生還: 山岳遭難からの救出

著者 :
  • 山と溪谷社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635178167

感想・レビュー・書評

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  • ここまで毎日遭難事例をせっせと読んでると、
    遭難の話に慣れてくると言うか、
    つまり、中だるみって感じの、非常に良くない時期!

    しっかり気を引き締めて頂戴!

    (ま、特に山に出かけていく訳でもないし
    どうなることもないのだけれど…)

    今回のこの本で勉強になったことは、
    山の天気は変わりやすく、
    特に日が暮れると突然荒れることもあるから、
    早め早めの行動で、午後3時までには必ず
    安全な場所へ落ち着きたい、と言う事。

    また、気温が大変に低いとライターで火をつけることが
    出来なくなるとのことで、冬山へ訪れる際には
    必ずマッチ(そしてロウソク)を持参、と言う事。

    今までの勉強により得た知識

    地図とコンパスで現在地を常に確認する。
    (大前提として地図をちゃんと読めるようになっておく)

    ちゃんとした雨具(手入れを怠っていて雨具を着ながらずぶぬれになって
    低体温症になった人がいました!)、ビバーク用品(ツェルト、マット)
    マッチ、ロウソク、笛、ヘッドランプ、ファーストエイドキット、予備の食料を持参。

    とくに、救助されたりあるいは遺体で収容された際の、
    「ビバークする装備を持っていなかった」と言う記述には
    かなりの当たりの強さをビンビン感じますです。

    そして、

    おかしいな?迷ったかな?と思ったらすぐに引き返す。
    (これが大事)

    迷ったら尾根を登り、沢は降りない!
    (これも同じくらい大事)

    本格的に迷ったとなったら、むやみに動かず
    安全な場所で救助を待つ。
    (これも大事だねー)

    そもそも、行先(ルート)について、
    登山計画書の提出と家族など周りの人に詳しく話しておくこと。
    (これがやっぱり一番大事かなー)

    中学生の時、修学旅行で山登りがあった。

    私はなぜか、学年一美人でヤンキーのクラスメイトMちゃんと
    一緒に並んで登ることに…

    登ってしばらくしたら、
    クラスの子が汗だくで青ざめて、
    先生に付き添われて下山してきた。

    皆がざわざわする中で、そのMちゃんは一言、
    「やっぱさぁ、山をなめてるよね」

    う~ん、そうかも知れなーい!

    登山される皆様、
    山をなめることなく、自分の体力、技術を過信せず、
    色々気を付けて、今日もご安全に!

    この作者の羽根田さんは、
    先日読んだ遭難者に対しかなり怒っていた遭難本の人とは違い、

    「今回のここは良かった、ここが良くなかった、
    こうなったらこうした方がよい、
    判断が悪かった思えるけれど、結果よかった」などなどと
    落ち着いて厳しくも優しく教えてくださるので、
    こちらも「はーい」と
    しっかり言う事ききたくなります。

  • それぞれの遭難と生還までの様子が非常に興味深い。じっとするのがいいのはわかるが、今はGPSが手軽に使えるので少し状況はいいかなと。ともあれ家人にどこ行くかはちゃんと伝えて行こうと再度思った。遭難を抜いても色んな山行スタイルが紹介されててそこも面白かった。

  • 遭難し救助された方を取材して書かれた7篇のドキュメンタリー。どうして遭難してしまうのか?まさに運命のイタズラ?遭難するも遭難しないも運次第に見えてしまうが、道に迷ったら来た道を戻る。おかしいと思ったら直ぐに戻る。戻れないなら動き回らずにその場で待つ。が助かる道か。

  • 五年ぶりぐらいに再読。
    筆者駆け出しの頃のものだが、「疲労凍死」という言葉が使われていたのが、今との違いとしてあらためて感じられた。

  • 山で遭難し、無事生還した人たちの話。
    いかにして遭難に至り、いかにして生き延びたのか。
    そういうことが知りたくて読んでみた。
    エグい話もあるけど、勉強になった。

  • 冷水をかけられたような気分になるが、周りが、もしくは自分が見えていないときには幾らでも冷水をぶっかけられたほうがいいのだ。

  • 軽く読めるおもしろい本だった。
    と書いたら、生きて帰ってこられた方々に申し訳ないのだけども、
    日本の山岳遭難の中で、「奇跡的に生き延びて戻ってきた」事例7つにスポットをあて、
    本人の証言をもとに詳細に事件を再現し検討する内容の本である。
    1つでも足りない要素やよけいな要素があったらその人は助かっていなかっただろう、
    と思われるような奇跡的な生還への道が描かれている。
    実際にいつか遭難するとしたら、この本を読んでる読んでないでは、
    かなり生存率が違うのではないかと、まじめに思いました。
    有名な「マヨネーズだけで17日間」の事例も載っていた。
    最近山をはじめたばかりの中高年にはとくにオススメ。

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著者プロフィール

1961年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている。おもな著書に『ドキュメント 生還』『ドキュメント 道迷い遭難』『野外毒本』『人を襲うクマ』(以上、山と溪谷社)、『山の遭難――あなたの山登りは大丈夫か』(平凡社新書)、『山はおそろしい――必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』(幻冬舎新書)などがある。

「2023年 『山のリスクとどう向き合うか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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