多文化世界―違いを学び共存への道を探る

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641075788

感想・レビュー・書評

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  • ・繊維染色会社での製造部長とデザイン・セールス担当部長の対立。デザインや営業戦略と製造スケジュール管理が両立せず、二者と二部門は仲たがいしていた。
    この状況を読み、問題点と解決法を考えて記述するようテストしたところ、

    ①フランス人は、この事例は二人の部長の上にいる社長の不注意によるものと診断した。フランス人は、両者が対立について共通の上司に報告し、今後そのようなジレンマが起こらないように上司が何らかの命令を下すという解決策を良しとしていた。スティーブンス教授は、フランス人の暗黙の組織モデルは、「ピラミッド型の組織」であると解釈している。

    ②ドイツ人の大多数は、その事例を構造の欠落と診断した。二人の対立する部長の能力について、はっきりと述べた者はいなかった。ドイツ人の好む解決策は、コンサルタントに問い合わせたり、対策委員会を任命したり、共通の上司に相談したりするなど、手続きを設定することであった。ドイツ人にとっては「油をよく差した機械」が組織として理想であるとスティーブンス教授は感じている。

    ③イギリス人の大部分は、その事例を人間関係における問題であると診断した。二人の部長は交渉が下手であり、この点に関する能力を高めるには、彼らを経営学のコースにできれば二人一緒に送り込むべきである。「取引分析」はその当時はまだ考案されていなかったが、彼らに勧められる訓練を表す適切な用語であろう。イギリス人の心のなかにある暗黙の組織モデルは「村の市場」であるとスティーブンス教授は感じた。

  • 環太平洋大学「比較文化」の教科書であった。

    好きな言葉…文化相対主義、

    異文化理解についての、ベトナム人の記述が興味深かった。

  • メンタル・プログラムが国によってかなり異なるところが興味深い。北米・ヨーロッパ地域内でも、「欧米」とひとくくりにするにはあまりに異なっている。挙げられている例は多彩でわかりやすく、引きつけられる。

    文化の各次元について、なるべく良し悪しの判断をせずに書かれているところがよい。各国の持つ傾向が、長所にも欠点にもなりうることがよくわかる。この視点は、個人レベルでも理解しづらい相手に対して使えそう。

    国レベルでも個人レベルでも、他の文化と接するときにどういう問題が起きうるか非常に具体的に説明されている。単に「やり方が違うから手間がかかる」というような単純なことではないので、結果を出すためには、自分側の規範にこだわりすぎていないか、慎重に検討する必要がある。

    日本で読まれている多くの経営・組織論が、文化的に隔たっているアメリカ産のもののようだけれど、そのまま当てはめようとしてもうまくいかないかもしれない。自分たちがどういうメンタル・プログラムを持っているのかに注意すべきだし、非英語圏の類書と比較が必要だ。

  • 国民文化を知る基本書.実証的研究から得られた5つの次元を紹介し,その次元に対する影響要因を解説.具体的なデータが見たかったが.

  • &第2章

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