文化人類学キーワード 改訂版 (有斐閣双書)

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著者 : 山下晋司
制作 : 山下 晋司  船曳 建夫 
  • 有斐閣 (2008年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641058866

文化人類学キーワード 改訂版 (有斐閣双書)の感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    改訂版に寄せて(2008年1月 山下晋司・船曳建夫) [i]
    この本を手にした人へ(1997年8月 山下晋司・船曳建夫) [ii-iii]
    目次 [iv-vii]
    執筆者紹介と執筆分担 [viii]

    第1章 文化人類学の技法とディスクール 001
    01 フィールドワーク 002
    02 民族誌 004
    03 通時と共時 006
    04 エミックとエティック 008
    05 通文化的比較研究 010
    06 進化主義と新進化主義 012
    07 伝播主義と文化圏説 014
    08 機能主義 016
    09 文化の型 018
    10 構造主義 020
    11 認識人類学 022
    12 象徴人類学と解釈人類学 024
    13 生態人類学 026
    14 経済人類学 028
    15 応用・実践人類学 030
    16 医療人類学 032
    17 文化を書く 034
    18 研究倫理 036
    19 世界の人類学 038
    20 日本の人類学 040

    第2章 人間の多様性 043
    21 人間の概念 044
    22 人種と民族 046
    23 日本民族の起源 048
    24 日本人論 050
    25 狩猟採集民族 052
    26 牧畜 054
    27 農耕 056
    28 工業化 058
    29 ジェンダーとセクシュアリティ 060
    30 インセスト・タブー 062
    31 子供 064
    32 若者 066
    33 異人 068
    34 身体技法 070
    35 病気と死 072
    36 衣 074
    37 食 076
    38 住 078

    第3章 文化のダイナミズム 
    39 文化の概念 082
    40 文化相対主義 084
    41 未開と文明 086
    42 声と文字 088
    43 言語と文化 090
    44 分類と秩序 092
    45 時間 094
    46 聖と俗 096
    47 儀礼 098
    48 神話 100
    49 コスモロジー 102
    50 象徴と解釈 104
    51 二項対立 106
    52 呪術 108
    53 シャマニズム 110
    54 アニミズム 112
    55 トーテミズム 114
    56 タブー 116
    57 コミュニタス 118
    58 巡礼 120
    59 モノ,文化,芸術 122
    60 科学技術 124
    61 土着主義運動 126
    62 新興宗教 128
    63 文化の変化 130
    64 文明の衝突 132

    第4章 社会のコンプレクシティ 135
    65 家族 136
    66 出自集団 138
    67 母系制と母権制 140
    68 外婚と内婚 142
    69 交叉イトコ婚と縁組理論 144
    70 親族名称 146
    71 社会構造 148
    72 冗談関係 150
    73 ネットワーク 152
    74 法と慣習 154
    75 贈与と互酬性 156
    76 クラとポトラッチ 158
    77 分節リネージ・システム 160
    78 ビッグマンと首長 162
    79 王権 164
    80 秘密結社 166
    81 都市 168
    82 国家 170
    83 戦争 172

    第5章 現代のエスノグラフィー 175
    84 世界システム 176
    85 植民地主義 178
    86 ナショナリズム 180
    87 教育 182
    88 開発 184
    89 伝統の創造 186
    90 民族文化の語り方 188
    91 観光 190
    92 スポーツ 192
    93 先住民 194
    94 移民 196
    95 難民 198
    96 国際結婚 200
    97 ファンダメンタリズム 202
    98 エスニシティと民族問題 204
    99 人権 206
    100 グローバリゼーション 208

    参照文献一覧 [211-227]
    事項索引 [229-235]
    人名索引 [236-238]




