ヒタメン  三島由紀夫が女に逢う時…

著者 :
  • 雄山閣
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784639021971

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。三島由紀夫の生涯唯一の恋をした3年間。そのお相手が赤裸々に当時の様子を回想している。小説はひとりの作者から産まれているので、その作者の経験を知ることはその作品の下地や背景が透けてとても興味深い。

  • ヒタメン(直面)とは、能で面なしで演じること。
    三島由紀夫が、男の素顔を恋人の前で見せた姿を赤裸々に書き起こしたノンフィクション。中江有里の読書日記から拾った2011年刊の古い本が誠に面白かった。
    三島は、金閣寺を書く31歳までは少なくとも女を知らなんだよう。相方が言うのだからホントの事だろう。

  • 昭和29年~32年に三島由紀夫(平岡公威キミタカ)が逢瀬を重ねた赤坂料亭の娘豊田貞子さんの回顧談、それを傍で見ていた湯浅あつ子さんの回顧談をベースに、三島絶頂期から自決事件とその後までの三島由紀夫を語る。花柳界が最後の繁栄を誇った時期、そして梨園との関係、別世界を当然のように語る女性達の言葉には異文化をみる思いがする。

  • 「見出された恋」のドキュメント版。岩下さん独特の文章は、戦後の花柳界そして歌舞伎界を中心とする文化を彷彿とさせて味わい深い。往時の一流どころの雰囲気がそこはかとなく感じられ、知らないのに懐かしい思いもする。
    人は育つ環境によって人格形成されるという当たり前のことを思い知る。シロウトでもクロウトでもない赤坂の一流料亭の娘の若き日の思い出は貴重な昭和史であり、三島由紀夫への造詣も深まる。岩下さんの「仮面」解釈は卓見である。
    イマどき、毎日のように新しい着物や帯などを作らせるなどという破天荒な金遣い、それをきわめて自然にできる娘などいないだろう。局地的な地域の麗しい時代を彷彿とさせる。

  • 友人の勧めで読んだ。全く知らない世界なので、おもしろい。

著者プロフィール

岩下尚史(いわした ひさふみ)
作家
『芸者論──花柳界の記憶』(文春文庫、2009年)、『直面(ヒタメン)──三島由紀夫若き日の恋』(同、2016年)

「2018年 『興行とパトロン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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