ミクロ経済学の第一歩 (有斐閣ストゥディア)

著者 :
  • 有斐閣
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641150058

作品紹介・あらすじ

はじめて経済学を学ぶ学生がつまずきやすい箇所にポイントを絞って、理論の前提を省略せずに丁寧に解説します。イメージしやすい具体例とイラストをふんだんに盛り込んだ、読むのが楽しい入門テキスト。

感想・レビュー・書評

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  • https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000016371

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  • ・全然悪くなく分かりやすいものの、CMAの過去問やる分には、第一歩なので浅い

  • 入門書として名高いようだが、自分とっては、全体にちょっとダラダラしていて読みづらかった。
    機会費用の例などは、わかりやすく勉強になった。

  • もはや定番の書となっているミクロ経済学入門の教科書。数式はほとんど出てこず、多くの図表が載っており、視覚的に大変わかりやすい作りの教科書となっている。本書は大きく分けて、4部で構成されており、第1部はミクロ経済学の導入、第2部は完全競争市場という条件下での余剰分析、第3部が完全競争市場の条件が満たされない場合での市場の失敗と政府の役割について、最後の第4部は補足的なゲーム理論について書かれている。

    個人的に良かったのは、第2部での完全競争市場という条件下での余剰分析だ。さまざまなケースの余剰分析について書かれており、非常に勉強になった。ミクロ経済学はマクロ経済学に比べて抽象度が高く、取っ付き難い印象があるが、細かい話は抜きにして、ひたすら余剰分析からの導入は成功だろう。実際に自分でグラフを描いて、余剰がどのように変化するかを確かめると大変な勉強になる。この部では、何回も「完全競争市場という条件では~」と書かれており、「この世に完全競争市場なんて無いのでは?」とtwitterで感想を呟いたが、著者の安藤至大先生からのリプライによると、為替市場が最も完全競争市場に近いということである。

    https://twitter.com/munetomoando/status/1163599179240710144

    完全競争市場について書かれた第二部から市場の失敗と政府の役割が述べられた第三部への接続も滑らかだ。第三部では、情報の非対称性、外部性、不完全競争、取引費用が大きい場合といった、完全競争市場ではない現実的な市場メカニズムというものが詳細に書かれており、完全競争市場というものに疑問を持った人にちゃんと応えてくれている。

    章末問題もよく考えられて作られており、こちらも読み飛ばさずに自力で解くと勉強になるだろう。個人的に第5章の章末問題が良かった。有菱閣のサポートページも充実している。ミクロ経済学入門として世評が高いのも納得の出来であり、経済学部に進学する高校生は春休み中に是非とも読んで貰いたい一冊である。必読。

  • 東2法経図・6F指定:331A/A47m/Watanabe

  • 解説がとても平易で分かりやすく、入門書としてはかなりよく考えられていると思った。おすすめ。

    以下メモ

    ・「150円以下なら買ってもいい人」と「80円以上なら売ってもいい人」の間で交換が成立すると、差額の70円は社会全体の富の増分(総余剰)になる

    ・所得が増えたときに需要が増える財・サービスを「上級財」、需要が減る財・サービスを「下級財」と呼ぶ

    ・価格規制の失敗例:以前アメリカ領サモアでは雇用の約8割がツナ缶の工場によるものだった。あるときサモアの人々の保護を目的として(全くの善意から)最低賃金の段階的な引き上げが施行された。結果的に、ツナ缶工場のほとんどがサモアから撤退してしまい、雇用は失われて経済は大打撃を受け、サモア住民の多くは最低賃金引き上げ前よりも貧しくなった。その後サモアの最低賃金引き上げを凍結する法案が可決された

    ・完全競争市場においては、政府による介入は死荷重を生み効率的ではないため、弱者を救いたい場合には原則として市場への介入ではなく直接的な再分配を行うほうが良い

    ・政府が取引の制限や資金調達のために課税したり、取引増加のために補助金を出したりした場合、それによって市場には死荷重が発生し効率性が犠牲になることを知っておく必要がある

    ・ 政府が市場に介入することが正当化されるのは、基本的に「市場の失敗」がある場合のみ。その目線で政策を見ることが基本

    ・独占を禁止する最大の理由は市場に死荷重が発生することだが、例えば独占者が全ての消費者の需要関数を把握していて個々に完全な値付けをすれば(完全価格差別)独占企業が全ての余剰を手にすることが可能となり、死荷重が発生しないという思考実験が可能。しかしこのような場合であっても、独占企業は市場競争に晒されていないために生産コストを削減しようとするインセンティブを失う(X非効率)ことや、製品の改良をするインセンティブを失うことなどが問題視できる

    ・公共事業は、もたらされる便益が費用を上回ると予測された場合にのみ実施される。しかし不確実性があるため、「実施しないべきなのに実施された事業」と「実施するべきなのに実施されなかった事業」が生まれる。このとき、「実施するべきなのに実施されなかった事業」は目に見えないため、「実施しないべきなのに実施された事業」ばかりが目立って、あたかも予測の精度が著しく悪い、あるいは事業が不正な判断によって実施されているように見えることがある(セレクションバイアス)

    ・情報の非対称性において生産者が不利な場合に、生産者側は「スクリーニング」という技術を使う。スクリーニングとは、複数の契約を提示して、相手の行動によって相手の性質を知ろうとする行為。例えば自動車保険会社は、免責金額および保険料の高いものと低いものを販売することで、事故を起こしやすい人と起こしにくい人をふるい分けている

  • とてもよみやすかったです。何度も読んでセンスを身に付けたいと思います。

  • タイトルのとおり、ミクロ経済学の最初の一冊として通読するのに適している。経済学における概念を理解することを優先させる方針からか、数式の使用は最小限かつ簡易なものに押さえられている。

  • 2013年12月に有斐閣より出版しました。

  • 読み直したさ:★☆☆
    薬局距離制限事件、瑕疵担保責任など、法律に関する話題あり。
    需要曲線供給曲線の読み方について、大変わかりやすい記述あり。万が一忘れたら読むとよい。
    〈感想〉
    本当に第一歩目として書かれている。書名に偽りなし。まさに入門。その点で素晴らしいので★5つ。

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著者プロフィール

日本大学教授

「2021年 『ミクロ経済学の第一歩〔新版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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