    【抜き書き】

    9 文化の型――個別の文化特有のかたちを,「アポロ型」などの「型」の概念で捉えようとするベネディクトのアプローチ 

    ◆ルース・ベネディクト
     「文化の型」(pattern of culture)は,日本文化論の一大古典として知られる『菊と刀』を著した特異な人類学者,R. ベネディクトが,その古典的著作『文化の型』で論じたものである。同書は文化人類学の領域を超えたベストセラーとなり,当時のアメリカの知識人の間では,ある文化がどの「型」であるかを語ることが流行したという。現在の人類学で,「文化の型」について直接議論することはあまりない。〔……〕
    ◆文化の型
     「アポロ型」と「ディオニソス型」はニーチェのギリシャ悲劇論に由来し,実例はともにアメリカ・インディアンから引かれている。アポロ型とされたのはアメリカ・ニューメキシコのズニであり,〔……〕一方ディオニソス型とされたのは平原インディアン,または西部海岸のクワキウトルである。〔……〕もう1つ取り上げられた「パラノイア型」は精神病理学の用語に由来し,実例は東ニューギニアのドブ島民である。〔……〕
     このような「文化の型」という分析道具により,ベネディクトは「ライトモチーフ」によってまとまる個別文化の「統合形態」(configuration)を,なかばゲシュタルト心理学的に捉えようとした。文化相対主義的傾向を強く持つベネディクトは,人間の行為がとり得る潜在的に可能な形式を巨大な円弧に喩え,特定の文化はその円弧の中の限られた部分を望ましいものとして助長し他の部分を抑制し,こうして文化のなかの個人は自らの文化が助長する部分を享受するというのである。このようにベネディクトには,個人次元のパーソナリティ体系と社会次元の心理的特徴を同型のものとして想定するところがある。文化の全体が有する統一性を所与のものとし,その統一性と個人が成長の過程で内在する文化とを密着させるこのようなアプローチは,1960年以前の「文化とパーソナリティ論」に共通するものであり、後に強い批判を招くことになる。
    ◆「文化の型」でよいか
     「型[パターン]」という概念装置によってズニやクワキウトルやドブや日本の文化を語れば,確かに見えてくるものは多い。しかしそこでの大きな問題は,アポロ型やディオニソス型の文化を,ズニ〈の〉文化やクワキウトル〈の〉文化として,大々的に,包括的に,そしてその人々の文化の本質として選択の余地がない固定的なものとして語らざるをえなくなるという点である。ズニ〈の〉文化と言うとき,その〈の〉に負わされた意味はあまりに大きい。
     このようなアプローチによって文化というものが,より「現実的な」社会的プロセスが展開される背後の風景,ないしは,より重大な政治や経済のドラマが演じられる際の舞台背景として見えることになる。〔……〕しかし,むしろ今後必要になるのは,文化を「型」のような所与の固定性としてよりは,「柔らかい」ものとしてとらえる視点である。文化現象が変動性とダイナミズムを欠く整合的で全体的なものであるとする見方は,単なる独断であるのかもしれない。
    (執筆:小泉潤二)

  • 辞書代わり、というかコンパクトな人類学事典。

  • ・進化主義と新進化主義
    18c ダーウィンの生物進化論
    19c後半の社会進化思想に影響(ハクスリーの目的論誤釈による優勢学的な考え方のことか?)・・・今日進化主義/古典的進化主義

    初期の人類学の前提
    どの民族も同じように進化する、しかしその進化の速度が異なる。最も進んだ段階が西欧文化。→「未開」=「原始的」という誤謬の定着

    進化主義に対する批判
    全ての民族が同じ進化過程の道を歩むという前提はおかしい。文化・社会が相互に影響し合うという点が無視されている。(悪しき要素主義、自民族中心主義の典型)→現在の文化人類学ではその多くを誤りとしている。

    新進化主義
    1940− J.ホワイト(普遍進化、一般進化)、J.スチュワート(多系進化、特殊進化)
    これらを組み合わせ、一般進化と特殊進化を相互補完的なものに(E.サーヴィス、M.サーリンズ)
    「バンド社会→部族社会→首長制社会→国家社会→産業社会」(一般に定着)
    しかし現代人類学ではテクノロジーなどの分野など進化の度合いを計測するある程度客観的な基準が確立されている場合を除いて、進化を論じる事は難しいとされている。
    たとえばいったいどのような基準がある宗教から別の宗教よりう進化していると言う事ができるのであろうか。
    (そもそも究極な意味での客観的な基準の確立なんてできるのか?)

    ・伝播主義と文化圏説
    古典進化主義の批判:文化間影響関係を全く無視しているところ。単系進化を前提。(分断された理想的空間の中での分析)

    伝播:隣接する民族の間で一方が他方の影響を受けて、その文化を取り込んだ事が明らかな場合が多数存在する。(20c以降)

    イギリスの伝播主義
    E.スミス(エジプトのミイラ研究)
    汎エジプト説:古代エジプトが世界各地の諸民族の文化の源泉

    W.ペリー、W.リヴァースにより発展
    極端な主張だったため激しい批判をあびて表舞台から消える

    ドイツ・オーストリア伝播主義あるいは文化圏説
    19c末ドイツのL.フロベニウス
    人間生活の主要な文化要素が一定地域に同時に見いだされる場合、それを伝播によるものだと考え、そのような文化複合の広がりを文化圏と呼ぶ。

    ドイツのF.グレープナー
    伝播の過程で文化圏同士が重なり合うと、その歴史的前後関係から2つの文化圏の層位関係があらわれると考え、それを文化層と呼んだ。いくつかの文化層の重なり合いとして世界各地の諸民族の文化を文化史的に再構成する手法が確立された。(W.シュミット)
    W.コッパースのいたウィーン大学が文化圏説の中心地に。(1930年代に全盛)→衰退、限定地域での伝播の研究中心に(歴史民俗学)

    伝播主義への批判
    ボアズ(20c初頭のアメリカ文化人類学を主導)
    伝播主義だが文化圏説のその実証性のなさを批判。
    機能主義も文化圏説を批判。
    伝播主義は進化主義と同じく要素主義の典型であり、文化要素間の機能的連関を軽視している。現存する文化を共時的に分析することが文化人類学の任務であるとした機能主義の主張が伝播主義にとどめ。=それが歴史的にどのように成立して来たかを説明して来たとしても、その文化が現在どのように働いているかを説明できないではないか。

  • 和図書 389/B89
    資料ID 20101040127

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    2階書架 : 389/YAM : 3410156289

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