社会学 (New Liberal Arts Selection)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (606ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641053700

作品紹介・あらすじ

社会学はあらゆる領域を越境し、リアリティを再構築する。電車のなか、インターネット、スポーツ、学校、会社など、身のまわりの生活にある「社会」を読み解き、関連づける、社会学的アプローチで、私と社会をつなぐもの、社会の成り立ちがみえてくる。現代社会学の英知を結集した、新しい社会学の決定版テキスト。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。教科書として読んでいた時はそんなことを認めたくなかったけど、後になって読み返したら思わず素直になっちゃいました。ポイントがしっかり抑えられてると思うしその説明も具体的で親切。章ごとにお勧めの文献も紹介されているのも良い。有名な社会学者の写真が乗っているのもわりと嬉しい。ヴェーバーはイケメン。
    本は厚い割には手頃な価格だし、厚いゆえに身体のトレーニングにもなるし、厚いからこそいざという時の武器にもなり得るので、まぁとにかくお勧めです。

  • 社会学がどういう学問なのかという興味関心からこの本を手にした。いつものように思う所を抜き書きしてそれを軸としてこの本を読んだ。
    抜き書きを改めてまとめて読んでみると、興味深い。ただし、この有斐閣のニューリベラルアーツセレクションシリーズは心理学関連の方が多岐にわたるので学問としては心理学の方が層が厚いのかもしれない。
    有斐閣のニューリベラルアーツセレクションは、心理学を学んだときに使用したテキストで、心理学は良い本であったが社会心理学、認知心理学は積ん読状態でしばらく読む予定なし。
    心理学は人の行動の科学とすると、社会学はそのまま社会の科学なのかなという感じだ。もちろん社会は人間の集まりであるから、人の集まりの科学ということか。期待していたよりも面白かったので良かった。

    下記引用、数字はページ

    3あくまでも、私を社会のなかに投げ出しながら、そこで眼に映るもの、耳に届くもの、全身をとおして感じ取られるものこそを

    3社会は「自分」から始まり、そして社会はつねに「自分」に立ち戻ってきて終わる。

    4社会学はフットワークの軽さが必要

    4「傷つきやすさ」をつねに受け入れていくちょっとした勇気。

    25他人に迷惑をかけない。

    26プロクセミクス-人間が空間をどのように利用しているか=泡の中で生活

    27儀礼的無関心=一種の演技

    33家族のなかでは逆に礼儀正しくふるまうことが不適切とされている。
    公共空間と親密空間という2種類の空間を発見することができた。

    34勤め人はみじめです(おそらく大多数は)。自分自身の興味は何にあるのかの意識がみつからない、しかたがない。

    37ゲマインシャフト-結合
    ゲゼルシャフト-分離→敵対的行為

    44(電車内での)電話による会話が「擬似的な性的関係」を連想させやすい。

    54自己とは他者の相互行為のなかで生じる社会的な現象。

    人間の相互行為の特徴は、相互行為に参加している人間が自分の言っていることを自分でわかってるというところにある。

    他者の役割のとりいれ。

    相手の反応を取り入れて、同じ反応を自分のなかに呼び起こすことができることによって、人間は自分の行動をコントロールできるようになる。

    59ダブルコンティンジェンシー-二重の条件依存性-相手の選択に依存
    ex)囚人のジレンマ

    61役割期待の相補性……期待に従ってハンドルを左に切る。

    69相互行為論において「自己」のまとめ
    ジンメル、ミード、パーソンズ、ゴフマン

    70自己物語

    79日常生活は、執拗に尋ねたりしない、過度な探索行為には出ないという、暗黙の約束事に従って、互いが適切な範囲内での応答を繰り返すことで、秩序化されている。

    81親と子の間で一定程度の価値や規範の共有があり、共有された価値・規範に基づいてしつけがなされ、コミュニケーションが交わされる場合に、親子間の秩序はもっと安定的である。

    159「文字を書くように話す」人たちは多くの語彙を用いて複雑な構造の文をつくりながら話すため、何が言われるか予測がつきにくい代わりに、いったん言われれば、誰でも正確に理解できる。

    183リストのはじめのほうに出てきた言葉と終わりのほうに出てきた言葉の再生率が高いことが知られている。

    186たとえば、何かを探している最中に、何を探していたのか忘れてしまうことがあるが、そういうとき私たちは探し物を始めた場所に戻ってみる。そうするとたいてい何を探していたのかを思い出すのである。

