法を学ぶ人のための文章作法

  • 有斐閣
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641125896

作品紹介・あらすじ

法律分野と国語教育分野の研究者がタッグを組んだ、今までにない文章作法の本。確かな表現力を身に付けるための一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ・正確性・論理性・平易性が重要。
    ・問題文をとくとき、そこに含まれる論点を識別し抽出すること、同時に、出題者の意図をよく汲んで関係ない論点まで言及しないこと。
    ・事実の分析と、当てはまる法規範の解釈の2つを有機的に関連付けることが大切。説得力を持たせるには、自分がとる解釈の一般化可能性、平等的取り扱い可能性、具体的妥当性に留意すること。
    ・書き方の訓練:フリーライティング。とにかく思ったことを書き出していく。
    ・常に読み手を意識して書く。
    ・主語を明確にする、修飾関係を明確に、てにをはを間違えない、長い場合は短くする、考えている過程をそのまま文字にしない。

  • 実務家になる前に読みたかった。答案作成についても、とても良いことを書いてくださっているのだが、どうしても学者の先生の共著だからか、文章が格式高い感じになりすぎな感じもした。

  • 法律文書作成手順:所与の状況に焦点を合わせ、事案を分析して問題点を抽出する。次に、法律的な解決は同様の状況に対して等しく与えられるべきもねかだから、当該状況に対する解決の考え方を一般的に示すために定立された規範を確かめなければならない。我々が立法権の行使を付託した国権の最高機関が採択したルールであり、法律的な紛争解決において至高の価値を持つ法文を解釈して根拠とするのである。最後に、事案の中から規範の適用関係上、重要な事実を識別し、抽出された事実について規範を適用して得られる解決を論理的に明晰な文章で示す。
    優れた法律文書=文章の正確性、平易性、論理性からなる形式条件と文章の合理性・正当性の実質的条件を満たした文章。刑法を具体例に、判例や学説との付き合い方、パラグラフ・ライティングやパワー・ライティングなどのアメリカの作文技術に加えて日本語が規定する思考特有の注意などを織り交ぜた日本語表現の磨き方、よく見かける答案の悪例の添削などを、理論的・説得的に指南する良書。サピアやハヤカワ、ハイデガーなどの知見や文章の引用もあり、単なるノウハウ本にとどまらない知的好奇心をくすぐる、著名な学者の共著ならではの味わい。

  • 論文を書くうえで参考になる。

  • ためになった。 具体的には以下4点。

    ・「について」の用法
    「〜を述べよ」は対象そのものを問題にしており、「〜について述べよ」は対象に対する解釈や評価を問題にする。対象そのものと対象に対する評価や意見、解釈はまったく別次元の世界である。

    ・「の」をなるべく使用しない練習をする
    ・「こと」「もの」を具体的な語句に書き換える
    ・語のカテゴリーを自覚する。例えばレポートの目次を作成するときは、調査の要素に関する語句と調査の内容に関する語句を混在させない。
    あるカテゴリーの語句を使用する場合は、そのカテゴリーの語句で目次を一貫させる必要がある。

  • 法学部や法科大学院で法律学を学ぶ人向けの文章の指南書。法律学のレポートや答案を書くのに参考になる。添削例もふんだんに盛り込まれており、実践的な内容である。
    ただ、本書の内容でちょっと納得のいかない部分も散見され、やはり法律学のような論理的な文章でも、文章というのは個人の感性の部分もあるのかなという感想も持った。

  • 書店にあったので思わず手にとって買ってしまいました。デザインもかっこいいし、わかりやすいし、かついい感じにレベルアップできるので、良い本です。(コメントが全然論理的じゃない笑)
    概念から説明してあったし、作者の善意を感じる。文章化、スピーチ力。相手に伝える力は最近の課題なので、参考にしていきたい!

  • 読みやすく、わかりやすい。練習問題や実際の答案が多く配置されていて、アドバイスが具体的である。文と文の論理的な関係が不明確になる接続詞は使わないように、などのアドバイスは、自分も同様の指導をされたことがある。読んでいて、指摘されたのきのことを思い出し、ついやらないように気をつけないと!と気が引き締まった。

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著者プロフィール

中央大学教授

「2023年 『講義刑法学・各論〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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