銅像受難の近代

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著者 : 平瀬礼太
  • 吉川弘文館 (2011年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642038034

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銅像受難の近代の感想・レビュー・書評

  • ●:引用 →:感想

    ●銅像とは何なのか。誰が、どこに、なぜ、どのような目的で建てるのか。そして、芸術としてはどうなのか。そしてなぜ撤去されるのか。銅像となる人物に対する評価、銅像を建てる人物の人徳、設置する場所の意味、維持の方法、銅像の利用の仕方などいずれも銅像には欠かせない条件を形成する。そのうえに、造形としての美しさや技術の熟達の度合い、人格の表現などが銅像に対する見方を大きく左右する。一見他よりは良さそうに見える銅像であったとしても、いずれの要素が欠けてしまえば、ある意味では当然のごとく難に遭うこととなる。ましてや近代社会はめまぐるしく変遷する。その人物に対する現在の見方と後世における見方が変わるのも当たり前であり、時代が変わればその銅像に対する認識のされ方が一変してしまうのはこれまで見てきたとおりである。近代日本においては雨後の筍のごとく銅像が次々と製作されてはいるが、その後の戦中の金属供出、戦後の連合国軍総司令部による軍国主義・超国家主義の除去という強烈なフィルターに多くが引っかかってしまった。網の目くぐり抜けて現代まで生き残ってきた銅像の方が、例外的なしぶとい存在だったと認識するほうが適切である。残った銅像は多くの障害を乗り越える、他の銅像とは異なる何らかの要素を持っていたということになる。

    →銅像の受難とは、戦中の金属供出や、戦後の軍国主義的銅像の撤去の事かと思っていたが、そればかりではなく、日本に近代的銅像(仏像以外という意味)が建立されて間もなくから、銅像の出来栄え(表現方法、鋳造技術、台座・背景との調和)、銅像としての価値、銅像となる人物論、実に様々な難儀が銅像に降りかかっている。
    近年、銅像といえば、アニメのキャラクターが町おこしが話題の中心だが

  • 私の趣味の世界をここまでしっかりと書いてくれた本はありませんでした。
    銅像が近代日本に林立したことについて、裏事情を丁寧に読み解き、その後はやや足早ですが、戦争時のことや戦後すぐの時期のことが書かれています。

  • プロローグからⅠ銅像建築ラッシュと銅像論が退屈でなかなか進むことが出来ず四苦八苦。
    Ⅱ銅像たちの安住とその後以降は当時の風潮や銅像若しくはその人物への批判等々面白く読めた。表紙写真の広瀬武夫・杉野孫七像の世間での評価の変遷や布施第四小学校の楠公像盗難とその顛末は時代の特徴がかなり濃くて当時の様子が目に浮かぶようだった。

  • 導入は正直タルかったのだが、中盤以降は楽しく読めた。分量的にメインの戦時供出の話はもちろん、それ以外も知らなかったエピソードが満載。

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銅像受難の近代の作品紹介

明治以降、続々と建てられた楠木正成・二宮金次郎・西郷隆盛など偉人たちの銅像。その多くは時代に翻弄され、戦時中に鋳潰されたり、戦後に撤去されたりした。銅像たちの数奇な運命を激動の近現代史の中に読み解く。

銅像受難の近代はこんな本です

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