、フロントバッグなどのサポートバッグを活用

    防臭と動物対策 朝は行動食を取って日が昇ってから朝食という手もある

    スリーピングバッグの中の湿気は、出たらすぐに足元からたたんで
    空気を追い出す
    横向きで寝ると地面との接触部分が少なくなるので防寒対策になる
    ジャケットタイプの防寒着を後ろ前に着る
    ニットキャップ、ダウンソックス、ネックゲイターなど
    横になるだけで休んでいるので眠れなくても心配しない

    濡れたシェルター対策 嵩張るので収納するスタッフバッグは大きめのものに変える、他のものを濡らさないよう防水スタッフバッグなど、
    フロアレスシェルターやタープならバックパックに括りつけて乾かしながら歩く
    スリーピングバッグは濡らさない、ダウンのため、これがぬれたらお手上げ

    ナイフよりハサミと爪切り
    ファーストエイドキットは必ず必要 靴擦れパッド、テーピング、ハサミ、
    減菌ガーゼ、胃薬、絆創膏、とげ抜き、鎮痛剤、リップクリーム、軟膏
    リペア&バックアップ ダクトテープ、針金、2ミリダイニーマコード、ナイロン糸と針、安全ピン
    火をかかさない ライターとファイアースチール(火打石)、ティンダー
    ライターが濡れて使えないことがある
    スペアの衣類は、着ているものを乾かしながら使うので持ち歩かない
    温泉から上がった時にきるもの1組、防寒着なども活用できる、ソックスを優先。着たまま乾かす
    水を凍らせない、ハイドレーションのチューブなどは凍りやすい水抜きが必要

    バックパック800g、バックライナーまたはカバー90g、
    寝袋500g、マット200g、シェルター800g、ペグ等60g、グラウンドシート100g、
    スペアカットソー150g、スペアソックス2組90g、ウォームハット60g、
    インサレーションウエア300g、レインギア400g、ウインドシャツ100g
    ストーブ45g、ウインドスクリーン20g、フューエルボトル20g、ライター2個30g、マグポット100g、スプーン15g,ウオーターコンテナ2-トラックバック -コメントん60g
    ライト90g、マップケースコンパス50g、ファーストエイドキット100g、トイレタリーキット(タオル歯ブラシペーパー他)250g、エマージェンシーキット(ホイッスル、ハサミ、リペアキット他)190g、ノート&ペン30g、財布30g、

    +α サポートバッグ(フロントバッグ、サコッシュ、ウエストポーチ)
    ウオータートリートメント、カメラ、傘、クランボン、ネックゲイター、バグネット、サングラス、GPS

    歩行中のカッコ
    アンダーウエア、ハットまたはキャップ、カットソー、パンツ、シューズ、ゲイター、ソックス、トレッキングポール、グローブ、時計

著者プロフィール

1971年埼玉県生まれ。大学探検部で山を始める。
アウトドアショップバイヤー時代にアメリカでウルトラライトハイキングに出あう。
2008年、ジョン・ミューア・トレイルスルーハイクののち、東京・三鷹にウルトラライトハイキングをテーマにした店「ハイカーズ・デポ」をオープン。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著書に『ウルトラライトハイキング』(ヤマケイ文庫)など。

「2021年 『“無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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