モンベル 7つの決断 アウトドアビジネスの舞台裏 YS002 (ヤマケイ新書)

著者 :
  • 山と渓谷社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635510066

作品紹介・あらすじ

「登山家は怖がりだ」だからこそ、晴天でも雨具を持ち歩き、日帰りの登山にもヘッドランプを必ずザックに忍ばせている。命がけの「リスクマネージメント」は、まさに会社経営にも通じる。未来を想像し、憂えるがゆえに下した著者の「7つの決断」、その一つ一つを紹介。モンベル創業者が語るアルパインスタイル的経営哲学。

感想・レビュー・書評

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  • 登山が趣味の私。モンベルにはお世話になっているので、地元の図書館にて本書を手に取ってみた。
    なにかと、創業者ものに弱い私だ。2代目などにはあまり興味が湧かない。私にとっては、創業者が書いた、ということが重要なのだ。

    辰野勇。
    オリジナルブランドのアウトドア用品を販売するメーカー、モンベルの創業者だ。
    『モンベル 7つの決断』と題される本書。若かりし日々の活動、仕事に対する思いから始まり、モンベルの沿革について、決断というテーマで書かれている。

    会員向けイベント『モンベルフレンドフェア』というものが日本の各地で開催されている。大阪で開催される際は私も足を運ぶことがある。かなり高い確率で会場に辰野さんがおられる。会場での講演もあるので、何度か実際に講演を拝聴させて頂いた。
    とても元気で、モンベル大好き!すごいだろ!という自信が溢れ出ている印象だ。

    本書でも、事業の拡大の軌跡が語られる。
    とてつもない、野心と情熱。そして冒険心、決断。本から熱が発されているのかと思えるほどのパワーを感じる。
    取引先との決別や無慈悲な決断。そこでは信用や裏切りが目まぐるしく繰り広げられてきたのだろう。自分本位と言えばそうなのかもしれない。とにかく自己実現に燃えているのだ。敵も多かっただろう。失望もされ、バカにもされただろう。
    ところがモンベルの規模が大きくなってくると『この人は強い』と思わせるものがあるのだ。

    今では初心者も、直営店で店員さんに相談しながら、道具を吟味できる。当時のアウトドア用品はBtoB。要は、メーカー→商社→小売り店の形だ。末端の客はメーカーとは離れたところで製品を手にすることになる。
    モンベルの発展において重要だったことは、メーカーが製品の性能を、直接客に売り込むことが出来、客も作り手から製品の解説を聞くこと出来たことである。直営店でBtoCに切り替えたことは本当に素晴らしいと思う。モンベルの成功は、ユーザーへ直接働きかけたことにある。

    現在は会長職をされている辰野氏だが、これからも表舞台で元気にやってほしい。
    日本のアウトドアスポーツを支えるメーカーを作った偉業を称えたい。

    読了。

  • ビジネスに必要な力、「集中力」「持続力」「判断力」そして「決断力」。

    正直自分は、集中力、持続力、判断力、いずれも次第点以下がいいところだろう。なので辰野さんと違ってビジネスでは成功の蚊帳の外だし、有名学校にも縁がない。。。

    ただ「決断力」に限っては(たとえ実際不足してたとしても)決してそれが劣っているなどとは口が裂けても言えない。決断力こそ人間の器そのものであって、またカッコよさの指標であると思っている。
    決断力を発揮するにはそれ以前にそれを発揮するフィールドに身を置くように行動することが同時に必要不可欠な重要アクションだと思う。
    本書とは関係なく、自分に最近色々な出来事が起こっていたりするのだが、ここ5年、いや10年?すっかり殻にこもっていた生き方をしていたことに気づき、反省と気づいてよかった安堵をなんとも複雑な気持ちで感じていたりした。

    そんな中で本書を読んで気づいたキーワード「決断力」、もっと視野を広げなければっ...!


    (著者の本「軌跡」と被るが、本書に最も感銘を受けたのは”8章”と”おわりに”かもしれない。もし自分が社長になったら絶対支持したいといえる内容であった。)

  • 購入後、前半を読んで積読だった本。
    後半がよかった。モンベルクラブ会員が日本全国のアウトドアフィールドで歓迎してもらえたら素晴らしいというフレンドエリアのコンセプト。割引が受けられるなど知ってはいたが、そんな思いから生まれたものとは知らなかった。
    岳人も表紙が変わったな、と思っていたらモンベルが引継いだ事業だったとは。
    自分の仕事も含め大量消費でしか回らない今の経済って何だろうと思っているのだけれど、いい社会やいい未来って創造すること出来るかもしれない、と思えた。個人の活動にはやはり影響及ぼす範囲に限界があるかもしれないが、企業で活動することで夢はもっと実現しやすくなる、そんな感じ。
    創業者が語る言葉は夢や希望があっていい。

    2019.3.25

  • 私自身モンベルはクラブ会員だしよく利用しているが、創業からの変遷はあまり知らなかった。創業者の登山経験に裏打ちされた判断力や決断力は会社経営においても重要なのだと理解できた。使い古された言葉だけれども、行動を起こさなければ未来は変わらない、はじめの一歩が大事と再認識した一冊。

  • モンベルは奇をてらうことなく、堅実なイメージがあります。しかし、実際はチャレンジの連続再生であったのがわかりました。

  • モンベル創業者の決断力が書かれている。
    今流行りのリーダーたちとは違った良い意味で古臭く泥臭い経営。
    しかしなんだかこの経営組み立てが好きになる。

  • 2023/11/23
    さあ、行こう!

  • 経営者として学ぶべきことが多い一冊。モンベル会員が社会から支持されているかのバロメーターという考えは納得。

  • 辰野さんは登山で経営に必要な決断力を身につけられたんだなと思いました。先を見たリスクマネジメント、即座の決断力。何事に関しても、一流の人は違う分野でも才能を発揮される気がする…。
    ・資金ゼロでもタイミング重視で起業
    ・世界へ
    ・パタゴニア(下請け)との決別
    ・直営店(流通革命)
    ・価格リストラ
    ・モンベルクラブ
    ・アウトドア義援隊
    ・山岳雑誌発刊
    行動するエネルギー頂きました!

  • 辰野さんの仕事(モンベル)に対して下した決断についてがとてもわかり易く書かれた本でした。
    人間が生きていくうえで最も大切なことは決断力であるという顧問弁護士の発言から、本書はスタートする。
    決断とは、「将来を見据えて、あえて困難な道を選ぶこと」と辰野さんは定義していて、今までの人生で下した7つの決断で構成されている。
    将来を見据えて、というところが刺さった。正直、その場を切り抜ける決断は多々下してきたが、本当に自分の将来を考えて踏ん張った経験が自分にあるかしらと振り返ると、痛いところがある。辰野さんとレベルは違えど、自分が認めてあげられる決断を実行しないといけない。

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著者プロフィール

株式会社モンベル創業者、会長。登山家。京都大学特任教授。1947年大阪府生まれ。少年時代、ハインリッヒ・ハラーのアイガー北壁登攀記「白い蜘蛛」に感銘を受け、山一筋の青春を過ごす。69年アイガー北壁日本人第二登(当時世界最年少)を達成。70年日本初クライミングスクール開校、75年登山用品メーカー・モンベル設立。91年日本初の身障者カヌー大会をスタートさせるなど社会活動にも力を注ぐ。東日本大震災では、阪神淡路大震災以来の「アウトドア義援隊」を組織しアウトドアでの経験をいかした災害支援活動を指揮

「2020年 『自然に生きる力 24時間の自然を満喫する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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