帝国日本の技術者たち (歴史文化ライブラリー 399)

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  • 吉川弘文館
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642057998

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  • 戦前における技術者、技術史の本。

    著者自身が記しているが、ここにおける技術者とは、技術全般に従事する者ではなく、工業技術者が中心となる。

    そのため工業技術ともうひとつの分野である農業技術者の記述は少ない。

    本書では、戦前の技術者の育成と人材の活用、拡散について述べられ、また、戦前の技術者が戦後の経済復興にいかに継承されていたかが記されている。

    また、書名に「帝国日本」とあるように、日本内地で高等教育を受けた技術者が外地でいかに用いられたかも記されていると同時に、日本が外地に設置した教育機関出身の技術者の経歴にも触れられている。

    外地での技術者という点では、朝鮮の部分において農業技術者の記述がある。しかし、台湾の部分にはないのは、記述の観点からいっていかがかと思う。

    また、使っている資料の性格だろうが1930年代から終戦までしか記述がなく、それ以前からの継承について触れられておらず、技術者育成という観点での記述が見られないのが残念だった。

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著者プロフィール

1953年生
1978年 国際基督教大学教養学部卒業
1983年 東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得退学
    大阪大学教授、南山大学教授などを経て
現 在 南山大学特任研究員、大阪大学名誉教授、博士(経済学)

主 著
『日本鉄道車輌工業史』(日本経済評論社、1998年)、『通商産業政策史9 産業技術政策』(通商産業政策史編纂委員会編、経済産業調査会、2011年)、『近代日本の研究開発体制』(名古屋大学出版会、2012年、日経・経済図書文化賞、企業家研究フォーラム賞受賞)、『近代大阪の工業教育』(大阪大学出版会、2012年)、『近代大阪の産業発展』(有斐閣、2013年)、『八木秀次』(吉川弘文館、2013年)、『マザーマシンの夢』(名古屋大学出版会、2013年)、『機械工業』(日本経営史研究所、2015年)、『帝国日本の技術者たち』(吉川弘文館、2015年)、『日本の技能形成』(名古屋大学出版会、2016年)、『久保田権四郎』(PHP研究所、2017年)、『見えない産業』(名古屋大学出版会、2017年)、『海軍技術者の戦後史』(名古屋大学出版会、2019年)、『現代大阪経済史』(有斐閣、2019年)、『技能形成の戦後史』(名古屋大学出版会、2021年)、『輸出立国の時代』(名古屋大学出版会、2022年)

「2023年 『日本帝国圏鉄道史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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