- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641124318
作品紹介・あらすじ
学校教育の再生には「教育課程」を改革する展望が必要です。複雑で重層的な性格をもつ「教育課程」を読み解き、編み直すために、歴史・思想・政策・実践という多角的な視点から、丹念に書き込んだ待望の本格的テキスト。
感想・レビュー・書評
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思想と方法を用いて実際に運用する際には教育課程(カリキュラム)が編まれる。つまり,教育課程に思想と方法が表れる。思想と方法を立派だと喧伝しても教育課程の組み方がまずければ,その立派さは絵に描いた餅か。
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職場の教育研修で紹介されていたパフォーマンス評価の本を探していて、関連する本として紹介さていたので読んでみた。教育課程に特に興味があるわけではなく、しかし頭では重要なものと認識していたため、逆にこういう機会でもないとなかなか読まないだろうと思い購入した。
教育課程の戦前・戦後の歴史、教育課程の社会的背景からの位置づけ、各国の事情、そして教育課程を編成する際に反映されることになる主だった考え方の紹介が述べられている。個人的に興味を持ったのは、最後の、「教育課程の思想と構造」という項目。私が最後に述べただけで、実際は本書の中盤に書かれてあるのだが、経験主義vs系統主義、生活vs科学、領域vs機能、履修主義vs修得主義など、あえて2項対立的にこれまでの論争を振り返ることで、論点を明確にしてくれている。結局は両者を踏まえた教育課程の編成が大切であると、本書ではどちらがより重要かという著者の主張は述べられていない(またそれを目的にした本でもない)が、教育課程というものの大まかな理解を得るには役に立つ教科書的な本であると思った。
職場でも中堅的な立場になるにつれ、教育課程という学校のグランドデザインそのものの影響を考え始めた現在、他教科の動向を踏まえながら、学校の目的、目指すべき生徒像を明確にして、教育課程編成に参画するきっかけを与えてくれた良書。