    188社会学は、記憶を研究するとき、心理学のように被験者の頭の中を覗きこもうとするのではない。社会学は、過去が刻まれた空間や物質の配置、またそれらをめぐって営まれる人びとの活動の編成を観察することを通して、記憶を研究するのである。

    257同一の対象を自然科学的な手法で研究するのか、人文科学的な手法で研究するのか、社会科学的な手法で研究するのか、そのまなざしの差異にこそ本質的な違いがある。

    305センのファーストネームであるアマルティアは「世離れした」「空想好きな」

    319七世紀末の日本国成立

    395COLUMN12-3

    460第2に、そもそも学校に代表される教育という場で「成功」を収めるためには、「学力」以前に、多くの条件を備えていなければならない。たとえば、論理的で文法にかなった話し方、自らの欲求をコントロールし目標に向けて時間を管理する習慣、知的なものに対する興味や関心。

    461自分の責任でリスクを負って、自分の目指すものに先駆的に挑戦する『たくましく、しなやかな個』の必要性が強調される。

    467「分割し、統治せよ」農民や主婦のような「外部」的存在が資本主義システムのなかでいつまでも消滅しない理由を検討したC.V.ヴェールホフは、その秘密を人種、エスニシティなど多様な社会的地位をまたぎながら重層的に引かれた分割線、そしてそれらがもたらす格差形成や階層の複合的作用を明らかにすることは、社会学に課せられたもっとも重要な課題である。

    472FIGURE14-6

    488他者のまなざしを意識せずにはいられない社会それが高度消費社会

    507 10の100乗をさす数学用語「googol」
    から社名がとられた「Google」

  • 【目次】
    はしがき(2007年9月 著者一同) [i-iii]
    著者紹介 [iv]
    目次 [v-xvi]
    本書について [xvii]

    序章 新しい社会学のために 001
    1 知の翼としての社会学 002
    違いからの出発
    「私」から始まる社会の形
    2 社会学の世界への誘い――本書の構成 004
    行為と共同性――「つながり」の仕掛けを知る
    時間・空間・近代――再帰的営みの軌跡をたどる
    差異と構造化――困難と創発の最前線
    3 テキストの冒険――その先への進み方 010
    基本に帰る
    領域を超えて
    社会学の翼に託して


    第1部 行為と共同性
    第1章 親密性と公共性 017
    1 社会を発見するためのレッスン 018
    見えない社会を見る
    ジンメルの教え
    デュルケムの教え
    ウェーバーの教え
    2 電車のなかで社会学 022
    公共空間としての雨車
    電車のなかの「迷惑行為」
    フロクセミクス
    儀礼的無関心
    化粧
    集団的離脱
    親密空間
    下宿人実験
    3 ゲマインシャフトとゲゼルシャフト 033
    「魂のお団子」
    通勤の誕生
    ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
    大都市と精神生活
    4 公共空間の変容 039
    携帯電話
    公共空間の変容

    第2章 相互行為と自己 047
    1 自己・相互行為・社会――ジンメル 048
    糸・織物・結び目
    社会化(社会形成)と個人化(個人形成)
    秘密と信頼
    2 アイとミー ――ミード 054
    渦としての自己
    アイとミー
    自己・役割・制度
    3 行為と表現のジレンマ――相互行為の二面性 059
    パーソンズ――役割期待の相補性
    ゴフマン――ドラマトゥルギー
    役割距離
    4 自己の現在 069
    物語としての自己
    自己の再帰的プロジェクト

    第3章 社会秩序と権力 075
    1 秩序問題と社会理論 076
    1.1 秩序問題とは何か 076
    「ふつう」と「新鮮」との間
    秩序問題とは何か
    1.2 秩序維持の社会的メカニズム 079
    権力による秩序
    利害の一致による秩序
    共有価値による秩序
    コミュニケーション行為による秩序
    2 功利主義とその克服 084
    2.1 ホッブズ的秩序問題 084
    自然状態から社会契約へ
    パーソンズによる批判
    「功利主義」の克服
    2.2 フリーライダー問題と自己決定 088
    オルソンの問題提起
    自己決定性とパブリックへの回路
    3 権力.紛争・ガヴァナンス 091
    3.1 権力とは何か 091
    大文字の権力と小文字の権力
    権力の基礎
    3.2 紛争と法 094
    権力と紛争処理モデル
    複雑性の縮減と複合性の増大
    裁判の特質と法
    市民社会と権利の観念
    3.3 ガヴァメントからガヴァナンスヘ 099

