- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642055505
作品紹介・あらすじ
幕末、尊皇攘夷の国体論を打ち立てた水戸学。会沢正志斎・藤田東湖らの思想と行動、その影響下にあった吉田松陰・横井小楠に迫る。明治維新の思想的推進力となり、近代天皇制イデオロギーとなった水戸学を問い直す。
感想・レビュー・書評
-
水戸学とは体系だった一様の思想ではなく、人物によってその内実は異なっていた。として幽谷‐正志斎‐東湖を論じる。
折衷的方針のもとで当時のさまざまな思想を総合し、内憂外患の危機に応じようとした。改革を実践し、それを通じて理論も修正されていく。寛政期‐化政改革‐「新論」‐天保改革‐「弘道館記述義」‐幕末の改革を経て明治維新の思想的推進力へ。また近代天皇制イデオロギーへ。
水戸学の民衆観とは?
正志斎は民心を一つにするために天皇祭祀を唱えるが、民衆不信であり民は教化の対象であった。(儒教的神道・徂徠学的)
「新論」は上からの国家主義政策を説き、幕藩体制擁護的
農政改革を通じて民衆観の転換
東湖は宣長的な国学の立場にあり、また民衆を信頼し、そのあり方を肯定、そこに国家の基盤を見出す。さらに道徳と政治の連続を説く。
「弘道館記述義」は個人が天皇のために主体的に働くことを説いた道徳論
水戸学とは東湖学であり、正志斎の「新論」とは異なる。対外拡大期に「新論」が顕彰されたために誤解されてきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読
-
当時幾通りもあった思想・ストーリーを一つに統一し、若者のエネルギーを沸き立たせた昔の水戸人に乾杯です♪
内容(「BOOK」データベースより)
幕末、尊皇攘夷の国体論を打ち立てた水戸学。会沢正志斎・藤田東湖らの思想と行動、その影響下にあった吉田松陰・横井小楠に迫る。明治維新の思想的推進力となり、近代天皇制イデオロギーとなった水戸学を問い直す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田 俊純
1946年、東京に生まれる。1971年、横浜市立大学文理学部卒業。1974年、東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、東京家政学院筑波女子大学国際学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
分類=幕末維新期・水戸学。03年2月。