- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641178014
感想・レビュー・書評
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「西洋外交史」という科目の必修参考文献。
「外交」という概念の歴史的変遷、つまり外交史について。
米国大統領ウィルソン(1856~1924)が一次大戦後に提唱した所謂「新外交」の欠陥についてもアーネスト・サトウやハロルド・ニコルソンなどの歴史的外交官の主張などを基に言及されており、非常によくまとまっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
慶應義塾大学法学部准教授(国際政治史、国際関係論)の細谷雄一による「外交学」の入門書
【構成】
序章 「外交学」のすすめ
1 三冊の『外交』
2 外交研究の発展 「技術としての外交」から「対外政策」へ
第1章 外交とは何か
1 「外交」とは何か
2 「外交」の起源
3 「外交」の発展
第2章 「旧外交」の時代
1 イタリアからフランスへ
2 フランスからイギリスへ
3 「旧外交」の成熟と衰退
4 近代日本の外交
第3章 「新外交」の時代
1 「新外交」の登場
2 「新外交」と国際連盟
3 「新外交」の没落
第4章 現代外交の時代
1 イデオロギーの交錯
2 第二次世界大戦後の外交
3 冷戦後の外交
終章 二十一世紀の外交
1 「対テロ戦争」の時代へ
2 日本外交に何が可能か
「外交」とは何か?という問いについて、古代ギリシャからはじまる「交渉」から15世紀イタリア都市国家間の「外交」、そして17世紀から19世紀にかけて西・中央ヨーロッパで徐々に形作られる「旧外交」の姿を簡潔に描くことで、歴史的な「外交」が提示されている。
アーネスト・サトウ、ハロルド・ニコルソンといった「旧外交」を熟視しているイギリス外交官の言説をしばしば引用しながら、貴族的で秩序のある同質的な「旧外交」の姿はわかりやすい。
そして、この「旧外交」を否定する形で登場するウィルソン大統領の非妥協的・理想的な「新外交」は、第二次大戦後のケナン、モーゲンソーといった理論家たちが主張するようにより現実的な妥協を探る路線へと転換・修正されていく。
文体・内容とも非常に簡明であり、入門書としての質は高い。ニコルソンの『外交』を再読したくなるとともに、遅々として進まないキッシンジャーの『外交』の早期読了を決意させられる良書である。 -
日本若手No.1国際政治学者といわれている細谷先生が、専門の外交を教科書向けに書いたものです。
わかりやすく書いてくれているので、私は重宝してます。