    第4章 組織とネットワーク 103
    1 組織・人間・環境 104
    1.1 マクドナルド化する社会 
    街角の喫茶店vs. チェーン店
    フランチャイズ
    「社会は存在するか」「組織は存在するか」
    1.2 組織と人間  112
    誘因と貢献
    合意と統制
    組織と人間
    1.3 組織と環境 115
    コンティンジェンシー理論
    寡占化のメカニズム――組織生態学モデル
    2 非営利組織の組織論 118
    2.1  NPOとNGO 118
    市民社会と社会関係資本
    NPOとは何か
    2.2 NPOの社会的役割 122
    2.3 NPOの課題 125
    ボランティアの失敗
    非営利組織の評価とインターメディアリ
    3 ネットワークと組織の動態化 127
    3.1 インターネット 127
    中心のない「つながり」――インターネットの歴史と仕組み
    ネットワークと対抗文化
    3.2 ネットワーク化する社会と企業 132
    ネットワークとしての外国為替市場
    パーソナル・ネットワーク
    ネットワーク社会としての現代
    官僚制化と脱官僚制化のダイナミズム

    第5章 メディアとコミュニケーション 137
    1 社会のなかのメディア 38
    メディア空間としての電車の車内
    メディアとは何か
    社会のなかのメディア
    時間と空間の分離
    脱埋め込みメカニズムとしてのメディア
    2 メディアの歴史 147
    メディアはメッセージ
    声の文化
    文字の文化
    個人主義
    ナショナリズム
    公共圏
    テレビの文化
    3 メディアの重層性 156
    重層するメディア
    限定コードと精密コード
    ナショナリズムの変容
    メディア・イベント
    遠距離ナショナリズム
    公共圏の変容
    インターネットと公共圏


    第2部 時間・空間・近代
    第6章 歴史と記憶 171
    1 歴史と社会学――歴史社会学と歴史の社会学 172
    歴史の2つの顔
    歴史教科書論争
    原爆展論争
    歴史社会学
    プロテスタンテイズムの倫理と資本主義の精神
    歴史の社会学
    2 集合的記憶 182
    心理学の記憶概念
    集合的記憶
    現在主義
    記憶の物質性・空間性
    記憶から歴史へ
    生きている歴史
    3 記憶というフィールド 191
    記憶の場
    ワシントンDC
    広島
    記憶の公共圏

    第7章 空間と場所 201
    1 壁に突き当たる近代化空間――「管理」と「再生」の現在 202
    2 社会学の空間体験――近代都市からの出発 204
    「都市」の発見――社会調査から社会政策へ
    ウェーバーと自治的都市の夢
    「つながり/距離」を実現する空間とは―― ジンメルからの展開
    「野生の都市」に秩序を見つけ出す―― シカゴ学派とそれ以後
    3 20世紀という経路――空間はどうつくられてきたのか 210
    郊外社会の変容――理想から迷宮へ
    都心空間の再編――分断される社会と空間
    岐路に立つ地方圏――縮小社会の逆フロンティア
    4 場所を取り戻す 223
    空間から再び場所へ
    場所性を消費する――商品としての場所
    地域への回帰――社会関係資本としての場所
    場所の両義性を知ること
    5 「空間と場所」の社会理論へ 233
    「そこに在るもの」と「そこにないもの」がつくる社会
    空間からの再出発

    第8章 環境と技術 241
    1 技術と環境問題 242
    1.1 「自動車の世紀」としての20世紀 242
    もつとも20世紀的な技術は何か
    自動車の光と影
    1.2 自動車の文化的矛盾 246
    フォーデイズム
    トヨタ――ポスト・フォーデイズム
    1.3 クルマ社会をコントロールできるか 247
    自動車をめぐる社会的ジレンマ
    自動車を規制する手法
    ハード中心の交通政策の問題点
    1.4 自動車の未来 253
    成熟産業の業界再編
    燃料電池車への期待
    フロンと新幹線の教訓
    2 環境問題の諸相 255
    2.1 社会的に構成された自然 255
    自然とは何か
    桜は自然か
    2.2 環境社会学の誕生と展開 257
    日本の環境社会学
    欧米の環境社会学
    2.3 環境問題の諸相 261
    4つの環境問題
    産業公害
    高速交通公害
    生活公害
    地球環境問題と温暖化問題
    地球環境再生
    3 リスク社会としての現代 268
    3.1 リスクとリスク社会論 268
    リスク社会論のインパクト
    グローバル化するリスク
    リスクと危険―― ルーマンのリスク論
    3.2 持続可能な未来をめざして―― リスク社会と開かれた対話 272

