南朝には忠臣がたくさんいて、内紛ばかり繰り返していた室町幕府とは違うーーという認識は本当なのか?という出発点の本。
結論的には、南朝も幕府と変わらず(むしろそれ以上?)、内紛の繰り返しだった。
大塔宮とその子供たち、大覚寺統嫡流康仁親王、鎌倉幕府を再興しようとした?西園寺公宗、北陸へ下向した「天皇」恒良と新田義貞などなど。
これまであまり論じられてこなかった「忠臣なのか?」(後醍醐の政治思想に賛同していたのか、南朝を裏切らなかったのか…等)の視点で書かれていてとても面白かった。
文章も読み易くすらすら読める。