天下統一とシルバーラッシュ: 銀と戦国の流通革命 (歴史文化ライブラリー)

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著者 : 本多博之
  • 吉川弘文館 (2015年6月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642058049

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天下統一とシルバーラッシュ: 銀と戦国の流通革命 (歴史文化ライブラリー)の感想・レビュー・書評

  • 大学院の時にお世話になった本多先生の御著書。
    本書は「銀」流通という視点を据えて、東アジアの流通経済及び国際関係、国内の流通構造の統一過程を鮮やかに描いている。
    日本銀は16世紀前半(1530年代)に博多商人・神屋寿禎らが関わって石見銀山を本格的に開発したことが端緒となる。早くから博多商人が関与していたことから貿易品として使われるようになる。
    後の地方権力(大内氏や毛利氏)も銀による交易を積極的に行っていくことになる。
    日本銀がアジアに出回るようになると、アジア外からポルトガルやスペインが銀を求めて東アジアへやって来る。
    まさに本書のタイトルにある「シルバーラッシュ」現象が起こるのである。

    国内では、銀(石見銀)の浸透は凄まじい早さで展開し、早くも織田政権の天正年間初めには経済活動の中で用いられるようになる(主に贈答用など)。
    さらに、豊臣政権の天正末年~文禄年間にかけては高額貨幣として、経済活動における銀遣いも行われる。
    ここで紹介されている、経済活動における金遣い・銀遣いの事例は後の徳川政権にも引き継がれていくことになる。
    また、国内流通構造の統一政権による掌握過程も描かれてお、銀流通はその過程を推し進める役割も果たしていたといえる。

    個人的に興味のあった、なぜ貫高制から石高制へ移行したのかという疑問に対するアプローチも示されており、幅広く勉強することができた。

  •  室町幕府の国内支配が弱まる頃、東アジア海域における取引手段は銀であった。西国大名は銀山を開発し銀鉱石を採掘して銀を精錬した。博多商人に預けられた銀は白絹と麝香と陶磁器に変わった。日本の銀を求めて異国商人が押し寄せれば海外に開かれた港湾都市には銀が集まった。火薬の原料も弾丸の原料も兵粮も取引通貨として国内に広まる銀によって調達された。

    『このように十六世紀半ばには、日本の戦国大名が明への朝貢制度のもとで対明外交をおこなう一方、すでに環シナ海域で広範に経済活動を展開し、後期倭寇として活動する中国海商らとも緊密な関係を築いていた。』36頁

  • 石見銀山の発見と産出銀の急増により、日本国内のみならず東アジア世界の経済構造が変わっていく様子が一次資料で丹念に跡づけられながら、述べられていく。織田政権、豊臣政権下での流通構造の変化が起こり、江戸三貨制度・石高制度へとつながっていく。『戦国織豊期の石高制と貨幣』(吉川弘文館、2006年)も読んでみたく思った。

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