    第9章 医療・福祉と自己決定 277
    1 医療・福祉の進展と社会変動 278
    ぴんぴんころりと死ねない時代
    生と死/生者と死者のあり方の問い直し
    2 医療.福祉から問われる現代社会――産業化から福祉国家化へ 282
    医療・福祉の対応が迫られる社会問題
    福祉国家化とその社会学的理解
    3 医療・福祉を問い直す現代社会――〈近代〉への自己反省 287
    福祉国家の有効性批判――中流階層のための福祉国家?
    福祉国家の潜在機能批判――隠れた人間像・社会像の露呈
    福祉社会への方向性とその位置づけ
    4 専門職の管理と献身―― パターナリズムと感情労働 296
    専門職による生活管理
    献身の困難とバーンアウト
    専門性革新の方法―― ナラティブ・アプローチとセルフヘルプ・グループ
    5 自己決定という除路 303
    自己決定への関心の高まり
    自己決定がおかれる場の構造
    自己決定する自己をめぐって

    第10章 国家とグローバリゼーション 313
    1 グローバリゼーシヨンとナショナリズム――ぶつかり合う想像力 314
    グローバル資本主義とテロリスト
    ネーションの起源はどこに
    近代の産物か,それとも永続するものか
    2 「ネーション」日本の創出 318
    「日本」とは何か
    「国民国家」成立の世界史的背景
    「国民」を作り出す――包摂される多様な階層
    想像力としてのネーションへ
    境界の確定と「他者性」の生産
    消費されるナショナリズム
    3 グローバル化する社会を理解する 327
    Think Globally
    人びとはどこかでつながっている
    「グローバリゼーションの社会学」のために
    変化する国家像――セキュリティ,評価,メガ・プロジェクト
    4 グローバリゼーションの先へ 336
    ナショナリズム台頭のわな
    グローバリゼーションを飼い慣らすために
    新しい公共圏の形


    第3部 差異と構造化
    第11章 家族とライフコース 345
    1 家族とメディア――個電化する家電 346
    誰とどこでテレビを見ているか
    家族における
    電話ネットワーク
    2 プライベート空間化する家族 350
    家族分析の基本的概念
    生産共同体から消費共同体へ――衰退と強化の交錯
    (n-1)LDK住宅に潜む近代家族観
    3 〈家族のなかの人生〉という見方の変容 360
    400mトラックの完走としてのライフサイクル
    時代の刻印を帯びたでこぼこなライフコース
    ライフコースごとのライフスタイルの多様化――結婚と葬儀
    4 家族と社会問題 368
    親密な存在ゆえの愛情と憎悪――性愛と暴力
    家族に介入する社会政策
    家族に介入する科学技術

    第12章 ジェンダーとセクシュアリティ 377
    1 ジエンダーから切り開かれた問題領域 378
    ジェンダー理解の登場――その構築性へのまなざし
    性現象の認識の深まり――その3局面
    本質主義と構築主義のアリーナとしての性現象――ジェンダー議論の再設定
    2 性によって分割された社会――ジェンダーの側面から 385
    性別役割分業――公的世界と私的世界
    職業労働と家事労働
    性別コースの再生産と変容――学校.兵士
    3 性愛の陰影――セクシュアリティの側面から 396
    性行為の3要素
    多型化する性の欲望
    性に関わる社会問題
    4 性と生 402
    〈性同一性障害〉が提起するもの
    生殖を超えた性
    男女共同参画社会という方向性

    第13章 エスニシティと境界 413
    1 境界形成と帰属――移動する人間が出会う場所で 414
    焼肉は「エスニック料理」か
    境界という社会的世界――衝突と創造のダイナミクス
    2 構築されるエスニシティ 418
    多民族化する日本社会
    日本社会を開く
    エスニシティとは何か
    3 越境者として生きる――「日本」社会の開き方/開かれ方 423
    移り住むという決断
    住民として居場所をつくる
    生きるすべをつかむ――外国人労働者から定住するマイノリティヘ
    ジェンダーとエスニシティ
    4 互いに異質でありうることの制度化をめざして 436
    世代を超えて――家族・教育・言語
    アイデンティティとシティズンシップ
    「われわれ」の自明性を越えて

    第14章 格差と階層化 445
    1 格差・階層化現象をどうとらえるか 446
    溢れる「格差の語り」のなかで
    格差・階層化への社会学的視点
    2 近代化と階級・階層 448
    所有から階級へ-マルクスの階級論
    地位達成による階層移動――機能主義的な成層論
    戦後日本における「平等化」――その現実と幻想
    3 格差・階層化の新段階 454
    変容する労働の世界
    ポスト.フォーデイズムとフレキシブル化する労働
    グローバリゼーションの影響
    教育という経路の二面性
    競争主義の台頭と「個人化」される階層問題
    格差.階層化の新しいリアリテイ
    4 格差・階層化分析を社会学に取り戻す 464
    格差を構造化するもの
    格差.階層化の非経済的背景
    格差・階層化から集合的主体の形成へ
    再生産される不平等――主体化のわな
    「失敗」へいかに適応するか――冷たいシステムを前にして
    階級・階層論の公共性

    第15章 文化と再生産 477
    1 文化の社会学的位置 478
    スポーツのグローバル化にふる文化
    文化はどこにあるのか
    文化の機能とアイデンティティ
    2 文化の享受と戦略 483
    サブカルチュアの離陸
    高度消費社会と文化
    文化の経済学
    3 文化による再生産と排除 490
    文化の差異性と再生産
    文化的再生産の日本的あり方
    「逸脱」「問題」と文化――ラベルとクレイム
    文化の政治学
    4 社会の存立基盤としての文化 502
    〈世界〉を呈示し統合する宗教
    言語による〈世界〉の存立
    文化論的転回という関心とそのゆくえ

    第16章 社会運動と社会構想 511
    1 革命志向から「新しい社会運動」へ 512
    1.1 20世紀を振り返る 512
    社会学的想像力
    漱石の煩悶
    20世紀を振り返る
    1.2 「豊かな社会」における社会運動の噴出 516
    公民権運動の高揚
    対抗文化と反乱の時代
    1.3 テクノクラートと「新しい社会運動」 519
    若者反乱の時代――1968年前後
    社会運動分析の三角形
    2 市民セクターと新しい公共圏 
    2.1 社会運動の制度化と二極化 524
    2.2 市民セクターと新しい公共圏 525
    市民セクター
    公共圏
    3 社会変革と社会構想のために 530
    3.1 社会学と公共政策 530
    3.2 リスク社会と社会構想 531
    3.3 公共社会学の提唱とその意義 533
    3.4 社会構想と価値 535
    現代社会の基本的価値
    正義・平等・公正
    自由と自己決定性
    博愛と社会的連帯
    持続可能性
    言説の公共空間へ

    引用・参照文献 [543-567]
    事項索引 [569-584]
    人名索引 [585-588]

  • New Liberal Arts Selectionの社会学編。各章とも内容が充実しており読み物として読むことができる。独学で社会学を勉強しようと考えている人の教科書としてもよいと思う。執筆者4人の世代と性別の偏りが、各章で取り上げられている小説・映画にも反映されてしまっている点は残念。

  • 社会学の基本を1冊の本にまとめたもの。

    1冊のテキストとしては多くの理論などをまとめている。このような本があるとわかりやすいような気がする。

  • 個人は社会から影響を受けつつ社会に影響を与える、人は共有しているものによって集団になる、共有していない集団との間に境界ができる、人が集まるとみえない規範や構造が造られ人々がそれによって縛られるようになる、その他諸々

  • 前半の各理論の説明はそれなりに興味深いものの、後半の個別論点については、事実関係と各章担当者の私見を加えただけのように見えてしまいました。社会学とは、そういうものと言われればそれまでですが…。

    また、米国学会における計量分析手法偏重主義批判を紹介していながら、本書においては計量分析に関する説明が一切ありません。「計量社会学」の教科書ではありませんが、偏重されるほど一般的であるのなら、多少の紹介はしてほしいと思います。

  • 勉強会で使ったテキスト。社会学入門書。

  • 自分の興味の裾野がぶわぁーっと広がるのを感じる一冊!

  • 教科書

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著者プロフィール

1954年、山形県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学博士。東北大学大学院文学研究科教授などを経て、現在は尚絅学院大学大学院特任教授、東北大学名誉教授。専門は環境社会学、社会運動論、社会変動論。おもな著書に、『脱原子力社会の選択』(新曜社、1996年、増補版2011年)、『脱原子力社会へ』(岩波新書、2011年)、『新版 社会学』(共著、有斐閣、2019年)『社会運動の現在』(編著、有斐閣、2020年)などがある。

「2021年 『環境社会学入門 持続可能な未来をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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